ユッカヌヒーという言葉を聞いたことはありますか?
沖縄の行事の一つなのですが、いったいどのようなことが行われるのでしょうか。
開催日なども併せて紹介します。
目 次
ユッカヌヒーとは?2023年はいつ?
ユッカヌヒーとは、日本語では「四日(ユッカ)の(ヌ)日(ヒー)」となり、旧暦5月4日のことを指します。
新暦となった現在では毎年日にちが変わるのですが、2023年は6月21日(水)になります。
この日には沖縄各地の港町や漁村で、ハーリー(地域によってはハーレー)というお祭りが催されます。
小浜島細崎・石垣島四カ字・白保・船越・西表島白浜・与那国島久部良などではこの日程で行います。
もともとは一年の豊漁と航海安全を願うことを主旨とした海の神事であり、爬竜船(はりゅうせん)競漕などが行われます。
ハーリーという言葉は爬竜の中国音であり、爬竜船は沖縄の方言でハーリーブニと言います。
他にもユッカヌヒーは戦前、沖縄の子どもの日ともされていました。
節目の前は厄日とされることが多く、この日も起き上がり子仏子やチンチン馬などのおもちゃを子どもたちにあげて喜ばせ、厄を祓ったと言われています。
また、ご馳走や中国から伝わったとされる郷土菓子の「ぽーぽー」や「ちんびん」が振舞われたりもしました。
ぽーぽーは小麦粉を水で溶き薄く焼いたものに味噌などを入れてクルクル巻いたもので、ちんびんは黒糖が入った甘い生地を丸く焼いてクルクル巻いたものです。
ユッカヌヒー当日には、火の神や仏前にお供えする家庭もあるそうです。
那覇ハーリーの紹介
ハーリー行事の中でも最大規模といわれている「那覇ハーリー」の紹介をします。
開催期間
那覇ハーリーは、毎年ゴールデンウィーク中の5月3日~5月5日の間に「那覇新港ふ頭」で開催されます。
旧暦の5月4日ではなくこの期間に開催されるのには、観光を目的としていることや、那覇市内の中学校対抗戦が行われるなどの理由があります。
内容
まず、爬龍船の行事を日別で紹介します。
[5月3日]
初日は那覇市内の中学校対抗(男女別)のハーリー競漕が行われます。
3隻の爬龍船が、旗手の合図でスタートを切り、往復400メートルのタイムを競い合います。
[5月4日]
中日には爬龍船の乗船が無料で体験出来ます。
一般の子どもから大人まで体験出来るとあって、とても人気があります。
[5月5日]
最終日には多彩なチームによる対抗戦や、那覇ハーリーのラストを飾る「御願(うがん)バーリー」と「本バーリー」が行われます。
古式ハーリーに則った衣装とハーリーウタ(歌)によって行われる御願バーリーは、港内をゆっくりと鮮やかに回遊します。
この儀式は神に捧げ豊穣を願う為のものです。
その後行われる本バーリーは那覇、泊、久米の3チームが港内を往復し競漕し合います。
ハーリー競漕以外にも、メインステージではミュージックライブやお笑い、子どもたちのエイサーなどが行われ、サブステージではダンスコンテストや相撲大会などのイベントが開催されます。
期間中はたくさんの出店が並び、定番のものから沖縄そばなども楽しむことが出来たり、音楽に合わせて海上から打ち上げられる花火を見ることも出来ます。
歴史
那覇ハーリーは、14世紀に久米三十六姓が中国から沖縄に帰り伝えたという説や、長浜太夫という人が南京で見た爬龍船を帰国後に真似して造ったという説など由来は様々です。
そして、琉球王国の国家的行事として栄えていましたが、1879年の廃藩置県で琉球王国がなくなったことにより廃止となり、一時期は地域の行事として復活したものの1928年を最後に途絶えてしまいました。
しかし、1975年の沖縄海洋博(本土復帰記念事業として開催)をきっかけに復活し、今でも沖縄を代表する行事になっています。
見所満載の那覇ハーリーですが、爬竜船もまた他の地域と比べ大きく、特別な仕様となっています。
舳先(へさき)に竜頭、艫(とも)には竜尾の装飾が施され、全長14.5メートル、船幅2.1メートル、重さは約4トンもあり乗組員は42人にもなります。
ユッカヌヒーは沖縄の文化に触れることができる行事です。
那覇ハーリーはゴールデンウィークですが、旧暦5月4日にも糸満市や他の地域でお祭りが開催されますので、この時期に沖縄へお越しの際はぜひ足を運んでみてくださいね。