皆さんは清明節という祝日をご存知でしょうか?
清明節とは主に、中国や台湾、香港といった中華圏における祝日の一つで大変大切な日とされています。
日本では年末年始やGW、お盆などが一般的に重視されますが、それ以外の祝日は「この祝日だからこれをする」といったことはあまりないと思います。
一方、中華圏では一つ一つの祝日も非常に大切にする習慣、風習がありますので、ぜひ皆さんが中国に遊びに行ったときに、遊びに行くときの参考になるように清明節についてご紹介したいと思います。
目 次
清明節とは?2023年はいつ
清明は春分の日から15日後にあるため、2023年は4月5日(火)となっています。
清明節といえば、先ほども少しご紹介したように、中華圏では大切にされている祝日の一つです。
この中華圏の祝日である清明節は日本で言うところの、お盆のようなもので、ご先祖様のお墓参りを主にするような日とされています。
日本ではお盆というと、同じように実家に帰省する人も多いと思いますが、最近の伝統や風習を大切にする傾向が薄くなってきているため、実家に帰ってもくつろぐだけで実際にはお墓参りする人も少なくなっているとも言われています。
しかし、中華圏では風習や伝統を今もなお守る人も多く、清明節には多くの方が、地域の風習や伝統を守り、ご先祖様のお墓参りを行っていると言われています。
清明節そのようなお盆に似た中華圏の祝日ですが、日本ではお盆と言えば、夏にあるのですが、中華圏は日本とは違って、旧暦を元にしている24節気で祝日を決めます。
そのため、その年によって多少の日が前後するのですが、清明節は24節気の中でも名前の通り、「清明」にあります。
清明節の由来
清明節がある清明では、名前の通り、春分が過ぎたことから清らかな風が吹きよせ、大地が新しい芽吹きを運び明るい様子になっていくことを表します。
そしてこの時期になると、雨が多くなる時期に差し掛かるのですが、中華圏では生者を大切にすると共に、死者も大切にすることから、雨風にさらされてきたご先祖様のお墓を浮きに突入する前に一度綺麗にするということから始まったとされています。
このため、中華圏では清明節に入ると多くの方が自分の先祖のお墓にお墓参りを行い、昨年の感謝の気持ちと、これから一年の家族の安否を願う人が多いです。
このことにより、多くの方が中華圏では清明節にお墓参りに行くのですが、この際にご先祖様のお墓が綺麗にされている様子がない、お墓に土が盛られていない所はお墓参りする人がいない、又は子孫がいないとみなされ、その家庭はあまりよく思われない場合があります。
清明節の風習
さらに、清明節では「寒食節」と呼ぶ風習もあり、これは香港では色濃く物語として残っていると言われています。
この物語というのが、紀元前7年世紀にあった物語とされ、晉文公という中国の王子と、その家臣である介子推との物語です。
【晉文公と介子推との物語】
当時、中国の王子とされる晉文公は激しい国の争い、政治の中敵から身を守るため、家臣である介子推と少人数の家臣を引き連れて、山奥に身を潜めたとされています。
しかし、長い日が経つにつれて全員が食に飢え始めて王子である晉文公も空腹の末、息絶えようとしてました。そのことを感じ取った家臣の介子推は自らの足の肉を王子である晉文公に与え、その甲斐もあって晉文公は救われたとされています。
さらにそれからも王子晉文公は逃げ続け19年の歳月を得て国王として国に戻ったのですが、国王になったことからも大変になり、晉文公は介子推の事を忘れてしまいました。
ですが、ある時ふと介子推の事を思い出し、晉文公は介子推の事を探して山奥で母親と暮らしているという情報を仕入れましたが正確な居場所はわかりませんでした。
その時、晉文公の家臣が山に火の灯りをつけて探せるようにと案を出されるのですが、晉文公はこの案をいいのではと思い、実際に火を山につけました。
しかし、その火は山を燃やし尽くし、大火事になったとされています。
その火が消える頃に再度介子推を捜索したのですが、その大火事により介子推が見つかったのですが、介子推は柳の木にもたれて命を落としていました。
このことを聞いた晉文公はひどく悲しみ、この介子推がなくなった日には火を使わない冷たいものだけを口にする日と定め、清明節を「寒食節」としたという物語があります。
この物語は先ほどもご紹介したように、香港では今もなお伝わっているのですが、他の中国の地域でも一部語り継がれていると言われています。
さらに、清明節では「寒食節」と呼ばれる他に「掃墓節」と呼ばれています。
この「掃墓節」は、先ほどのようにご先祖様のお墓参りをする際に、掃除をすることからや、自分の庭先の草むしりをする風習がある事から「掃墓節」と呼ばれることが多いです。
そのため、清明節の時期になると庭で草むしりをして家や庭を綺麗にする人が多く、この時期になると暖かい気温になるため、お花見をする家庭が多くなるとされています。
そのため、中華圏では清明節はお花見シーズンの一つとして数えられるところがありますので、中華圏でもお花見をして観たい方には清明節に訪れるのがおすすめです。
清明節の様子
清明節の食べ物
清明節では先ほどもご紹介したように寒食節の風習が残っている所では冷たいものを食す風習が残っています。
特にこの時に食べるとされているものは事前に用意したゆでたまごを食べる人が多く、台湾など润饼というクレープや春巻きのような食材を皮のようなものに包んで食べ物を食べるところが多いです。
さらに上海などの地域では「青团」という、草団子の中にあんこが入っているものを食べるところもあれば、麺細工とも称される「面花」という食べ物(動物などをかたどった麺細工)を食べるところが多くあるとされています。
清明節で食べられるのはこれだけでなく、さらに細かい地域では清明節の時期にからし菜を食べる地域もあれば、卵料理を食べる風習が残っており、色濃くその地域の特性が反映されるのが清明節の特徴とも言えます。
ちなみに、中華圏にある「青团」は伝統菓子でもあるため、スーパーやデパートのレジ横にも置かれるほど多くの方が口にする食べ物なのですが、先ほどご紹介したように草団子の中に餡が入っています。
しかし、この餡は日本の餡とは少し違って、豚の脂とされるラードが入っているため、より濃厚な味わいとなっています。
これを知らずに食べる日本人の人は違和感と共に、好き嫌いが分かれる食べ物となっています。
この「青团」について興味がある方は「青团」は中国の江南地方が発祥の地とされていますので、江南地方に行くか調べて頂けたら具体的な詳細が出てくると思います。
まとめ
清明節について簡単にはご紹介しましたが、春の訪れとともに、徐々に暖かくなっていくことからこれからいよいよ本格的に1年を始まると感じやすい時期にもなっています。
そのような時期にしっかりと、ご先祖様のお墓参りをする習慣・風習が今もなお中華圏では色濃く残っていますので、この時期に中華圏へ行く場合には友達に誘われた際には一緒に行って清明節を一緒に感じて頂けたらと思います。