女の子の節句、ひな祭り。
ご家庭でお人形やひな飾りを飾られるかたもいらっしゃるでしょう。
並べて飾ってまたしまう・・のは大変ですが、それでもお家にひなかざりがあると華やかで、
お子さんの情操教育上にもいい影響がありそうですね。
このひな祭り、ひしもちやはまぐりなど、古くから伝わる伝統的なお祝い料理がありますが、
なぜひな祭りにその食べ物を食べるのか、ご存知でしょうか?
本日は「ひな祭りと食べ物」についてご案内します。
目 次
ひな祭りとは
ひな祭りは女の子のための行事です。
女児の初節句にはひな人形を用意して、健やかな成長と幸せを願いながらお祝いします。
日本には平安時代を起源とする「五節句」という行事があります。
季節の節目に身の穢れを祓い、健康長寿や厄除けを願うという風習がありました。
毎年3月3日の上巳(桃の節句)に行われます。
2023年も同じく3月3日になります。
旧暦でひな祭りを行うところもありますので、旧暦の3月3日は2023年4月22日(土)になります。
沖縄のひな祭りと言われる「浜下り(ハマウリ)」も旧暦行事になります。
ひなまつりと食べ物
ひなまつりの料理には、それぞれに演技の良い意味が込められています。
はまぐりの吸い物
はまぐりの吸い物は、ひな祭りの代表的な食べ物です。
平安時代から「貝合わせ」という遊びでも知られていたように、
はまぐりの貝殻はお互いに対になっているものでなければぴったりとあうことができません。
このことからはまぐりに仲の良い夫婦の姿を重ね合わせ、
一生一人の人と添い遂げるようにという願いが込められております。
ひしもち
ひしもちとは、みどり、白、ピンクの三色の餅をかさね菱形に切った、大変に華やかな印象の食べ物です。
みどり、白、ピンクの三色には意味があり、
みどりは「健康や長寿」、白は「清浄」、ピンクは「魔除け」を表すと言われています。
また、みどりを「大地」、白を「雪」、ピンクを「桃」にたとえ、
「雪が解け、大地に緑がもどり、桃の花が咲く」と言うような春の情景を表しているという説もあります。
また、菱形は「心臓」を表していると言われており、
親が娘の健康を願い、災厄を取り除こうという気持ちが込められています。
菱餅(楽天)
白酒
昔は桃の花びらを漬けた「桃花酒」という酒が飲まれていたといわれています。
桃は邪気をはらうと言われており、
気力や体力の充実をもたらす薬酒のひとつとして中国から伝わりました。
江戸時代頃から、みりんに蒸した米や麹を混ぜて一ヶ月程熟成させた
「白酒」がこのまれるようになり、現在まで風習が残っています。
白酒はアルコール度数10%前後のれっきとしたお酒ですので、子供は飲めません。
お子様にはノンアルコールの「甘酒」を用意してあげてください。
ちらし寿司
ちらし寿司の具材である海老には「長生き」の意味があり、
豆には「健康でまめに働ける」、れんこんには「見通しが聞く」等の意味があり、
縁起のいい意味合いが祝いの席にふさわしいということと、
人参や三つ葉などの華やかな彩りが春を表現して華やかだということから、
ひな祭りの定番メニューとなっておりました。
ひな祭りの食卓には、
その他にもさざえ(願い事が叶う)や芽を出す野菜(わらびやよもぎなど)、
春を感じさせるお菓子(よもぎ餅や桜餅)などが登場します。
いずれも華やかで、子供の健康や幸せなどを願う、親の思いがたっぷりつまったものです。
ひな祭りは、子供の節句ではありますが、親世代にとっても大切な行事であることはまちがいありませんね。
今年のひな祭りも、華やかで美味しいメニューで食卓を飾ってください。
五節句については
節句にまつわる事項