生活に、密着している節目の日を、「社日(しゃにち)」といいます。
今回は社日について紹介します。
目 次
社日とは?
社日は、八十八夜や半夏生と同じで、雑節の1つです。
社日の「社」は、その土地の守護神である祀る産土神を意味しています。
※産土神とは生まれた土地の守護神
社日とはその産土神を祀る日で、春と秋の年に2回訪れます。
ちょうど、春は種まきの時期で、秋は収穫期に重なる事から農業を行う人々にとって、大切な節目の日となっていました。
春の社日には五穀を供えて豊作を祈り、秋の社日は稲穂を供えて収穫に感謝をあらわしていました。
2023年の社日の日はいつ?
社日は、春分の日と秋分の日に最も近い、戊(つちのえ)の日となります。
それぞれ、
春の社日を「春社(はるしゃ・しゅんしゃ)」といい、
秋の社日を「秋社(あきしゃ・しゅうしゃ)」と呼びます。
戊は「土の兄(つちのえ)」にあたり、土の神を祀る日として選ばれたと言われています。
このような場合、春分または秋分になる瞬間が、午前中であれば前の戊の日、午後であれば後の戊の日とるすのが一般的になってます。
2023年
春社3月21日
秋社9月27日
2024年
春社3月15日
秋社9月21日
2025年
春社3月20日
秋社9月26日
社日の由来
社日のルーツは、中国です。
社日もまた、中国から伝わった風習が、日本独自の風習として定着したものなのです。
古代中国で、社日の「社」は土の神を指しており、その「社」を祀る祝日でした。
社日は、春と秋の年に2回行われ、春には豊作を祈り、秋は収穫に感謝していたようです。
この風習が伝わると、古くからある地神信仰や田の神信仰と結びつき、その後根付いたといわれています。
社日の行事
社日の行事は、それぞれの土地の神様を祀るため、その行事も地域によっていろいろです。
春の社日は「地神降り」、秋の社日を「地神昇り」とも呼ばれています。
●長野県小県郡では、春に村へ降りてきて秋に山へ帰る田の神様を、お社日様として信仰しています。
春の社日には、お餅をついて祝い、秋の社日には、稲を一株抜いて田の神様に捧げるお祭りが行います。
●福岡県の筥崎宮では、お潮井取りという行事が行われます。
お潮井は、筥崎宮前の海岸(箱崎浜)の真砂の事をいい「でぼ」と言う竹のかごに入れ、玄関に供えます。
このお潮井で、外出の時に身を清め災いを払うのは、博多に、古くから伝わる風習のようです。
また、家屋を新築する際に敷地を祓い清めたり、農家では田畑に撒いて虫をよけ豊作を祈ったりします。
●群馬県の社日稲荷神社では、春と秋の社日祭において、江戸時代から続く「探湯神事(くがたちしんじ)」が行われています。
神前に供えられた大釜に沸かした熱湯を、小笹を使って全身に浴びることで、家内安全や厄難除けなどの祈願をするのです。
探湯神事は「湯加持行事(ゆかじのぎょうじ)」とも言われているようです。
このように季節の節目に、お祭りをするのが日本の風習となっています。
社日祭でのお供えもの
社日祭では、地域の神様を祀(まつ)る、社日宮へお供えものをします。
この日は農作業を休みんでおはぎを作り、米を一升枡に入れ、お酒をお銚子に入れてお供えします。
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