二百十日(にひゃくとおか)をご存知ですか?
これも雑節の1つで、例によって農業に携わる人以外には馴染みのないものですが、やはり古くからさまざまな行事、祭りが行われる大事な節目でした。
目 次
2023年の二百十日はいつ
2023年の二百十日は、9月1日
2023年の二百二十日は、9月11日
2023年の八朔は、8月27日
になります。
二百十日の意味や由来
二百十日というのは、立春から数えて210日目(立春を1日目とするので、立春の209日後ということになります)にあたる日のことです。
現代のカレンダーの日付的には9月1日頃で、世間では台風の特異日などと言われています。
実際にそうであるかというのは諸説ありますが、この時季は稲が開花する季節で農家にとっては非常に大切な時期でした。
ここで台風等が来ると農作物に甚大な被害を与えることは必至です。
そこで過去の経験から、決して気を緩めずに過ごすようにとこの日を厄日としたというのが由来のようです。
この雑節は伊勢の船乗りたちが長年の経験から凶日としたと伝えられており、暦に記載されたのは江戸時代だということです。
二百十日とともに「八朔(はっさく、旧暦の8月1日のこと)」や「二百二十日(にひゃくはつか)」が農家の3大厄日とされているそうです。
これらも同様の雑節だそうで、二百十日や二百二十日に吹く強い秋風のことを野分(のわき)と言います。
二百十日の頃の行事
先述の通り台風襲来の特異日、風が強くなる日などとされてきたため、農作物を風害から守るため神に祈りを捧げる風祭りというのが各地で行われます。
獅子舞によって風神を追い立てる行事、家の棟木の両端に風切り鎌を外向きに立てる習俗も中部地方・北陸地方に残っているそうです。
特に、奈良の大和神社で「風鎮祭」というものが、また富山では「おわら風の盆」という風習が300年も前からあるといった具合に各地で風を鎮めるための祭りが昔から開催されてきました。
また、近代の話になりますが、9月1日には関東大震災があったり、室戸台風(昭和9年)、枕崎台風(昭和20年)、伊勢湾台風(昭和34年)というように地震や台風など大きな災害があり、多くの犠牲が出ています。
そのため9月1日は防災の日としてされ、防災訓練などが行われるようになりました。
二百十日の頃の食べ物
二百十日に行事食といったものはあるのでしょうか?
調べてみましたが、特にこれといったものは無いようです。
ただ、9月1日は防災の日なので敢えて非常食を食べてみるというのはいかがでしょう。
いざというときのために備えている非常食にも消費期限はありますので、一定期間経過したものは処分しなくてはいけません。
そこで古くなったものから食べるようにするといい、ということです。
「いざという時」本番になって、非常食が古すぎて食べられないということがあっては大変ですから。
ということで、今回は二百十日の紹介でした。
旧暦の9月1日は必ず台風が来るわけではないですが、9月の初旬はまだ暑い盛りであり台風シーズンの頃でもあります。
現代は天気予報があるので備えもでき、大変な事態にはならないと思いますが、やはりこの時期は台風に気をつけましょう。
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