カジマヤー祝いという行事をご存じでしょうか。
本土では聞きなれないと思いますが、沖縄では毎年行われる長寿のお祝いなのだそうです。
どのような由来があり、どのような事が行われるのか紹介します。
目 次
カジマヤー2023年の日にちはいつ?
カジマヤーの97歳にあやかり、旧暦の9月7日にお祝いをします。
新暦になってからは、毎年日にちが変わるのですが、2023年は10月21日(土)となります。
ちなみに満96歳、数え年97歳が対象です。
カジマヤーの意味や由来は?
カジマヤー祝いとは、沖縄で行われる97歳の長寿のお祝いのことで、8回目のトゥシビーにあたります。
トゥシビーとは、いわゆる生年祝いの事なのですが、自分の干支と同じ年にお祝いをする沖縄で大切にされている風習です。
中でも特にカジマヤー祝いは盛大に行われるのだとか。
その意味や由来については、諸説あります。
その1.風車
カジマヤーという名前ですが、沖縄の方言で「風車」を指し、「風回し」からきていると言われています。
カジマヤーを迎えると人は再生し子どもに戻るという言い伝えに伴い、当日は97歳を迎えた長寿の方々に風車を持たせてお祝いします。
カジマヤー祝いを漢字では「風車祭」と表記することもあります。
その2.四辻
以前、カジマヤー祝いでは、主役に死装束を着せ模擬葬式の儀式として、集落の7つの四辻を回ったという話もあります。
その「四辻」からカジマヤーという名がつけられたという説です。
ちなみに、四辻(よつじ・よつつじ)は十字路や街頭の意味を持ちます。
その3.模擬葬式
先にも少し紹介しました通り、模擬葬式の儀式として行われていたカジマヤー祝いですが、それは明治時代までさかのぼります。
カジマヤーを迎えた長寿の方に死装束を着せて車に乗せ、集落の7つの橋や7ヵ所の四辻を通り、お墓まで連れて行ったという記録が残されています。
この模擬葬式が行われていたのは沖縄本島の北部地方とされていて、ここではこの儀式のことを「後生支度」と言っていました。
当時は道でその行列に出会わないように忌み嫌っていたそうです。
カジマヤーの日に行われる行事
カジマヤーを迎えると、子どもに戻るといわれていて、当日は主役に風車(カジマヤー)を持たせて地域をオープンカー等でパレードします。
オープンカーもたくさんの風車等で豪華に装飾され、演舞や学校の鼓笛隊の演奏等が催されたりもします。
主役の衣装も華やかで、男性は頭巾にちゃんちゃんこを、女性は青・黄色の紅型(びんがた)の上に赤の打掛を羽織ります。
そしてパレードが始まると、沿道では長寿にあやかろうと近所の子どもから大人までがお祝いの言葉をかけたり握手をしたり、風車を渡したりと盛大に祝福します。
このように家族や親戚だけでなく、その地域全体であったり小さな離島等は島ぐるみで、お祝いするところもあります。
カジマヤーを迎えるという事は、本人や家族だけでなくその地域にとっても嬉しく誇りのある事なのが伝わってきます。
沖縄では健康に気を付け、この日を迎えることを目標にしている人もたくさんいらっしゃるのだとか。
ちなみに、カジマヤー祝いに欠かせない風車ですが、日本発祥のものではなく中国から伝わったもので、世界中でも親しまれているものなのだそうです。
そして平安時代には日本でも子どものおもちゃとして親しまれ、お祭り等でよく見かけるようになりました。
神棚や鯉のぼり等に飾られることもあり、縁起物としても知られています。
風車の羽は色紙、ビニール、プラスチック等で作られることが多いのですが、沖縄では海岸沿いでよく見られるアダンの葉で作ったものを配っていた時代もあったのだそうです。
昔から沖縄で大切にされてきた長寿のお祝いを、これからも守っていきたいですね。