秋の七草とは次の7つで、秋を彩る植物として親しまれています。
・萩(ハギ)
・桔梗(キキョウ)
・葛(クズ)
・藤袴(フジバカマ)
・女郎花(オミナエシ)
・尾花(オバナ/ススキのこと)
・撫子(ナデシコ)
目 次
七草(秋の七草)
春の七草は七草粥に象徴されるように、長い冬の終わりに新芽の滋養を食し、無病息災を祈るものです。これに対して秋の七草は、咲き誇る花の美しさを愛でるものです。
春の七草粥のように、秋の七草粥があるものと思っている方がいるかもしれません。
しかし、秋の七草はほとんど食べる植物ではないため、秋の七草粥というものはありません!
春の七草についてはこちら
「春の七草とは」
https://netwadai.com/blog/post-601/
秋の七草とは、ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウのことが一般的です。
ただし朝顔についてはキキョウではなく、ムクゲやヒルガオという説もあります。
ハギ、ススキ、クズはどこでも見られる種類ですが、カワラナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウは野生のものを見かける機会が少なくなってきています。
ハギ
花言葉は「想い」です。
マメ科ハギ属ヤマハギ亜属の総称で、ヤマハギ、キハギ、ミヤギノハギなどが含まれています。
草地や林縁などによく見られ、庭木にもよく利用されています。
「生はえ芽ぎ」の意味と言われております。
ススキ
花言葉は「活力」です。
イネ科の多年草で、日当たりの良い草地など、山野のいたるところに普通に生えています。
「すくすく立つ草」の意と言われています。
クズ
花言葉は「根気・努力」です。
マメ科のツル植物で、山野のいたるところに普通に見られています。
紫色の花が房状に咲く様は美しく、根からとったデンプンが葛粉といい、和名は奈良県の「国栖くず」が葛粉の産地だったことにちなむようです。
カワラナデシコ
花言葉は「貞節」です。
ナデシコ科の多年草で、日当たりのよい草地や河原に生えています。
花弁が細かく裂けているのが特徴で、「我が子を撫でるようにかわいい花」の意と言われています。
オミナエシ
花言葉は「美人」です。
オミナエシ科の多年草で、日当たりのよい山野に生えています。
初秋に黄色く、小さい花を咲かせますが、花にはきつい臭いがあります。
美女を圧倒するほど美しいという意で「女圧おみなえし」が語源とも、粟粒に似た花を咲かせることから「女飯」から転化したとも言われます。
フジバカマ
花言葉は「思いやり」です。
キク科の多年草で、河川敷や堤防などに生えています。
野生のものは数が減っており、環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧種に指定されています。
袴に似た藤色の花をつけることから藤袴とも呼ばれています。
キキョウ
花言葉は「変わらぬ愛・清楚・気品」です。
キキョウ科の多年草で日当たりの良い草地に生えています。
フジバカマと同様、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。漢名(桔梗)の音読みです。
万葉集に読まれた山上憶良の短歌
万葉集にて、山上憶良が秋の七草の歌を詠んでいます。
連続した2首で構成されており、歌そのものは非常に単純でわかりやすいです。
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
ここに秋の七草が盛り込まれていますね。
秋の七草の覚え方
春の七草は、1月7日の七草粥として有名ですが、秋の七草には直接何かをするという行事がなく、主に観賞用です。
そのためあまり覚えられず、すぐに忘れてしまいます……そこで、秋の七草の覚え方をご紹介いたします。
お覚えることで、秋の散策やフラワーアレンジがぐんと楽しくなるでしょう。
代表的な覚え方は、五・七・五・七・七のリズムに合わせて、歯切れ良く口ずさむことです。
組み合わせ方は様々ですが、一番多いのが次の順番のようです。
ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ(ススキ)・ナデシコ / これぞ秋の七草
これを繰り返し口ずさんでいれば、春の七草のように自然と覚えられるでしょう。
また、秋の七草は「おすきなふくは?」と覚えることもできます。
お・・・オミナエシ
す・・・すすき(オバナ)
き・・・キキョウ
な・・・ナデシコ
ふ・・・フジバカマ
く・・・クズ
は・・・ハギ
以上、秋の七草についてでした。
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