▪はじめに
ペンギンは、よちよちと歩く姿や海に中を飛ぶように泳ぐ姿がかわいく、世界中で人気の鳥です。
そのペンギンに関する国際的な記念日は、南極に住むペンギンのとある行動が由来となって制定されました。
そこで今回は、ペンギンに関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
世界ペンギンデー(World Penguin Day)とは
世界ペンギンデーは、毎年4月25日にあります。
この記念日は、南極にあるアメリカ合衆国の観測基地「マクマード」にアデリーペンギンが毎年4月25日前後に姿を見せることから、基地のペンギン研究者が制定したものです。
マクマード基地は、南極沿岸のロス島という場所にある世界最大級の観測基地です。
この基地のペンギン研究者は、毎年4月25日前後にアデリーペンギンが大移動を起こすことを発見しました。
アデリーペンギンは9月~10月に南極大陸沿岸などで繁殖活動を行い、4月ごろに海に移動して次の繁殖期まで海で過ごします。
この海への移動のときにマクマード基地の近くを通過するのだそうです。
▪意味
世界ペンギンの日には、毎年4月25日ごろにアデリーペンギンがアメリカ合衆国の南極観測基地にやって来ることを祝うとともに、ペンギンに対する理解を深め、保護活動や環境問題についても考えて欲しいという意味があります。
▪由来
世界ペンギンの日は、アメリカ合衆国の南極観測基地「マクマード」に毎年4月25日ごろにアデリーペンギンが訪れるようになったことから、基地の研究者が4月25日をペンギンの日としてお祝いするようになったことがこの記念日の始まりです。
▪イベント
ペンギンを飼育している水族館や動物園では、「ペンギンの散歩」というイベントを行う所がいくつかあります。
北海道のおたる水族館では、冬の雪が積もる時期(12月~2月)に「ペンギンのお散歩」というイベントを1日3回行っています。
散歩をするペンギンはジェンツーペンギンで、冬の間の運動不足を解消する目的で行われており、園内の決まったスペース内を半分自由に歩く様子が見られます。
ペンギンの雑学
<ペンギンという名前は最初は別の生き物の名前だった?>
私たちがよく知っている「ペンギン」はよちよち歩く飛べない鳥ですよね。
しかし、もともと「ペンギン」という名前は私たちが知っているペンギンとは違う生き物の名前だったのです。
それは、かつて北大西洋と北極圏近くの島や海岸などに生息していた「オオウミガラス」という鳥です。
オオウミガラスは、飛ぶことよりも泳ぐことを得意とするパフィンやエトピリカと同じウミスズメ科で、体の大きな飛べない鳥でした。
このオオウミガラスが「ペンギン」と呼ばれていた理由はその語源にあります。
「ペンギン」という名前の由来には、2つの説があります。
1つはラテン語の「pinguis(ピングィス)」で「太った」という意味の言葉で、2つ目は古代ウエールズ語の「pen-guyn(ペン・グィン)」で「白い頭」という意味の言葉です。
オオウミガラスは現在のペンギンによく似た模様をしていて、頭から背中の羽と翼は黒く、お腹側の羽は白でした。
そして、くちばしと目の間に特徴的な白い大きな斑点があったので「pen-guyn(白い頭)」と呼ばれていたとされています。
また、オオウミガラスはウミスズメ科特有のずんぐりとした体型だったことから「pinguis(太った)」と呼ばれていたともいわれています。
しかし、オオウミガラスは人間の乱獲によって1844年に絶滅してしまいました。
一方、現在ペンギンと呼ばれている生き物は、ヨーロッパの航海技術の発達に伴い、南半球や南極圏近くにまで航海するようになった16世紀以降の西洋人たちによって発見されます。
この生き物がオオウミガラスによく似ていたことから、船乗りたちはこの生き物を「ペンギン」と呼ぶようになりました。
その後、オオウミガラスが絶滅したことにより、ペンギンと呼ばれる生き物は現在のペンギンだけになったというわけなのです。
<ペンギンが北極にいないのはなぜ?>
ペンギンといえば、南極大陸に生息している生き物というイメージが強いですが、同じように寒い環境の北極にはどうして生息していないのでしょうか?
ペンギンの祖先は、7100万年前にニュージーランド周辺で誕生したとされています。
ペンギンは、オキアミやプランクトンなどのエサが豊富な寒流に乗って南極大陸やアフリカ南端、南アメリカ、ガラパゴスなどに移動していき、生息するようになりました。
しかし、赤道近くの暖かい海にはエサが少なかったため、ペンギンが赤道を超えて北極まで移動することはありませんでした。
ですから、ペンギンは北極に生息していないのです。
仮にペンギンを北極に連れて行ったとしても、飛ぶことができないのでホッキョクグマやキツネに食べられて生き延びることはできないといわれています。
<絶滅の危機に瀕しているペンギン>
現在世界には、18種のペンギンが生息しています。
しかし、このうち10種のペンギンが絶滅の危機に瀕しているといわれています。
その原因は、ペンギンのエサとなる魚やイカを人間が乱獲することや、ペンギンの生息地に観光客がやってきて踏み荒らしたりゴミを棄てたりしてコロニーやエサ場を不健全な状態にすること、人間による卵の乱獲、人間が持ち込んだ犬やキツネなどの外来生物によって捕食されることなどです。
中でもとくに深刻なのは、世界規模の気候変動、いわゆる地球温暖化です。
南極に生息しているコウテイペンギンは氷の上で繁殖活動を行いますが、地球温暖化の影響で繁殖地が奪われ、今世紀末には絶滅してしまう恐れがあるとされています。
また、気候変動によりマゼランペンギンのヒナの死亡率も上がってきているそうです。
現状のままでは2100年に世界で今よりも3℃~5℃の気温上昇が予測され多くの生物が絶滅してしまうとされています。
しかし、気温上昇を1.5℃に抑えることができれば、ペンギンの数を8割確保できると考えられています。
ペンギンたちが絶滅してしまわないように各国で保護活動が行われていますが、私たちも地球温暖化防止のためにできることから行っていく必要があるのです。
▪まとめ
「ペンギン」という名前が元々は違う鳥に付けられた名前だったのには驚きました。
私もペンギンが大好きなのですが、人間が原因で絶滅の危機に瀕していることを知りショックでした。
人間が原因で絶滅の危機に瀕している生物はペンギンだけではありません。
ペンギンの日には、ペンギンなど絶滅の危機に瀕している生物について知り、自分に何ができるかを考えてみてはいかがでしょうか。
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