アザミはとても鋭いトゲがあることから触ると危険な花と言われています。
しかし、ある国ではそのトゲに守られ、今も愛されている花でもあります。
目 次
アザミとは
アザミ(薊)は多年草でキク科アザミ属の植物の総称のことを言います。
アザミの種類は300種ほどもあり、日本だけでも100種類くらいありますが、識別が難しく、花や葉の形状だけでなく、生長過程を観察するなど細かい所まで確認しなければなりません。
花の色は紫、ピンク、白色などあります。
開花時期は秋まきの場合、翌年の初夏~秋にかけて咲くことが多いですが、日本でよく見かけるノアザミ(野薊)は春から秋まで長く咲きます。
花期の後はタンポポのように種がフワフワと飛んでいきます。
葉は縁がギザギザとしており、葉と茎には鋭いトゲがあります。
アザミの名前の由来
アザミの名前の由来は諸説あります。
沖縄県石垣島では古くからの方言で「とげ」のことを「あざ」と言い、「み」は植物の名前の接尾語でよく使われていたことからついたと言われています。
この他に昔から驚き飽きれかえることを「あざむ(あさむ)」と言っていたのですが、花を摘むときにトゲが刺さって驚くことが由来とされている説もあります。
アザミが誕生花となる日にち
3月19日、4月19日、9月18日、10月21日
アザミの花言葉
アザミの花言葉は「報復」「独立」「私に触れないで」「厳格」です。
これらの花言葉はある伝説が由来となっています。
13世紀頃にスコットランドで起こった戦争で、城へ侵入してきた敵陣が、暗闇の中でトゲのあるアザミの花を踏んでしまい、大声で叫んだのです。
その叫び声で目を覚ましたスコットランド兵が侵略を防ぐことが出来たという伝説です。
当時は靴を履かず、裸足で歩く習慣があったそうなので、想像するととても痛そうですね。
このことからスコットランド人は家の周りにアザミの花を植える家庭が増えたそうです。
たったひとつの花が偉大な防御策になったのですね。
そして、のちにアザミの花はスコットランドの国花となりました。
今もこのことを歌った賛歌が歌い継がれていたり、スコットランドの様々な場面でシンボルとして使われています。
このことから「報復」「独立」「私に触れないで」「厳格」という花言葉がつきました。
アザミの色別の言葉
アザミには色別の花言葉もあるようです。
色別の花言葉の由来ははっきりとはわかっていませんが、各色が持つイメージと花言葉が合っているようです。
赤いアザミの花言葉は「報復」「復讐」「権威」で、赤い色は戦いや血の色を連想させます。
紫色のアザミの花言葉は「高貴」「気品」「厳格」で、紫色はおごそかなイメージがありますね。
白いアザミの花言葉は「独立」「自立心」で、白色の何物にも染まらない自由なイメージからきているのではないでしょうか。
青の花言葉は「安心」「満足」で、青色は見ているだけで気持ちが落ちつき、癒される色ですね。
アザミの怖い花言葉
アザミの怖い花言葉はアーティチョーク(別名:朝鮮薊、もしくは食用薊)というアザミの品種があるのですが、この花には「警告」という花言葉があります。
この花言葉も触るとトゲがあって危険だという理由からつけられたようです。
アーティチョークは若いつぼみの部分が食用にされ、葉や根は薬草として使われてきました。
便秘解消によい食物繊維が豊富に含まれている他、消化促進やコレステロールを下げたり、シナリンというポリフェノールの一種である成分が肝臓に良いとされています。
また、赤いアザミの花言葉は「報復」「復讐」といった怖い花言葉があります。
スコットランドの国花となったアザミ
アザミがスコットランドの国花になったという伝説を紹介しましたが、この話をもとに作られた「Flower of Scotland(スコットランドの花)」という歌があります。
この歌は1960年代にスコットランドのフォークグループによって作られ、ラグビーやサッカーなどの試合の時に賛歌として歌われるようになりました。
今も様々な場面で人々に歌い継がれています。
この歌の歌詞の中に出てくる「スコットランドの花よ」の花はアザミの花のことを言っています。
そして歌詞の最後は「侵略を断念せり」と締めくくっています。
この歌からスコットランドではアザミの花の伝説はとても有名な話であるということがうかがえますね。