「5月18日 国際博物館の日」
■はじめに
映画やコンサートのデートは楽しいものですが、その間は会話ができません。
博物館であれば、2人でいろいろ話をしながらデートを楽しむことができて、ひょっとすると、お互いの新しい面を見ることができるかも。
目 次
■国際博物館の日とは
1977(昭和52)年にモスクワで開催された国際博物館会議(ICOM)の第11回大会で、博物館が社会に果たす役割を啓発するため、「国際博物館の日」を制定しました。
この11回大会が5月18日に開幕したことから、この日と定められましたが、記念するなら第1回の開幕日でもよかった気もしますね。
■国際博物館の日の意味と由来
国際博物館会議というのは、1946(昭和21)年にパリで設立された非政府間の国際機構で、ユネスコの協力機関、国連経済社会委員会の諮問機関でもあります。
パリに事務局があって、執行委員会と諮問委員会のほかに、世界8ブロックの団体と114の国内委員会、31の国際委員会という大掛かりな組織で、博物館という地味な名称とは異なる印象ですね。
また、世界の自然や文化遺産の保全、文化財の密売などにも対処していて、これも意外に思える活動です。
総会は3年に1度開かれ、第25回大会は2019年9月1~7日、京都で開催されます。
■国際博物館の日のイベント
日本では毎年、この記念日前後に全国各地で多くの博物館、美術館などが無料になるほか、体験学習、トークショー、シンポジウム、フェスティバル、記念品贈呈などの催しがあり、硬軟織り交ぜた企画が好評です。
特に東京・上野のミュージアムウィークは、国立博物館、科学博物館、西洋美術館をはじめとして、上野動物園、旧岩崎邸、下町風俗資料館、そして芸大や寛永寺まで参加した大イベントになっています。
■国際博物館の日の雑学
▽博物館の定義
イベントに美術館や動物園が参加していることに、アレっと思った人もいると思います。
そこで、ちょっとカタイ言い回しになりますが、日本の博物館とは何か、その説明をしておこうと思います。
1951(昭和26)年に制定された「博物館法」によって、博物館とは歴史、芸術、民俗、産業、自然科学の資料を収集、保管、展示して、公衆の教養や娯楽に必要な事業を行い、また調査研究をする機関とされています。
日本博物館協会によると、美術館、資料館、史料館、動物園、水族館、植物園なども博物館法の規定に含まれています。
また、この法律では、規模や管轄、事業展開、補助金などによって、登録博物館(895)、博物館相当施設(361)、博物館類似施設(4,434)の3つに区分されています(数字は2011年統計の施設数)。
▽博物館の危機
伝統ある日本文化が外国人観光客に人気の現在ですが、日本を代表する東京国立博物館は大きな悩みを抱えています。
11万点もの文化財を管理する正規職員は6人にすぎず、国の運営交付金も減る一方で、収蔵品の修復も思うに任せない状況になっています。
中でも絹に描かれた日本絵画は、展示中に絹の目が伸びてしまうため、常に点検、予防、修復措置が必要です。
また、博物館の統廃合による収蔵品の保管場所が課題になっている博物館も多いようです。
こうした状況を鑑みて、2017年に日本学術会議が「21世紀の博物館・美術館のあるべき姿」という提言を取りまとめていて、その最終章で、
- 「博物館法の改正による登録博物館と博物館相当施設の新たな登録制度への1本化」
- 「博物館の水準を向上させる.新登録制度設計と研究機能の充実」
との提言がなされています。
つまり、研究者や民間のボランティア精神をあてにするのではなく、文化財の未来への継承のために、もっと国はお金を出しなさいという趣旨です。
せっかくの提言にケチをつけるようですが、理念ばかりを謳うのではなく、もっと目の前の現実をすぐに解決する具体策を示すべきです。
最終的には「予算」に行きつく話で、財務省と文部省の綱引きですから、残念ですが結果は見えています。
■まとめ
「さあ休みだ、どこへ行こう?」
そうあれこれ考えても、なかなか博物館や美術館は思い浮かびませんね。
リクリエーションとしては、ちょっと敷居が高いのかもしれません。
しかし、そんなこと、博物館側は百も承知で、いろんな企画で入館者を呼び込もうと努力しています。
特に次代を見据え、子どもが飛びつきそうな恐竜や宇宙の企画が目につきますね。
大人だって楽しいですよ。食わず嫌いはよろしくありません。
騙されたと思って、一度足を運んでみてくださいね。
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