▪はじめに
現代の日本では、毎日のようにあらゆる分野のニュースが報道されています。
しかし、世界には政府による厳しい検閲があり、自由に報道できない国もあります。
それはインターネット上でも例外ではなく、そのような政府による検閲を廃止するために制定されたのが、世界反サイバー検閲デーという記念日です。
目 次
世界反サイバー検閲デーとは
世界反サイバー検閲デーは、毎年3月12日にあります。
この記念日は、報道の自由のために活動するNGO「国境なき記者団」と国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル（Amnesty International）」によって、2008年（平成20年）に制定されました。
▪意味
世界反サイバー検閲デーには、インターネットでの自由な表現を守るため、中国や中東などで行われているネット検閲に抗議するという意味があります。
▪由来
世界反サイバー検閲デーが3月12日になった由来は、残念ながら分かりませんでした。
▪イベント
毎年世界反サイバー検閲デーである3月12日には、「国境なき記者団」と「アムネスティ・インターナショナル」は抗議活動を行っています。
過去の活動として、「国境なき記者団」がインターネットの検閲や接続遮断を行う国名を発表したり、検閲を逃れるために記事を音楽にして配信したりしました。
過去には、人気ゲーム「マインクラフト」内にデジタル図書館「The Uncensored Library（無検閲図書館）」を開設しています。
これは、検閲に引っかかってしまった生地をマインクラフト内で本にしてだれでも読めるようにしたものです。
図書館は6つのコーナーに分かれていて、1つは「国境なき記者団」のコーナー、残りの5つは検閲でバンされた記事を集めたコーナーになっています。
無検閲図書館にアクセスする方法は次の通りです。
Windows10
無検閲図書館のサイトからマップをダウンロードし、そのファイルをAppData/Roaming下にある自身のマイクラフォルダー「.minecraft」に保存します。
MacOS
/Library/Application Support/minecraft/savesのフォルダーにマップファイルを保存するか、マイクラサーバーに直接つなぐと、マップダウンロードなしでアクセスすることができます。
ただし、自分のパソコンからマップをダウンロード＆インストールする場合はJava版のマイクラのみ対応、サーバーにアクセスする場合はマイクラversion1.14.4のみ対応となっているので注意してください。
反サイバー検閲に関する雑学
＜「国境なき記者団」とは＞
世界反サイバー検閲デーを制定した「国境なき記者団」とはどのような団体なのでしょうか？
「国境なき記者団（RSF）」とは、報道の自由の確立を目的とする国際的なNGO(非政府組織)です。
1985年（昭和60年）にフランスの元ラジオ局記者ロベール・メナールら4人のフランス人ジャーナリストらが立ち上げたNGOで、現在は130か国のジャーナリストたちの国際的なネットワークを持っています。
「国境なき記者団」の主な活動内容は、ジャーナリストへの圧力や迫害などに対する抗議活動、ジャーナリストが不当に拘束または投獄された場合の救出、ジャーナリストが殺害された場合の家族への支援などを行っています。
2021年（令和3年）には、アメリカ大統領選挙の結果に不満を抱いたトランプ元大統領の支持者たちが起こしたアメリカ合衆国議事堂襲撃事件において、「誤った情報が蔓延したことが事件の背景にある」として、人々が正しい情報にアクセスすることが求められていると指摘しました。
また、2020年（令和2年）には中国から流行がはじまり、その後世界中に広まっていった新型コロナウイルスに関する報道で、中国やヨルダンなど約40か国で政府の意向に沿わない報道に検閲を行ったり報道に関与した記者を拘束したりしたと指摘し、国連に対応を求めるなどの活動も行っています。
これらの活動を含めた今までの活動から、2021年にはノーベル平和賞の候補にも挙がりました。
＜報道の自由度ランキングで日本は何位？＞
中国や中東の国の政府による報道規制の不条理な厳しさは、日本でも度々聞かれます。
日本も戦時中は言論統制が行われ、政府によって厳しく管理されていましたが、戦後は言論の自由が認められ、報道も自由になっていきました。
では、現在の報道の自由度ランキングで日本は何位くらいなのでしょうか？
「国境なき記者団」は、2002年以降毎年「報道の自由度ランキング」を発表しています。
2021年（令和3年）は世界180の国と地域が調査対象となり、そのなかで日本は67位という結果になっています。
このランキングは、各国におけるジャーナリストに対する虐待指標と、ジャーナリストたちに対するアンケート（多様性・メディアの独立性・メディア環境と自己検閲・報道に対する立法の枠組み・透明性・メディアのインフラ品質など）の結果に基づいて評価されています。
「国境なき記者団」は日本の順位が低い原因として、メディアの自由と多元主義（人としての多様性を容認・肯定・保護する国家方針）を尊重しているものの、伝統やビジネス上の利益への影響を恐れて報道の自由度が低下しているとしています。
また、日本の記者クラブ制度がフリーランスの記者や外国人記者を差別している点や、原発事故や沖縄米軍基地などに関する記事を取り扱う記者に対する嫌がらせ、特定秘密保護法なども原因であると指摘しています。
▪まとめ
戦時中に比べるとかなり自由になっていると思っていましたが、他国に比べるとまだまだ低く、それが日本特有の悪い慣習や考え方が原因となって自由度が低いと評価されているのは恥ずかしいと思いました。
報道は、多くの人に情報を与えるだけでなく、人間の考え方そのものにも大きな影響を与えると考えます。
自由には必ず責任が伴います。
報道する側の自由を尊重し、各国の政府機関に圧力をかけられることなく世界中の今起きていることを正しく伝えるということはとても重要なことです。
そして、受け取る側も今起きていることを自由に知り、また報道されていることを全て鵜吞みにせず冷静に判断することも重要なことだと思います。
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