「5月3日 世界報道自由の日」
■はじめに
2018年8月16日、全米約350の新聞が一斉に、報道の自由を訴える社説を掲載しました。
これはトランプ大統領が自分を批判する報道を「フェイク(偽)ニュース」と攻撃し、メディアを「米国民の敵」とまで公言するに及んで、これを民主主義の危機と捉えたボストン・グローブ紙が、全米のメディアに呼び掛けて実現したものです。
今、権力によって報道の自由が脅かされているのは、アメリカだけではありません。
トランプ大統領ほどあからさまではなく、国民の目に触れないような形で、日本の報道の自由も浸食されていると言えないでしょうか。
「国境なき記者団」が2018年に発表した「世界報道の自由度ランキング」で、日本は世界180か国・地域中、67位でした。
目 次
■世界報道自由の日とは
ユネスコの総会決議に基づき、1993(平成5)年に国連総会で制定された国際デーのひとつです。
アフリカの報道に関する宣言がユネスコで採択されたのが2年前の5月3日で、ここから世界報道の自由の日制定へとつながったことにちなんでいます。
■世界報道自由の日の意味と由来
今の時代、報道機関なしには国民が知る権利を行使することは不可能で、情報伝達の自由も「表現の自由」に含まれます。
当然、情報を得るためには、他者の権利を侵害しない限り、取材の自由は保障されなくてはなりませんが、権力による有形無形の妨害も多く、それに抗するため「世界報道の自由の日」は存在しています。
■世界報道自由の日のイベント
毎年5月3日には、パリのユネスコ本部で、ジャーナリズムや表現の自由に貢献した人を表彰する「ギョレモ・カノ世界報道自由賞」の授与式が行われ、世界新聞協会もアメリカのジャーナリスト記念碑で式典を開催しています。
■世界報道自由の日の雑学
▽世界報道の自由度ランキング
日本が67位という「国境なき記者団」のランキングはどうやって決められているのでしょうか。
このランキングを作るために、180か国・地域のメディア関係者、弁護士、社会学者に、報道の自由に関する7つのカテゴリー、87項目のアンケートをして、その回答を独自の数式で計算しています。
意見が報道に反映される度合い、メディアの独立性、運営者の環境、法制度のメディアへの影響力、透明性、インフラ、ジャーナリストへの暴力や不正……これが7つのカテゴリーです。
具体的な質問は、メディアは多様な市民の意見を反映しているか、報道の自由はどのように保障されているか、権力が記者の解雇をどの程度強制できるか……などですが、これをどうやって公平に数値化するのか不思議です。
日本の67位は「問題あり」という評価ゾーンに入っていて、記者クラブ制度と、国家機密の範囲が曖昧で調査報道が困難なことが、主な理由としてあげられていますが、しかし当然、この67位には疑問、非難の声も強くあがっています。
ちなみにノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3国が1~3位を占め、最下位は北朝鮮です。
▽報道の自由の敵は、報道の自由
権力がメディアに監視されるように、メディアもまた国民に監視される時代になって、メディアが非難されることも多く、報道の自由についての論争も起きています。
たとえば、事件や事故の被害者であるにもかかわらず、必要以上の取材に悩まされたり、プライバシーを侵害されたりの2次被害が社会問題になりました。
また、公平中立を装いながら、政府の方針を露骨に支持する論調も目立つようになっています。
しかし、そうしたこともまた報道の自由であって、これでは自分で自分の首を絞めているようにしか見えません。
国民に信頼されてこその報道の自由であることを忘れてはいけません。
■まとめ
やはり、歴史は繰り返すのでしょうか。
最近、独裁に近い力を持った政治家、政党が台頭しています。
ロシア、中国、北朝鮮、アメリカ、そして日本。
欧州でも難民問題に絡んで右翼政党が躍進しているようです。
今、報道の自由の真価が問われています。
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