▪はじめに
現在、必要な情報を知ったり娯楽を楽しむツールとしてほとんどの家庭に置いてあるテレビですが、その放送が始まったのは戦後の復興から高度成長期へと移り変わる時でした。
豊かな生活の象徴として三種の神器とも言われたテレビに日本中の人が夢中になりました。
そんなテレビ放送が民間で始まったことを記念した日やそれにまつわる雑学をご紹介します。
目 次
民放テレビスタートの日とは
民放テレビスタートの日は、毎年8月28日にあります。
民放テレビスタートの日は1953年(昭和28年)8月28日に、日本テレビ放送網(NTV)が民間放送として初めて正式にテレビ放送を開始した日にちなんで制定された記念日です。
▪意味
民間テレビスタートの日は、NHK(日本放送協会)が日本で初めてテレビ放送が開始された約半年後に民間放送として初めてテレビ放送が開始されたことを記念するという意味があります。
記念すべき最初の放送は、1953年8月28日の午前11時20分からで日本テレビ放送網の開局式の様子をそのまま放送したものでした。
▪由来
民間テレビスタートの日は、日本テレビ放送網で民間として初めてテレビ放送が開始した日に由来しています。
ちなみにテレビでCMが初めて流れたのもこの日で、最初のCMは服部時計店(現在のセイコー)のものでした。
▪イベント
民間テレビスタートの日にちなんだイベントは、日本テレビで2013年に開局60周年記念
や2018年に開局65周年記念などの節目の年にイベントが行われていました。
2018年には、NHKと日本テレビそれぞれの人気番組のコラボ特番が放送されたり、記念舞台や記念ドラマが作られました。
また、毎年学校が夏休みに入る7月下旬から8月下旬にかけて日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日・TBSの各局で毎年夏祭りイベントが開催されています。
日本テレビでは、日テレTOWERにて「汐留パラダイス」が開催され、日本テレビの人気番組の体験型のアトラクションやコラボメニューが楽しめるカフェやビアカフェやバスツアーなどが行われました。
民放テレビの雑学
<公共放送と民間放送の違いって何?>
日本の地上波放送のテレビ局は、公共放送と民間放送の2つに分けられます。
この2つの大きな違いは、運営のやり方です。
公共放送は、どんなものにも影響されることなく公平な放送をすることを一番重んじています。
よく間違えられるのですが、NHKは日本の公共放送であって国営放送ではありません。
ですから、一般企業などだけでなく国家権力にも影響されることなくあくまでも公平な立場から放送する放送局なのです。
公共放送は、視聴者から徴収した受信料を財源として運営されています。
NHKは公共放送なので広告収入で利益を上げることが禁止されています。
ですから、NHKではCMが放送されないのです。
受信料を払うことは法律で義務付けられていて、NHKを受信するための機器を持っている人は見ていなくても受信料を払わなくてはいけません。
その代わり、緊急時に迅速かつ正確な報道をする義務がNHKにはあり、民放各局よりも設備の規模が大きくスタッフの人数も多いのです。
民間放送は、色々な企業がテレビでCMを流すために払っている広告費や宣伝費を財源として運営されています。
ですから、放送する側に何か問題が起こればスポンサーを外されてしまったり、景気の良し悪しで運営費が左右されてしまうので、設備やスタッフはNHKに比べると充実していないのが現状です。
最近、ドラマがワンクール3か月になったり人気の長寿番組が次々と終了したりしているのは以前ほど景気が良くないことに反映された結果と言われ、テレビ離れの要因の一つとなっているのかもしれませんね。
<テレビ放送が始まったばかりのころテレビは家族だけのものではなかった!>
テレビ放送が開始した1950年代は、テレビはとても高価なものでした。
1952年に発売された松下電器製のテレビは1台29万円で、当時の公務員の初任給約54倍もしたのです。
テレビは富裕層にしか買えないとても高価なものでしたが、駅や公園や盛り場などに街頭テレビが設置され、多くの人がテレビの前でプロレスやボクシングに熱狂しました。
今でいうライブビューイングのような感じですね。
その後テレビの値段は徐々に安くなっていき、高度成長による収入の増加も相まって一般家庭や飲食店などでも購入されるようになってきました。
テレビを購入した飲食店にはテレビ見たさにお客さんがたくさん入るようになり、繁盛したお店も少なくなかったようです。
また、テレビを購入した家ではご近所さんが集まるようになり、夕飯時にみんなでテレビを見たりするなど今のようにテレビは家族だけで楽しむものではなかったのです。
当時はそれだけご近所さんと近しい付き合いをしていて、少しうらやましいような気もしますよね。
その後テレビは、1959年の皇太子殿下ご成婚をきっかけに爆発的なヒット商品になり、一家に1台の時代になっていきました。
▪まとめ
民放テレビが放送開始になったことで、娯楽性の高いテレビ番組が増えたことはテレビが普及するきっかけの一つだったと思います。
テレビの前でワクワクしながら放送時間を待ったり、ご近所さんと一緒に楽しい時間を過ごしたりと、テレビはまだ人間関係が親密だった当時のコミュニケーションツールでありました。
人間関係が希薄になってきた現代、民放テレビスタートの日には家族や友人と一緒にテレビを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
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