「9月29日 招き猫の日」
■はじめに
ネコは何か気になることがあると、動作途中のままの態勢でカタマッたようになることがしばしば見受けられます。
それが「顔を洗って」いる途中で、耳のあたりに手を挙げたところなら、まさに「おいで、おいで」という合図に見えないこともありませんね。
目 次
招き猫の日とは
1995(平成7)年に日本招猫倶楽部が、古くからある招き猫を広く世の中に伝えるため、9月29日を「招き猫の日」に制定しました。
9月29日という日付は「クルフク」(来る福)との語呂合わせからですね。
■招き猫の日の意味と由来
招き猫の由来には諸説あって、もちろん、どの説が正しいのか判断しようもありませんし、邪馬台国と違って論争もないので、気にしないことにしましょう。
しかし、とりあえず紹介しておきます。
まず、もっともらしいのは農村発祥説で、江戸時代の農家はネズミの被害に悩まされていたことから、ネズミを退治するネコが重宝されていました。
ネコが住み着いた家の農作物は被害に遭わないことから、ネコは「商売繁盛」につながる、つまり「福を呼ぶ」と言われるようになったそうです。
農家と商売がいきなりリンクするのも端折りすぎのような気もしますが、ともあれ、ネコがいればネズミが減るのは当然です。
しかし、当時はネコがどこにでもいるわけではなかったため、代用としてネコの絵を店先に貼り付けたのが始まりと言われます。
ネコの絵にネズミが恐れをなすかは疑問ですが、イワシのアタマの例もあることから、こういったしきたり(?)は数多くありますね。
また、東京・豪徳寺説もあって、これは江戸時代に井伊家藩主が豪徳寺前を通りかかったときに、寺の飼いネコが手招きのような仕草をしたため、寺に立ち寄って休憩し、直後の雷雨に遭わなかったという話ですが、ほほえましい代わりに、ご利益のスケールに乏しいですね。
東京・新宿の自性院発祥説は道に迷った太田道灌を黒ネコが手招きして自性院に案内した話で、東京・浅草の今戸神社は老婆の夢に、貧しさゆえに手放したネコが現れて、自分の姿を焼き物にして売るようアドバイスした話です。
■招き猫の日のイベント
ネコのイベントは何と言っても2月22日という国民的記念日があるので、招き猫の旗色は悪いですが、しかし、頑張っているようです。
三重県伊勢市のおかげ横丁では、毎年9月下旬「来る福招き猫まつり」が開かれ、招き猫現代作家展、絵付け教室、全国郷土玩具招き猫展などの催しでにぎわっていますが、なぜ、おかげ横丁なのかは不明です。
また、同時期に長崎・島原でも同様の催しが開催され、焼き物の愛知・瀬戸でも様々なジャンルのアーティストが新しい招き猫像を創作する全国規模の展示会が開催されています。
招き猫の日の雑学
▽左手「金運」、右手「千客万来」、さて両手なら?
右手を挙げている招き猫は「金運」を、左手なら「千客万来」と言われているのは有名ですが、両手を挙げたバンザイ型はお手上げとして「破産」を意味し、縁起が悪いんだそうです。
また、手の高さが高いほど、大きな福や遠くの福を招くとも言われ、両手を高々と挙げていれば金運と千客万来の両方を招くともされていますが、それじゃあ「破産」の話はどうなったんでしょうか。
昭和後半になると、小判を抱えるデザインが登場し、より金運をアピールするようになり、バブルあたりからは時代を反映して、右手高々のほうが圧倒的に売れるようになりました。
小判も当初の千両からインフレが進んで、億万両まで登場しています。
外国人のお土産用に1万ドル札や高額ユーロ金貨がそのうち現れるかもしれませんね。
▽ネコの色によって幸運あれこれ
招き猫は白ネコだとばかり思っていましたが、色も選り取り見取りで、それぞれの色にそれぞれの幸運が決まっているそうです。
・白は開運招福
・黒は家内安全
・赤は無病息災
・青は健康長寿
・黄は金運万来
・緑は必勝合格
・桃は恋愛成就
・金は財運出世
・銀は満願成就
受験生のみなさん、勉強はやめて、緑色のネコを探しましょう!
■最後に
先日、戸棚の奥を片付けていたところ、失くしたと思っていた中公文庫の内田百閒著「ノラや」を見つけたので、またあらためて読んでいます。
周囲から見ればあきれ果ててしまう愛猫家の日々が描かれていて、ネコ好きには聖典のような1冊です。
筆者の手にあるのは発行が2009年の12刷ですが、なにせ1957年に書かれた随筆なので、旧かな遣い、漢字も旧字体、耳慣れない四字熟語等々で、慣れるまでちょっと時間がかかるかもしれません。
この本が招き猫の代わりにならないものかと思っています。
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