お盆も終わり、今年の夏もいよいよ終わりか・・
と切なくなっているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
夏が終われば、秋本番。日本の秋は実りの秋。
五穀豊穣を祈願した祭が各地で行われますが、
その中でも勇猛果敢な男衆が町の威信をかけて行う、
大阪の岸和田だんじり祭をご紹介したいと思います。
目 次
岸和田だんじりとは
岸和田だんじり祭は、元禄16年(1703年)、
岸和田藩藩主岡部長泰公が五穀豊穣を祈願し行った稲荷祭を祖とする、
約300年の歴史と伝統を誇る関西屈指の祭りです。
市民が「町」の組織に分かれ、だんじりと呼ばれる総欅造りの地車に、
100m程の綱をつけて約500人という大所帯で引き、地元の町を疾走します。
岸和田だんじり祭 2020年日程・時間
9月祭礼
※岸和田地区(中央地区、浜地区、天神地区)と春木地区
試験曳き
9月8日(日曜日)
9月13日(金曜日)
午後2時~午後4時
宵宮
9月14日(土曜日)
午前6時~午後10時
本宮
9月15日(日曜日)
午前9時~午後10時
10月祭礼
試験曳き
10月月6日(日曜日)
午後1時~午後5時
宵宮
10月12日(土曜日)
午前6時~午後10時
本宮
10月13日(日曜日)
午前7時~午後10時
☆ 有料の特別観覧席有り
岸和田だんじりのみどころは
猛スピードでかけていくだんじりは、曲がり角でもその速度を緩めません。
男衆が一丸となって重さ4トンを超えるだんじりを引き回すこの行為を
「やりまわし」といい、
岸和田だんじり祭のクライマックスのひとつとなっています。
このやりまわし、時に事故が起きてしまう事もある程の迫力です。
ニュースで御覧になった事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
余談ですが曲がり角の周辺の建物は、だんじりの激突に備え、
「だんじり保険」に入っているとのことです。
建物 < だんじり なのですね。
それ程までに岸和田市民の情熱を駆り立てる岸和田だんじり祭。
その熱のもとはなんなのでしょうか?
だんじり祭りの役割分担
町会では、子どもからお年寄りまで、大切な役割が与えられています。
少年団・子供会の少年少女は、だんじり前方の安全な場所でだんじりを引き、
10代から20代半ばまでの「青年団」は綱を引いたり、
だんじりに乗って太鼓や笛を鳴らす‘鳴物’を担当します。
アラサーの男達で組織される「組」は、
だんじりのコントロールに関与する「後梃子」を担当し、
一番危険で重要な役割「前梃子」は壮年層の「若頭」の担当です。
そして年長者達は祭の運営を行う「世話人」となり、祭を盛り上げます。
若頭の担当する「前梃子(まえてこ)」は、
やりまわしの上でとても重要な仕事をします。
左右に1名ずつ配され、互いの呼吸を合わせることが重要である事から、
親友同士や兄弟などで担当をすることが多いポジションです。
そして一番の花形は、だんじりの最上部で団扇を持ち、舞を舞う「大工方」。
子供たちは幼き日より、自分もいつか、
だんじりの上に立つ大工方になりたいと願ってだんじりを引くのです。
このように魅力的な役割が、各人のモチベーションを高め、
また、チームワークを体感しながら育つ若者達と、彼らを引っ張る魅力的な大人達、
という見事なリレーションシップが、現代の日本で忘れられがちな地域の絆を感じさせ、
大きな熱となって祭を盛り上げています。
ああ、日本っていいな、と思える祭のひとつです。
この秋、ぜひ、岸和田の人々の情熱を体感しに、岸和田へいらっしゃいませんか?