「5月18日 国際親善デー」
■はじめに
世界各地でテロや人権弾圧が続発するニュースを見るたびに、国際親善という言葉に空しさを感じてしまいます。
しかし、だからこそ、ひとりひとりが「国際親善デー」の意義をあらためて考えなくてはなりません。
目 次
■国際親善デーとは
1899(明治32)年5月18日、オランダのハーグで、ロシア皇帝ニコライ2世の提唱による第1回平和会議が開催されました。
この会議には日本を含め26か国が参加、「国際紛争平和的処理条約」や「陸戦の法規慣例に関する条約」などが締結され、「国際親善デー」はこれを記念して1922(大正11)年に制定されたようです。
■国際親善デーの意味と由来
ところが、どういった機関がこれを制定したのか、はっきりしたことはわかりません。
たかだか100年前の資料が残ってないというのも不思議です。
しかし、記念日の趣旨は明確で「国際交流を通じて平和を実現する」ことが目的ですが、制定のきっかけとなる平和会議を提唱したニコライ2世は、皮肉なことに制定の4年前、ロシア革命によって処刑されています。
■国際親善デーのイベント
国連の広報センターは、139もの国際デーのリストをHPに掲載しています。
ずいぶんとあるものなんですが、しかし、5月18日の欄は空白です。
なんだか、だんだん、あやふやな記念日に思われてきちゃいましたが、7月30日「国際フレンドシップ・デー」、9月21日「国際平和デー」、11月16日「国際寛容デー」、12月20日「人間の連帯国際デー」を発見するに及んで、やはり「国際親善デー」は「発展的解消をして、この4つの記念日に分割されたのだ」というのは、筆者の勝手な解釈にすぎませんが、「国際親善デー」の精神はこの4つの国際デーに受け継がれていることは間違いありません。
従って、5月18日は世界中どこを探しても、それらしいイベントはないようです。
さて、この手の話が大好きな日本はというと、財団法人国際親善協会なる組織があって、日本の伝統的な文化、芸能、芸術、スポーツなどを紹介し、世界各地で友好親善を図るための「JAPAN WEEK」を1986(昭和61)年から、毎年開催しています。
43団体が参加した1回目のフィレンツェ(イタリア)開催から始まって、2018年にはトリノ(4回目のイタリア)、2019年はアテネ(ギリシャ)が予定されています。
■国際親善デーの雑学
▽親善大使
外交官の「大使」とは別に、国連には事務総長任命の「ピース・メッセンジャー」、各専門機関任命の「親善大使」という役職があります。
これは主に民間の著名人が選ばれ、外交特権があるわけでもなく、象徴的存在で広報の役割が大きいようで、これは無報酬での貢献です。
ピース・メッセンジャーにはレオナルド・ディカプリオやシャーリーズ・セロンなどが任命されました。
また、ジェンダーと女性のための国連機関(UN Women)の親善大使にはエマ・ワトソン、アン・ハサウェイ、ニコール・キッドマンのほか、タイやヨルダンの王女も任命されており、国連高等弁務官事務所(UNHCR)ではアンジェリーナ・ジョリー、ケイト・ブランシェットなどが務めています。
▽国際親善乱闘試合
主催者は国際親善を目的としているはずですが、どうも選手はそんなことはおかまいなしに、やる時はやってしまいます。
やはり、サッカーやバスケのような接近戦の試合がアブナイようで、卓球や水泳の乱闘は見たことがありません。
多くの乱闘試合の中で一番の極めつけは、2011年8月、バイデン米副大統領の訪中に合わせて、北京で行われた中国人民解放軍とジョージタウン大学によるバスケの親善試合です。
観客は「親善試合にしては荒っぽいプレーが目立つ」と感じていたようで、突然、コート内で発生した乱闘は、観客をも巻き込んで大混乱となり、試合は中止となりました。
■まとめ
外国人観光客はどこでも見かけますし、自分の周りに外国の人が住んでいることも珍しくありません。
親善大使でもない私たちのひとりひとりが、外国人と交流して、異文化を理解し合うことこそ国際親善の精神ではないでしょうか。
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