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集団疎開の日とはいつ?意味や由来。忘れてはならない辛い思い

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「6月30日  集団疎開の日」

■はじめに

もともと「疎開」とは軍事用語で、小隊や分隊の間隔を開いて、火力によるダメージを軽減することであると、1938年の「歩兵操典」にあるそうです。

そこから転じて、空襲に備えて都市部の人口を分散させることを政府が「疎開」と表現するようになり、1943(昭和18)年10月の防空法改正時に初めて「疎開」という言葉が正式に使用されています。

 

■集団疎開の日とは

1944(昭和19)年6月30日、東条英機内閣が都市部の学童を、学校単位で地方へ集団疎開させる「学童疎開促進要綱」を閣議決定しました。

今日、その日をもって「集団疎開の日」としていますが、いつから、誰がそう言い出したのかは定かでありません。

 

たとえば終戦記念日はつらい日々も思い起こしますが、不戦の誓いと平和を思う未来への展望があります。

しかし、集団疎開の日は「負の記憶」でしかありませんから、戦争に関わる記念日としては希薄な存在です。

 

■集団疎開の日の意味と由来

制空権、制海権を失い、敗色濃厚となり、アメリカ軍の本土進攻が迫る1943年12月21日、重要都市の人員や施設を地方に分散させる「都市疎開実施要領」が閣議決定され、翌年3月には学童の「縁故疎開」を実施しました。

そして6月30日に促進要綱の閣議決定直後、アメリカ軍のサイパン上陸によって、7月20日に文部省が12の大都市の集団学校疎開の方針を発表、8月4日、東京都の学童疎開の第一陣が出発したのを皮切りに、沖縄、大阪、川崎、名古屋、神戸、九州5市(現北九州市)などからの疎開が10月まで続き、41万人の学童が疎開したと言われています。

 

ところで、ここで言う学童とは、国民学校初等科3~6年生の児童で、それ以下の年齢では疎開先の集団生活は不可能であるために都会の親元に残され、また、それ以上の12~17歳は戦争労働と国防のために都市部に残されて、多くが空襲の犠牲になっています。

児童の疎開は、将来の戦力確保という意味合いがあったとの見方が定着しています。

集団疎開と言う場合、ほとんどが学童の集団疎開のことを意味しているようですね。

 

■集団疎開の日のイベント

政府による疎開に関わる要綱や実施細目などは6つも7つも出されていて、アメリカ軍の進攻状況によって右往左往する様子も伺えて、その多くのお達しの中からどうして6月30日なのかもよくわかりませんが、とにかくイベントの類を開催しようとする人は見当たりません。

 

しかし、疎開を経験した学童は、平成が終わるころには70歳半ばから80歳、年々少なくなる戦争の語り部として、疎開先でのできごとを講演や書籍に残そうという地味な活動が続いています。

 

■集団疎開の日の雑学

▽学童疎開船「対馬丸」撃沈

1944年8月22日午後10時12分、沖縄から九州に向けて航行中の疎開船「対馬丸」が米潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃を受けて沈没、乗船していた学童、教師、一般疎開者、兵員など1788人中、学童767人を含む1661人が犠牲となりました。

 

生存者はこの事実の口外を厳禁されていて、戦後になってようやく国民に知れることとなります。

当時はすでに日本軍の暗号が解読されており、すでに撃沈された船舶も出ていることから、当時でも無謀な出航だと思えたはずですが…。

 

▽学童疎開生活

食べ盛り、育ち盛りの年ごろですから、やはり食べ物不足でつらい思いをしたことが一番の記憶だと、疎開生活を振り返る人は口をそろえます。

多くの場合、疎開先は寺院や農家、旅館でしたから、団体生活の不自由さの代わり、同級生や友達と一緒なので寂しくない利点もありましたが、やはり毎晩、すすり泣きも聞こえたそうです。

 

そんな生活を共有したことから、70余年を経た今でも、友情の途切れることなく交流が続く人もいるそうで、この話はちょっとした救いではありますが、一方で、東京の名門学校の生徒たちは、地方の資産家たちの家に割り振られるといったこともあったそうです。

 

■まとめ

疎開生活で苦しい思いをした学童、都市に残って悲惨な日々を過ごした世代が、戦後、必死に働いて日本を世界有数の経済大国を築き上げました。

これは、つらく過酷な時代を生き抜いた経験があったからこそだと思いますが、一方で、自分の子どもにはつらい思いを味合わせたくないという親心があって、それが過保護や放任となり、今のゆがんだ社会の遠因、一因になっているのかもしれません。

 

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