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怪談の日とはいつ?意味や由来は。毎年恒例の「稲川淳二の怪談ナイト」も

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「8月13日  怪談の日」

■はじめに

「怪談」と言えば、「四谷怪談」「牡丹灯籠」「番町皿屋敷」などが有名で、夏の定番として上演・上映されてきましたが、文化としてはもはや古典の部類で、若い人にはあまり受け入れられていませんでした。

しかし、1998年に小説、映画の「リング」が登場し、ビデオという古典にはない現代アイテムと、伝統の情念・怨みを絡めた展開で、一躍ジャパニーズ・ホラーとして復権し、それに多くの作品が続いたことで、若い人の間にブームを巻き起こしました。

ヒロイン貞子が井戸とTV画面から這い出る姿を忘れることはできませんね。

 

怪談の日とは

「怪談」をエンターテインメントとして確立したタレントで工業デザイナーの稲川淳二氏が、自身の「MYSTERY NIGHT TOUR」20周年連続公演を記念し、1993(平成5)年に第1回公演が行われた8月13日を「怪談の日」と制定しました。

 

■怪談の日の意味と由来

怪談とは言ってみれば怖い話なんですが、同じ怖がらせる話でも、やはり国によって文化に違いが表れるようです。

顕著な例としては、日本の幽霊はほとんど女性ですが、ヨーロッパは男性が多く、しかも相手かまわず襲う暴力的な話の展開になりがちです。

 

一方の日本は、幽霊が女性のためもあって、特定の人を精神面で追いつめて怨みをはらすことが、お化けの王道となっています。

国境が陸続きで、血で血を洗う領土戦争を繰り返したヨーロッパに対し、島国で異民族の流入がない日本人が恐れるのは、人間の内なる情念であるといったことにも、この違いの原因があるように思います。

 

■怪談の日のイベント

夏になれば毎年恒例の「稲川淳二の怪談ナイト」が全国ツアーで開催されますが、話だけでは物足りない人は、やはりお化け屋敷に足を運ぶのがいいですね。

常設のお化け屋敷は全国至る所にあって、基本的なウォークスルーから、最近は乗り物で巡るライド型、密室で音の恐怖を味わう3Dサウンド型など様々に工夫を凝らしています。

 

変わったところでは、かの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、1850~1904)の地元、松江市が「怪談」を観光資源として、2008年から夜の「松江ゴーストツアー」を始めています。

これは「耳なし芳一」をはじめ、八雲作品ゆかりの史跡をたどるもので、その多くは真っ暗なお寺なので、ガイドの語り口と相まって、背筋がゾクゾクしてくること請け合いです。

 

怪談の日の雑学

▽夏の怪談はお盆の行事から

夏は怪談の季節で、TVや雑誌は心霊特集を組み、映画館ではホラー映画の悲鳴が響き渡ります。

暑い夏の夜は怪談話で背筋から涼しくなろう! とは俗説にすぎないと、民俗学者で国文学者の折口信夫(1887~1953)は言います。

そもそも夏が怪談の季節になったのは、歌舞伎が夏に幽霊物の演目を「涼み芝居」と称して上演したことが始まりで、これは農村で行われていた民俗芸能「盆狂言」の伝統を引き継いだものとしています。

「お盆」は言うまでもなく重要な行事であり、盆棚や迎え火で帰って来る祖先の霊を迎えますが、同時に無縁仏や怨霊も戻って来ると考えられていたそうです。

「盆狂言」はそんな浮かばれない死霊の苦しみを演じ、成仏を願う鎮魂の芸能で、これが夏の風物詩の源です。

 

▽幽霊には脚がない

若い人はどうか知りませんが、後期高齢者世代が持つ幽霊のイメージは、柳の木の下に白装束でたたずむ女性です。

そして、ひざあたりから下の脚はすーっと消えていますね。

なぜ幽霊には脚がないのでしょうか…と、疑問を投げておいて、まことにつまらない回答で申し訳ありませんが、

江戸時代に「脚のない幽霊の絵が売れたから」だそうです。

 

■まとめ

古くからある日本の怪談を突き詰めると、悪事を働けば必ず祟りがあるという仏教の教えにたどり着きます。

もちろん、怪談は絵空事ですが、そのテーマは昔から伝承されてきた日本人の死生観なんですね。

そう思うと、ただ怖ければいいといったスプラッター映画は、怪談とは呼べませんね。

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