▪はじめに
くるみと言えば、秋に冬ごもりをする前のリスが抱えてかたい殻を歯で噛み割っている絵が思い浮かびませんか?
もちろん、リスだけでなく人間にとっても美味しい木の実でくるみの入ったパンや焼き菓子など人気が高いですよね。
今回は、美味しいくるみに因んだ記念日のお話です。
目 次
くるみの日とは
くるみの日は、毎年9月30日にあります。
くるみの日は、長野県東御市などのくるみ愛好家が制定した記念日です。
東御市は、くるみの生産量が日本一でシナノグルミが市の特産品となっていて、東御市のくるみをアピールする「くるみちゃん」というゆるキャラもいます。
▪意味
くるみの日には、「くるみの食材としての素晴らしさ、用途の広さなどをアピールする」という目的があります。
▪由来
くるみの日が9月30日に制定されたのは、「く(9)るみ(3)はまるい(0)」という語呂合わせと、くるみが出荷される時期であることが由来となっています。
▪イベント
くるみの生産量日本一の長野県東御市では、毎年9月下旬頃にくるみの収穫体験会を行っています。
体験会では、竹竿でくるみの実を叩いて落とす方法で収穫をしたり、農家さんしか味わうことのできない採れたての生くるみの試食・道の駅雷電くるみの里名物のお菓子「くるみおはぎ」の試食もあります。
大人(中学生以上)1,200円、子供1,000円で収穫したくるみ約1㎏のお土産付きなので、家族で参加してみてはいかがでしょうか?
お問い合わせ
長野県東御市農林課 農政係
TEL:0268-64-5894(平日8:30~17:00)
くるみの雑学
<くるみは縄文時代から栽培されていたって本当?>
くるみは北半球の温帯地帯に広く分布する植物で、人間は7000年前から実を食べてきたとされています。
日本国内では昔からオニグルミやヒメグルミが自生していて、縄文時代の遺跡からも多くのくるみが発見され、縄文人が普段から食べられていたとされています。
この縄文時代の遺跡で発見されたくるみのDNAを調べてみると、野生のものではなく栽培されたものだったことが分かったそうです。
くるみは果肉の6~7割が脂肪分でカロリーが高く、またタンパク質やビタミンA・B・B2・Eなども豊富で縄文人にとって、とても貴重な栄養源だったとされています
まだ米作りが始まる前の日本では、くるみなどの木の実は主食とされていたようで、中でも栄養価が高くて育てやすく、沢山の実をつけるくるみを育てることで効率よく収穫し、冬に備えていたのかもしれませんね。
<日本最古のくるみの化石を発見したのは有名な作家だった⁈>
くるみの誕生はとても古く、今から300万年前には地球上に誕生していたと言われています。
初期のくるみは「オオバタグルミ」と呼ばれる種類で、300万年前から110万年前まで繁栄したとされています。
しかし「オオバタグルミ」は110万年前に絶滅してしまい、オニグルミやヒメグルミなどの種類と世代交代しました。
「オオバタグルミ」はオニグルミに比べると実が大きく、殻も固くて厚いため世界各地で化石が発見されています。
日本で最古のオオバタグルミの化石を最初に発見したのは、あの宮沢賢治なのだそうです。
学生の頃地質学を学び、生涯地質学に関わってきた宮沢賢治は、岩手県花巻市の北上川でオオバタグルミを発見し学会に発表しました。
その後宮沢賢治は、「イギリス海岸」という作品の中で北上川の河岸がイギリスのテームズ川の上流にある白亜の海岸に似ているということからそこを「イギリス海岸」と名付けたり、「銀河鉄道の夜」で主人公のカンパネルラがプリシオン海岸でクルミの化石を見付けるという一節を書いています。
宮沢賢治にとっても、オオバタグルミの化石の発見はとても嬉しく誇らしいことで、自分の作品にも残しておきたかったのではないでしょうか。
ちなみに、彼が発見したオオバタグルミの化石と学会で発表した論文は、現在も宮沢賢治記念館に展示されています。
▪まとめ
銀河鉄道の夜の中に、宮沢賢治の大発見が残されていたなんて驚きでした!
また、くるみを太古の昔から栽培してまで食べていたのは、育てやすくて美味しいだけではなく大切な栄養源だったからかもしれませんね。
今ではくるみを毎日食べる人は少なくなってしまったかもしれませんが、くるみの日には旬のくるみを是非食べてみてください!
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