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紙の記念日はいつ?意味や由来は。「抄紙会社」の工場開業

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「12月16日  紙の記念日」

■はじめに

渋沢栄一が2024(令和6)年から新1万円札の顔になることが決まったせいか、2021年のNHK大河ドラマの主人公にも選ばれました。

渋沢が日本産業界の礎を築いたのは間違いなく、東京ガス、東急、東証、帝国ホテル、東洋紡、キリンビール、サッポロビールなどをはじめ、現在の大企業の多くは渋沢の尽力によって設立されています。

その中には王子製紙(現王子製紙、現日本製紙)があり、日本の製紙産業も渋沢を抜きには語れません。

 

紙の記念日とは

1875(明治8)年12月16日に行われた東京・王子の製紙会社「抄紙会社」の工場開業式典を記念し、この日が「紙の記念日」と言われています。

社名にある「抄紙」(しょうし)とは、「紙をすく」という意味ですね。

 

■紙の記念日の意味と由来

日本の文明向上には本の普及が必須と考えていた渋沢栄一は、出版事業を興すために迅速な大量印刷が可能な「西洋式印刷機」と「洋紙」が必要であるとして、製紙産業育成に乗り出します。

イギリスから印刷機を導入し、3か月の試験生産を経て開業に至った「抄紙会社」はその後、王子製紙と改称、次々に製紙会社を吸収して成長を続けましたが、巨大になりすぎたため、戦後、解体されてしまい王子製紙の名前も消えることになります。

 

しかし、製紙業界の再編は著しく、いつの間にか王子製紙の社名は復活、現在、日本製紙、三菱・中越と並んで、業界のトップ3の一角を占めています。

王子製品の身近なところではティッシュペーパーのネピアが知られていますね。

実は日本で最初の洋紙生産は「抄紙会社」ではなく、1年前の1874年に生産を始めていた「有恒社」でしたが、有恒社は最終的に王子製紙に吸収されていることもあって、「抄紙会社」のほうが記念日とされたようです。

 

■紙の記念日のイベント

製紙各社や日本製紙連合会では、絵はがき手作りコンクールやラブレターコンテストなどの柔らかいものから、温暖化対策、生物多様性保全の行動指針報告といった硬い分野まで、紙製品のイメージアップを図るため、記念日に限らず通年で活動しているようです。

 

紙の記念日の雑学

▽パピルスは紙ではなかった!

筆者は長い間、paperの語源と言われるパピルス(Papyrus)が世界最古の紙であると思い込んでいました。

授業でもそう聞いた記憶があり、今でも一部では「紙」だと主張しているようです。

紙とは植物繊維などをほぐして、水で「すいて」、薄く平らに伸ばしたものと定義されていますが、パピルスはパピルス草の茎を細かく裂き、縦横に並べてシート状にしているため、「すいて」という工程がなく、紙とは呼べないんだそうです。

 

では、パピルスに代わって世界最古の称号を得たのは何かと言うと、紀元前2世紀ごろ、後漢の蔡倫という役人が麻や樹皮、ボロ布などを材料に作ったもので、製法は現在の紙の定義と合致しています。

ちなみに日本の「抄紙会社」も一時はボロ布を材料としたこともあるそうです。

朝鮮半島から伝わった製紙技術によって、702年に作られた日本最古の紙は、今も正倉院に保管されていますが、材料を麻ではなく「こうぞ」としたために日本独特の「和紙」になりました。

 

▽紙には逆風の時代

かつて、文化水準は紙の消費量に比例すると言われていましたが、2000年代に入ると、主要先進国の紙の生産量は減少の一途をたどっています。

この大きな原因は、紙を使う新聞と書籍の文化が衰退しつつあることで、平日に新聞を読む人の比率を見ると、70歳以上が3人に2人、60歳代は2人に1人で、若い年代となるにつれて下降し、20歳代では12人に1人という惨状です。

 

また、1999年には22296店あった書店数も、2017年には13000を割り込んでおり、国際通信市場調査によれば、日本の情報入手手段はインターネット39%、テレビ35%、新聞雑誌20%という結果が出ています。

電子機器の利便性は紙をはるかに凌駕し、紙の優位性がほとんどない現状に加え、パルプのための森林伐採という環境問題も紙にとってさらなる逆風として立ちはだかっています。

 

■最後に

政府も「e-文書法」で企業のペーパーレス化を後押ししています。

確かに印刷コストを削減でき、資料の劣化もなく、端末さえあればどこででも資料を見ることができますが、その半面、大きな図面などは全体が見られないことや、システム、ネットワークの影響を受け、セキュリティ欠陥の心配もあるなどから、一気に進んでいるとは言えないようです。

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