▪はじめに
肺は、呼吸を司る大切な器官です。
その肺の病気にかからないよう、病気の怖さと予防の大切さを伝えるために制定されたのが肺の日という記念日です。
目 次
肺の日とは
肺の日は、毎年8月1日にあります。
肺の日は、日本呼吸器学会が肺の成人病と呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の予防の大切さを多くの人に知ってもらうために1999年(平成11年)8月1日に制定した記念日です。
「肺の日」は2007年(平成19年)に「呼吸の日」と改定され呼吸の日であり5月9日に呼吸器の健康に関するキャンペーンなどを行うようになっています。
▪意味
肺の日には、多くの一般市民にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)をはじめ、肺がんや間質性肺炎、肺結核など呼吸器疾患についての最新情報を伝え、病気の早期発見や予防についての知識を普及するという目的があります。
▪由来
肺の日が8月1日になったのは、「は(8)い(1)」という語呂合わせが由来となっています。
▪イベント
日本呼吸器学会では、毎年肺の日のある8月に肺の病気や肺を守るための方法などの市民公開講座を行っています。
過去には新型コロナウイルス感染拡大の影響でWebでのライブ配信やケーブルテレビでの放送、YouTubeでの配信などが行われました。
肺の雑学
<COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?>
肺の日が制定されたきっかけになったのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれる病気です。
COPDとは、長期間喫煙をすることでタバコの煙などに含まれる有害物質によって肺や気管支がずっと炎症を起こした状態になってしまい、呼吸障害が起きてしまう病気です。
主な症状は、風邪をひいていないのに咳や痰が出ることと、階段の上り下りなどの日常生活や軽い運動をするだけもすぐに息切れを起こしてしまうことです。
COPD患者の約90%が喫煙歴のある人で、とくに若い頃から喫煙を始めていたり1日の喫煙回数の多かったりする人がかかりやすく、進行も早いという傾向があります。
COPDはかかってしまうと完全に治すことはできず、ひどい場合は在宅での酸素療法を行うこともあります。
治療は、①禁煙②気管支を拡げる効果のある薬物治療③呼吸器リハビリテーション④運動療法などです。
しかし、1番重要なのはCOPDにならないように禁煙をすることです。
COPDが怖い病気であることを十分の知り、健康な肺を維持できるようにしましょう。
<哺乳類は一生の呼吸回数が決まっているって本当?>
地球上の動物はみんな呼吸をして生きています。
なかでも、私たち人間を含む哺乳類は、一生の呼吸回数が決まっていると考えられています。
生物学者の本川達雄氏によると、哺乳類は一生に約5億回呼吸をしている計算になるのだそうです。
しかし、動物は体の大きさによって呼吸の速さが違っていて、小さな動物は早く大きな動物はゆっくり呼吸します。
本川氏によると、動物の呼吸の間隔は体重の4分の1乗に比例すると考えられ、ゆっくり呼吸する動物の方が寿命が長くなるのだとか。
ですから、体の小さなネズミの寿命は2年前後、牛の寿命は20年前後となり、体の大きなゾウは60年以上、クジラは70年以上生きる計算となるそうです。
確かに、体は大きくなくてもゆっくり動く、つまりはゆっくり呼吸する亀は長生きするといわれ、実際100年ほど生きた個体もいますから納得できますよね。
そうなると人間はゾウやクジラよりも寿命が短い計算になりますが、医学の進歩により長生きできるようになったとされています。
それでも、生活習慣が乱れたりストレスが溜まったりすると呼吸が早くなってしまうので、長生きするには、健康に気を付けながらゆっくりと呼吸をするとよいのかもしれませんね。
▪まとめ
喫煙は百害あって一利なしとよく言われますが、COPDや肺がんのような重篤な病気を引き起こす原因にもなります。
普通に生活していても息が苦しくなるのは心身ともに負担が大きいですし、副流煙でもCOPDや肺がんにかかることがあるので家族など大切な人にも危害を加えることになりかねません。
肺の日のある8月には、市民公開講座や病院に置いてあるパンフレットなどで、肺の病気や予防の大切さについて正しい知識を身に付けてみていかがでしょうか。
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