お正月があけると、寒の入りという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
寒という文字から、季節を表していることが伺えますが、どのような意味のものなのでしょうか。
いつから始まるのか、日にちも併せて紹介します。
目 次
寒の入り2023年はいつから？
2023年の寒の入りは1月6日で、この日が小寒にあたることになります。
小寒：2023年1月6日 (寒の入り)
大寒：2023年1月20日
立春：2023年2月4日 (寒の明け)
2023年の寒中は、1月7日～2月3日までとなります。
寒の入りとは？
寒の入りとは、小寒の日を指します。
小寒(しょうかん)は、二十四節気の第23にあたり、十二月節(旧暦11月後半～12月前半)になります。
寒の入りから寒の明けまでは約1ヶ月で、寒の明けは立春の日を指します。
そして、寒の入りから節分(立春の前日)までの期間を寒、寒中、寒の内といいます。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、古代中国の時代から使われていたもので、それが日本に伝わってきました。
一年を24等分して季節の名前を付けたもので、それぞれを更に3つに分けて名前をつけたのが七十二候(しちじゅうにこう)となります。
二十四節気は、もともと中国の気候から作られている為、日本の気候と合わない時期や名前がありました。
これを補うために雑節(ざっせつ)という季節の区分けを取り入れたものが、日本の旧暦です。
雑節でよく耳にするものには節分、彼岸、八十八夜、土用などがあります。
寒の入りの意味は？
前述した通り、寒のスタートとなる寒の入り。
「小寒の氷、大寒に解く」ということわざがあり、大寒よりも小寒のほうが寒いことから、物事が必ずしも順序通りにいかないことのたとえを表しています。
また、江戸時代に出版された「暦便覧」では暦についての説明があり、小寒については「冬至より一陽起こる故に陰気に逆らふ故、益々冷える也」とあります。
分かりづらいですが、一年のうちで最も昼の時間が短い冬至から、日の時間が少しずつ長くなってくるのに対抗して、ますます寒くなるといった意味合いでしょうか。
現在でも小寒は、寒さが本格的になるころのことをいい、大寒は一年のうちで最も寒さが厳しいころのことをいいます。
いずれにせよ、暦の上で冬の寒さが一番厳しくなる時期の前半ということです。
寒の入りにまつわることや行事は
続いては、寒の入りに関連のあることについて紹介します。
・寒中見舞い
名前の通り、寒中に行う見舞いで日本の慣習の一つです。
寒さの厳しい時期に、一般的な季節の挨拶状として出すものですが、喪中で年賀状を出せない時の代わりであったり、年賀状のお返しが遅くなってしまった場合など幅広く使われます。
・寒四朗
寒四朗(かんしろう)とは、寒の入りから4日目のことです。
麦の厄日とされていて、この日の天気がその年の麦の収穫を表すと言われていました。
晴れれば豊作、雨や雪だと凶作だったのだそうです。
・寒九
寒九(かんく)とは、寒の入りから9日目のことです。
この日も天気によって一年の農作物の収穫を占っていました。
ただ、寒四郎とは逆で、雨が降ると豊作の兆しとされ「寒九の雨」と呼ばれていました。
・寒太郎
子どものころ「北風小僧の寒太郎」という歌を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
歌が出来る以前から一部の地域では、寒太郎は存在していたそうです。
寒四郎や寒九と同じように寒の入りから数えて1日目、つまり寒の入り(小寒)を擬人化した言葉として使われていたとのことです。
寒の入りとは直接関係しているというわけではありませんが、1月7日は五節句の一つである人日(じんじつ)の節句にあたります。
もともと、人を大切にするという意味がある人日(じんじつ)の節句は、一年の無病息災を祈って春の七草が入った七草粥を食べる風習があります。
寒の入りがはっきりしたイメージでなくとも、今でも生活に根付いているものがあったり、昔からこの時期の寒さの厳しさを表していることが分かります。
日本の冬がいよいよ始まる寒の入り。
季節の指標として一つ、覚えてみてはいかがでしょうか。