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レコード針の日とはいつ?意味や由来、イベントにレコード針供養

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「3月9日  レコード針の日」

■はじめに

初めてCDで音楽を聴いたとき、何の前触れもなく、いきなりジャ~ンと曲が始まって驚いた記憶があります。

それまでのレコードは、チリチリとしたかすかな音で、曲を聴く心構えができたものでした。

今となっては、そのチリチリが懐かしくさえ思えますが、ひょっとするとそのチリチリが今ひそかに進行しているレコードの復権に一役買っているのかもしれません。

 

レコード針の日とは

3月9日は「レコード針の日」だそうですが、誰がどういう趣旨で言い出したものか、なぜこの日なのかといった情報はどこをどう探しても見当たりません。

 

■レコード針の日の意味と由来

筆者はメカに弱いので、レコードの溝から音や声の質までなぜ正確に再現されるのか、理屈はわかるつもりでも今もってピンときません。

レコードに刻まれたV字型の溝の内側壁面には左チャンネル、外側には右チャンネルの音が独立して記録されており、これを針がトレースすることでステレオ音楽が再生されることになります。

レコード針は先端がやや丸くなっていて、針先が溝に深く入らないため、溝を傷めることもなく、また力強い低音が再生できると言います。

高域音の再生をより鮮明にするためには、逆に先端を鋭角にした針が適しているそうです。

すべての音を鮮明に再現すること、レコードを傷つけないこと、針の寿命を延ばすことを目標にレコード針の開発は続けられてきました。

 

■レコード針の日のイベント

由来の定かではない「レコード針の日」ですが、レコード針の世界的なブランドとして知られるナガオカは創立80周年を記念して、2020年のこの日に埼玉県秩父市の音楽寺で「レコード針供養」を開催しました。

これは全国のレコード愛好家から不要になったレコード針を郵送してもらい、音楽を楽しむ上で欠かせないレコード針に感謝しようというもので、「80周年を機に復活」としていることから、かつては毎年実施していたものと思われます。

 

レコード針の日の雑学

▽昔のレコード針は「竹」や「鉄」だった

筆者が子どものころ、町内の盆踊りで使っていたのは、デスクトップPCの本体程度の大きさのレコード再生機で、持ち運べることからポータブル蓄音機と呼ばれていました。

もちろんレコード盤は、今の若い人が見たこともないような78回転のSP盤で、レコード針も現在のカセット針ではなくて、楊枝の先端1.5cm分程度の鉄針をアームの下から差し込んでいたように記憶しています。

また、現在のカセット針はひとつずつ丁寧にケースに入っていますが、当時の鉄針は小さなマッチ箱大の缶にジャラジャラと100本以上入っていたので、それほど高価なものではなかったはずです。

それも当然で、針はレコードの溝を傷つけないために、鉄と言っても柔らかいものだったので摩耗が早く、頻繁に交換が必要でした。

レコードの溝を保護するという考えから、それ以前には竹製のレコード針もあったそうですが、さすがにそれは見たことがありませんね。

 

▽ダイヤモンド針の登場

軽やかに溝に沿って滑っているように見えるレコード針ですが、針が溝に接する面積はほんのわずかで、かなりの針圧が溝にかかることが針の摩耗につながっています。

このため針の材質はより硬度が追求され、鉄針からタングステン、サファイア、そしてダイヤモンドと変革してきました。

軽さや摩耗耐性、安定性などの条件ではダイヤモンドの秀逸性は抜群ですが、あまりに高価になるため、一時は人造ダイヤで作られたものの音質に難があって採用されませんでした。

その後、溝に接触する部分だけに天然ダイヤを使用する溶着技術が開発され、登場したのが現在のダイヤモンド針です。

 

■最後に

今、思い起こすと、レコードでの演奏を聴きながら、なぜかターンテーブルで回転するレコード盤を見つめていたような気がします。

かすかに上下に揺れるアームと針先にも、演奏に負けない癒やし効果があったのかもしれません。

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