「9月18日 カイワレ大根の日」
■はじめに
筆者はかなり偏食で、知らない食材は口に入れないせいもあって、最近までカイワレ大根なるものを知りませんでした。
みそ汁にパラっと浮いているものは、てっきりミツバだとばかり思っていました。
聞けば、丼物やサラダの彩りもカイワレ大根なんだそうですが、ほんのひとつまみ程度なので、ダイコン嫌いの筆者でも気にならずに食べています。
目 次
カイワレ大根の日とは
無農薬の健康食品であるカイワレ大根を広くアピールするため、日本かいわれ協会（現日本スプラウト協会）が発足した1986（昭和61）年９月18日の第１回総会を記念し、毎年のこの日を「カイワレ大根の日」に制定しました。
また、「１」の上に「８」を横にして乗せると、竹トンボのような大根の双葉の形になることから18日が選ばれたそうです。
これは説明されると、「なるほど、ちょっと凝った選定」とも思えます。
ただ、筆者はそもそも大根の双葉なんて知らないので、「ふ～ん」となっただけでした。
総会の開催日も双葉に合わせて18日を選んだのかは不明です。
■カイワレ大根の日の意味と由来
カイワレ大根はダイコンの新芽を言うそうで、もやしやアルファルファ（これも知りません）などとともにスプラウト（発芽野菜、新芽野菜）と呼ばれています。
理屈ではカイワレ大根を土に植えて栽培すればダイコンになるはずですが、カイワレ大根は品種改良されているので、たいていは失敗するそうです。
ダイコンの身内筋であることはわかりましたが、これほど姿かたちが違うのであれば、もうちょっとどうにかした名前は付けられなかったのかとも思いますね。
■カイワレ大根の日のイベント
野菜の名前を冠した記念日は約30ありますが、店先でおにいさんが「は～い、今日はカイワレ大根の日だよお～」と連呼するくらいで、どの野菜も単独でイベントの主役を務めることはないようです。
ただし、全部をひっくるめた８月31日の「野菜の日」ともなれば、JA全農がメンツをかけて、各地でイベントを開催し、野菜のイメージアップを図っているようです。
カイワレ大根の日の雑学
▽O-157事件
1996（平成８）年７月13日、大阪府堺市で児童255人が病原性大腸菌O-157による食中毒となり、翌日には2000人を超える患者が出て、全国の注目を浴びることになりました。
しかし、それ以前の５月には岡山県でO-157による食中毒が発生していましたが、堺市で女児が亡くなったことで全国的な大騒動になりました。
最終的に罹患者17877人、死者は12人を数えています。
当初、原因は学校給食と見られ、当時の菅直人厚生大臣の発言から、カイワレ大根真犯人説が広く流布されることになります。
しかし、生産者への立ち入り調査で、カイワレ大根の潔白が証明されたものの、風評被害は甚大で、国家賠償を求める民事裁判では国側が敗訴しています。
カイワレ大根の名が日本中に知れ渡ったのは、このO-157事件のぬれぎぬからですが、「災い転じて福と為す」とも言えるでしょうか。
▽カイワレ大根は日本オリジナルのスプラウト
ラディッシュやマスタードの新芽は古くから欧米で食べられていて、ヴィクトリア朝時代（1837～1900年くらい）にはスプラウトブームが起きたという記録も残っているほか、５千年前の中国ではもやしが栽培されていました。
カイワレ大根は日本独自のスプラウトで、平安貴族の高級食材だったと言われており、日本文学史上最古の長編「宇津保物語」にもカイワレ大根が登場します。
また最近は、「ブロッコリースプラウト」やえんどう豆が発芽した「豆苗」（とうみょう）の人気が上昇中ですね。
■最後に
カイワレ大根をいくら好きでも食卓の主役にするのはムリがあります。
しかし、脇役やチョイ役のほうが主役よりツブシが利いて、登場回数も増えますね。
カイワレ大根レシピをググってみたら、いきなり85品目が現れました。
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