「3月11日 コラムの日」
■はじめに
どんな大事件が起きようと、新聞はテレビ・ラジオ欄と天気予報、そして1面下のコラムを欠くことはありません。
目 次
コラムの日とは
1751年3月11日、イギリスの新聞「ロンドン・アドバイザー・リテラリー・ガゼット」(London Advertiser and Literary Gazette)が世界で初めてコラムの連載を始めたことから、3月11日は「コラムの日」とされています。
それ以外の情報はどこをどう探しても見つかりません。
新聞名の「London Advertiser and Literary Gazette」も、Googleの翻訳では「ロンドンの広告主および文学公報」となって、どんな新聞なのか見当もつきません。
「コラムの日」はイギリスの記念日一覧にもなく、例によって記念日大好き日本人が「輸入」した記念日のようです。
■コラムの日の意味と由来
コラムとは、5W1Hにとらわれずに新聞や雑誌の記者が、自分の意見を織り込んだ連載記事で、朝日新聞の「天声人語」や読売新聞の「編集手帳」がすぐに思い浮かびます。
新聞の連載は毎日のことなので、何人かのベテラン編集委員が交代で執筆しており、比較的やさしい文体になっています。
とは言え、エッセーとは違い、勝手気ままに個人の体験や思いを書き連ねるわけではなく、1面の掲載で新聞の顔とも言われるので、文章にはそれなりの風格が求められます。
かつては天声人語が大学入試に出題されることが多く、受験生は天声人語を毎日読むようにとのお達しが出されたのが懐かしく思い出されます。
■コラムの日のイベント
出処の詳らかではない「コラムの日」、イベントはありません。
それに3月11日に浮かれたイベントは開催できませんよね。
コラムの日の雑学
▽地方紙コラム5選
共同通信社のHPには、47地方紙の連載コラムが連日掲載されています(会員登録または購読契約が必要な社もあります)。
ベテラン記者のコラムからは、ベテランゆえの執筆の妙が感じられ、大変に妙味深いものがあります。
それでは、2020年2月2日付の紙面から、いくつか紹介します(かっこ内はコラムタイトル)。
◇中日新聞(中日春秋)
新型コロナウイルスの動向と、それに伴う中国人への迫害を伝えながら、「ヒトからヒトへ感染する特効薬のないウイルスは、差別や偏見というウイルス」とまとめています。
◇山形新聞(談話室)
英国のEU離脱に際した欧州委員長の絶妙な演説から、かつての日本には発言に含蓄のある政治家がいたとつなげた後、最近の国会質疑での政権側の不誠実な答弁をチクリ、心に染みる言葉をたまには聞いてみたいと結んでいます。
◇静岡新聞(大自在)
静岡市美術館で始まった「不思議の国のアリス展」で話を進め、アリスとチェシャ猫のやりとりを英国のEU離脱に例えています。
「おそれいりますが、教えていただけますか? 私、ここからどっちに行けばいいのかしら?」
「そりゃあ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」
フランスの新聞に載っていそうなコラムです。
◇福井新聞(越山若水)
あすは節分、恵方巻、コンビニ商戦過熱、大量廃棄、食品ロス削減推進法、予約販売、賞味期限、生食文化、フードドライブ…という流れで、世界に通用する数少ない日本語「もったいない」をかみしめるべきだと訴えました。
フードドライブとは、家庭で余った食品を集めて生活困窮者に寄付する試みで、福井市は3月から始めるとしています。
◇琉球新報(金口木舌)
記事は記者が幼稚園児のころに買ってもらったピンク・レディーのレコードから始まって、すっかり死語になったA面、B面という言葉を現代社会の男女になぞらえた本に移ります。
政治経済は男中心のA面、その裏側は育児や介護など女中心のB面で、男は常にA面、妻は苦労しながらAとBを行き来する現状、育休や運転免許証の旧姓併記などへの不満に続けて、人生も昔懐かしい「両A面」のように、すべてを協力し合うパートナーであるべきとしています。
■最後に
コラムなんて大それたことは考えず、せめてブログでもと思いますが、世間が年々狭くなる筆者にはネタの継続が難題として立ちふさがってしまいます。
コラム執筆者はさぞ大変な毎日なんだろうと拝察しています。
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