▪はじめに
「ガンバレ」という言葉は、スポーツなどの競技で選手たちを応援する時によく聞かれます。
私も子供の運動会などで興奮してよく叫んでしまいます。
今回紹介する記念日は、かつて「ガンバレ」という言葉で日本中を熱狂の渦に巻き込んだ伝説的なスポーツ中継が由来となって制定されたものなのです。
目 次
ガンバレの日とは
ガンバレの日は、毎年8月11日にあります。
この記念日は、1936年(昭和11年)の8月11日に行われたベルリンオリンピック女子平泳ぎ200m決勝で日本代表の前畑秀子選手が泳いでいる時に、当時のNHKアナウンサー河西三省氏が「前畑ガンバレ!」と連呼した実況中継が日本中を沸かせたことに因んで制定されたものです。
この試合で前畑選手は金メダル候補と言われていたドイツのゲネンゲル選手を1秒差で破って優勝し、日本人女性初の金メダルを獲得しています。
▪意味
ガンバレの日には、1936年(昭和11年)に行われたベルリンオリンピックの、女子平泳ぎ200m決勝でNHKの河西三省アナウンサーが「前畑ガンバレ!前畑ガンバレ!」と熱の籠った実況を行ったことを後世に伝えたいという思いが込められています。
▪由来
ガンバレの日は、1936年(昭和11年)8月11日にベルリンオリンピック女子平泳ぎ200m決勝の中継放送において、NHKアナウンサー河西三省氏が「前畑ガンバレ!」と連呼したことに由来して制定された記念日です。
▪イベント
ガンバレの日に関するイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
ガンバレの雑学
<河西三省アナウンサーが「ガンバレ」と連呼した理由とは?>
ベルリンオリンピックで伝説的な実況をした河西三省アナウンサーは、野球をはじめとしたスポーツ中継のプロフェッショナルで、日本初の相撲実況のアナウンサーでもありました。
当時の日本はまだラジオしか普及していませんでしたが、彼の放送は言葉だけでそのままスコアブックを付けられるほど正確で克明な中継だったそうです。
河西氏はそのアナウンサー技術を買われ、1932年(昭和7年)に行われたロサンゼルスオリンピックで松内則三氏と松浦精二とともに日本初の海外からのスポーツ中継を行っています。
オリンピック中継の経験者である河西氏は、1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックでも抜擢され、後輩の山本照アナウンサーとともに水泳や陸上競技の実況を担当しました。
しかし連日の実況放送の激務で疲労が溜まっていた河西氏は、じつは女子200m平泳ぎ決勝が行われた8月11日に体調を崩していたそうです。
そこで山本氏に実況を変わって欲しいと頼んだのですが、山本氏は「今日は日の丸が上がるかもしれないから」と先輩に花を持たせたい気持ちから実況を変わらず、予定通り河西氏が実況することとなりました。
放送直前まで体調が悪かった河西氏を、山本氏と現地アルバイトの2人は「ガンバレ、ガンバレ」と励まし続けます。
体調が優れない状態で河西氏は、自分にかけられた「ガンバレ」という言葉が移ってしまって「前畑ガンバレ」を言い始めたのだそうです。
地元ベルリンのゲネンゲル選手と前畑選手との白熱した試合展開に観客は総立ちとなって見えなくなってしまったため、河西氏は実況テーブルに立って実況をし、山本氏はそのテーブルの足を必死に押さえてサポートしました。
そんな状況の中で放送された実況は日本中の人たちを熱狂させ、翌日の読売新聞で「あらゆる日本人の息を止めるかと思われるほどの殺人的放送」と評されるほどのものとなったのです。
私も以前テレビで放送されたその実況を聞きましたが、河西氏の興奮した声と「ガンバレ」の連呼は、聞いているこちら側も一緒に「ガンバレ!」と叫びたくなるようなものでしたし、優勝した後の震える声で言った「勝った!勝った!」の連呼も涙が出るほどの感動を与えられるものでした。
実際には、あれは応援していただけで3位以下の選手の順位などには触れていないので実況としてはあまり良いものではなかったとも評されていますが、確実に日本中を感動させたであろうこの実況は、伝説として現在でも語り継がれるのが納得できるほど素晴らしいものだったのではないでしょうか。
<「頑張る」の語源とは?>
「頑張る」という言葉は江戸時代に誕生したとされる言葉で、自分自身を鼓舞したり他人を励ましたりするときによく使われる言葉です。
現在「頑張る」という言葉は「困難にめげないで我慢してやり抜く」といった意味がありますが、その語源は違う意味であったとされています。
現在使われている「頑張る」という漢字は当て字で、「がんばる」という言葉の語源は2つあるといわれています。
語源の1つ目は「見張る、目を付ける」という意味で使われていた「眼張る(がんばる)」という言葉です。
「見張る」という意味から後に「一定の場所から動かない」という意味に変わり、そこからさらに「努力してやり通す」という意味に変わったとされています。
同じ場所から動かないのには結構な努力が必要ですものね。
2つ目の語源は「自分の意見を押し通す」という意味の「我を張る(がをはる)」という言葉です。
元々はあまり良い意味で使われる言葉ではありませんでしたが、自分の意見を押し通し続けるのには努力が必要で、時には苦しいことも我慢しないといけないことから、現在のような意味に変わったとされています。
▪まとめ
「頑張る」という言葉は自分や他人を励ます場面で使われることが多いですが、最近では「我慢してでも努力する」という意味が重く、使い方の難しい言葉になってしまったと感じます。
特に東日本大震災などの大きな災害にあった被災者の方々や、仕事や学校、スポーツや芸術など厳しい環境の中頑張って生きぬいている人たちにとっては負担が大きくうつ病のきっかけにさえなり兼ねないとされ、かけて良い言葉なのか悩んでしまいます。
それでも「ガンバレ」という言葉には良い方向に向かって欲しいという希望の意味が込められているので、今後も応援の意味として使われたら良いなと思います。
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