「8月21日 パーフェクトの日」
■はじめに
「パーフェクト」と聞くと、多くの人が野球の完全試合を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、今回のテーマの「パーフェクト」はボウリングのパーフェクトゲームが由来になっています。
目 次
パーフェクトの日とは
ボウリングブームが始まったばかりの1970(昭和45)年8月21日、プロボウラーの中山律子が日本の女子プロとしては初のパーフェクトゲームを達成しました。
このゲームがテレビ中継されていたことで、ボウリングはさらに注目され、その人気上昇に拍車がかかりました。
この快挙を記念して、中山のマネジメント会社がこの日を「パーフェクトの日」と制定しました。
■パーフェクトの日の意味と由来
辞書を引けば、パーフェクトとは「完璧であること」と記されているのがほとんどで、ボウリングのパーフェクトも最初からストライクを12回続けなくてはならないという、筆者から見れば神業か奇跡に近いものです。
スポーツで完璧な結果だったと言われることはよくありますが、この完璧という基準が曖昧なためか、スポーツで「パーフェクト」を冠する競技はボウリングと野球しかありません。
スポーツに限らず、何においても「パーフェクト」の定義は具体的数値では表せない曖昧なものですね。
■パーフェクトの日のイベント
かつてのようなボウリングブームがまた訪れれば、この「パーフェクトの日」も再び陽の目を見るでしょうが、現在は忘れられてしまった記念日で、イベントは開催されていないようですね。
パーフェクトの日の雑学
▽ボウリングは古代エジプトの宗教的儀式が起源
古代エジプトの墓からボウリングに使われたとおぼしき木製のピンとボールが発掘されたことで、ボウリングの誕生はなんと紀元前5000年ごろだと言われています。
しかし、古代エジプトのボウリングはゲームなんかではなく、神聖な儀式であったようで、ピンを災いや魔物に見立て、多くのピンを倒せば災いを避けられるというものでした。
またエジプト説とは別に、これも大昔のポリネシア人が岩のピンを石で倒す「ウラ・マイカ」というゲームが起源だとする説もあります。
今となってはどちらの説が正しいのか判断もつきかねますが、人間の考えることなので、異なる地域で同じような「発明」があっても不思議ではありませんね。
▽ボウリング人気の変遷
1952(昭和27)年、日本初のボウリング場が東京・神宮球場近くに開設されました。
この施設はビリヤードやピンボールマシン、ジュークボックスなども備えた上、レストランも併設したことで、ボウリングだけではない大人の社交場、庶民の娯楽施設として人気を博しました。
そうしてボウリングブームが高まった1970年、中山律子のパーフェクトゲームによってブームは最高潮に達し、1960年には全国でたった3か所だったボウリング場が1972年には3697か所と激増しています。
これが第1次のブームで、1980年代に入って沈静化した後、ボウリング場の設備刷新やスコアの自動表示などで、1991年あたりから今度は静かなブームが訪れました。
しかし、ブームと呼べるのはこの2度だけで、21世紀に入るとレジャーの多様化によってボウリングは衰退の一途をたどります。
このころになるとボウリング場の施設は老朽化が激しく、長続きしないブームと収益性から、多くはマンションに建て替えられてしまい、2008(平成20)年には全国987か所にまで減っています。
ブーム最盛期には3時間待ちも当たり前で、お客はせっかく待ったのだからと、体力の続く限り多くのゲームに挑んだことから、客単価も相当なものでしたが、いつでも出来ると思えば1、2ゲームしかやりません。
それに加えたコロナ危機、手軽な娯楽ボウリングは持ちこたえることができるのでしょうか。
■最後に
東京2020五輪を機にボウリングブームの再来を夢見て、全日本ボウリング協会(JBC)はボウリングの追加種目採用を強く働きかけましたが残念な結果に終わってしまいました。
これは国際オリンピック委員会(IOC)役員の多い欧州でボウリングがあまり見向きされていないことや、スケボーやスポーツクライミング、サーフィンのほうがテレビ映えすることが理由と言われています。
まあ、ブームが盛り上がり過ぎて、また3時間待ちなんていうのも困りますね。
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