スイカズラは、野山などに自生する花です。
子供の頃に蜜を吸ったことがある人もいるかもしれません。
スイカズラには、愛にまつわる花言葉がつけられていました。
目 次
スイカズラとは
スイカズラは中国、日本、朝鮮半島などの東アジアに自生する花です。
日本では、野山や山道などに自生しています。
また、家庭では観賞用として庭先などに植えて楽しめます。
観賞用のスイカズラは、欧米など各地で栽培されています。
繁殖力が強いことで、野生化し問題になっている国も多いです。
葉っぱは季節の変化で形をかえます。
春先は緑色がまだらで、羽のような切れ込みがはいります。
夏になると葉っぱ全体が鮮やかな緑色になり、葉っぱの先端がとがるのが特徴です。
冬には葉っぱが厚くなり、巻いたような形へと変化します。
花は筒のような形をして、上と下に花びらが分かれます。
上の花弁は大きく、花びらのフチに3つの溝があります。
下の花弁は上に比べて細く、巻いた状態です。
筒状の花から、ひげのような細いおしべとめしべが出ています。
スイカズラの名前の由来
スイカズラは漢字で「吸葛（スイカズラ）」と書きます。
「葛（カズラ）」とは、つる性の植物という意味です。
スイカズラは花の根元に蜜がたまり、甘い蜜を吸うことができます。
このことから、「吸葛（スイカズラ）」と名づけられました。
スイカズラには花の強さに由来する「忍冬（ニンドウ）」とい名前があります。
スイカズラは寒さの厳しい冬を耐え、春先に甘い蜜のを持つ花を咲かせることで知られています。
厳しい環境を耐え抜くことからでつけられました。
「金銀花（キンギンカ）」という別名もあります。
花の咲き始めは白い花ですが、次第に黄色に変化します。
輝かしい色へ変化することから名前がつけられたそうです。
西洋名は「Japanese Honeysuckle（ジャパニーズ ハニーサックル）」です。
「suckle」とは吸うという意味があり、スイカズラの花が吸うと甘い蜜があることに由来します。
スイカズラが誕生花となる日にち
5月29日、6月3日、6月17日、6月22日、6月30日
スイカズラの花言葉
「献身的な愛」「愛の絆」「友愛」などがスイカズラの花言葉です。
西洋の花言葉は「devotion(献身的な愛)」、「bonds of love(愛の絆)」です。
これらの花言葉は、スイカズラの花がつる植物であることに由来します。
他の植物にまとわりつくように、枝をのばし、1度まとわりついた枝はなかなか離れません。
そんな理由から「献身的な愛」や「愛の絆」という花言葉がつけられました。
スイカズラの色別の花言葉
スイカズラの多くは、白色から黄色に花色が変化します。
最近の園芸種は、白以外のオレンジ色やピンク色の花色があります。
花色はたくさんありますが、花色別の花言葉は付けられていないようです。
スイカズラの怖い花言葉
スイカズラ、つるを伸ばし絡みつくことから「愛の絆」「友愛」といった花言葉がつけられています。
絡みつけて離れないつると言われると怖い印象を受けますが、花言葉には怖い印象のものはないようです。
スイカズラの古い物語にも登場する花
スイカズラは昔から親しまれている花です。
特にスイカズラの茎や葉っぱは生薬や漢方として利用されていました。
利尿作用や解熱作用、浄化作用などの効果があるとされています。
そんなスイカズラは、私たちが知っている有名な物語にもたくさん登場します。
〈真夏の夜の夢〉
これはシェークスピア作の喜劇です。
恋仲にあった男女が親の反対により駆け落ちし、夜の森に迷い込みます。
迷い込んだ森には妖精たちがいて、そこでいたずらをかけられます。
「真夏の夜の夢」の中でスイカズラが出るのは、妖精のベッドです。
夏の夜に妖精の女王のが使うベッドは、野ばらとスイカズラでした。
甘い蜜の香りに包まれて眠ると、安眠できそうですね。
〈赤毛のアン〉
児童文学としても有名な赤毛のアンにも、スイカズラが登場します。
アンが少女時代を過ごした島には、スイカズラが咲いていました。
アンが幸せをつかむために、新たな道に進むときにもスイカズラの花がかかれています。
忍冬とも言われるスイカズラは、厳しい人生にも耐え忍び、幸せをつかむアンと重なりますね。
スイカズラは、生薬や漢方として人々に親しまれてきた花です。
良い香りと甘い蜜が、気分を高揚させてくれます。
少し変わった花の形を、お庭や花壇に植えて、楽しんでみてはいかがですか。