3月1日、6月1日、9月1日、12月1日も「防災用品点検の日」
■はじめに
「防災」とか「大地震」などと耳にすると、子どものころに祖母からさんざん聞かされた「関東大震災」の話を思い出します。
当時、祖母は横浜に住んでいたそうで、今でも強く印象に残っているのは、あっちこっちに火の手が上がり、みんなで川に飛び込んで火の消えるのを待っていたという話です。
目 次
防災用品点検の日とは
1923(大正12)年9月1日午前11時58分に発生したM7.9の「関東大震災」は、死者・行方不明者14万2800人、家屋全半壊25万戸、焼失家屋44万戸という大被害を関東地方にもたらしました。
このため政府は9月1日の「防災の日」や「防災週間」を制定しましたが、防災システム研究所の山村武彦氏は、防災用品を備えたつもりでも、いざその時になったら使えなかったり食べられなかったら意味がなく、そんな事態にならないよう防災用品の点検の重要性を訴えて、9月1日を「防災用品点検の日」に制定しました。
また、全国で防災訓練が実施される日に合わせ、3月1日、6月1日、9月1日、12月1日も「防災用品点検の日」としています。
■防災用品点検の日の意味と由来
一般的に防災用品は少なくとも3日分、多ければ1週間を見越して用意する必要があると言われます。
避難所の場合はある程度、行政からの支援を受けられるでしょうが、電気、ガス、水道などのインフラがストップして自宅にいる場合の1人3日分を想定してみます。
食糧だけでも乾パンや缶詰、お菓子など9食分で、電気がないのでレンジご飯、お湯がないのでカップ麺はダメで、ペットボトルの水は1日3リットルとして9リットル。
当然、簡易トイレも必要で、3日で15回分くらいは見ておかねばならず、トレペやティッシュ、ビニール袋などの消耗品も必要です。
ガラス類が割れた際のガムテープや軍手、懐中電灯はもちろんですが、光源には手がふさがらないようロウソクも必需品で、ライターやマッチも欠かせません。
情報入手はラジオ頼りになるので乾電池も多めに用意、使用期限も要確認です。
コップや箸、タオル、下着など、洗えないことを前提とした量が必要で、救急箱や常備薬、寒い時期に備えた衣類など、よくよく思案すればこの他にもまだまだたくさんありそうで、いったいどれほどの量になるんだと呆然としますが、これも「生き抜く」ための試練と思うしかありませんね。
■防災用品点検の日のイベント
特に「防災用品」に特化したイベントは見当たりませんでしたが、防災をテーマにしたイベントは全国各地で折に触れて開催されているので、その中で防災用品に関する面白い話が聞けるだろうと思います。
■防災用品点検の日の雑学
▽備蓄用のミネラルウォーターはどこが違う?
同じ量、同じ銘柄のペットボトルのミネラルウォーターでも、備蓄用となれば賞味期限は5年から15年の長期で、値段も期限が延びるにつれて高くなりますが、これは殺菌処理の度合いの違いによるためです。
それでも2Lのボトルは500mlにくらべれば割安ですが、重くて扱いにくい上、1回で飲み切れないために雑菌が入って繁殖する恐れがあります。
また、日本人には軟水が適しているようで、市販の水はほとんどが軟水です。
意外と気づいていない点ですが、硬水も市販されているので、不自由を強いられる上に、水まで口に合わないのではたまりませんね。
▽命の笛
アメリカの沿岸警備隊が使用している「ストームホイッスル」という笛があります。
これは群衆や騒音、爆発音の中でも人間が一番聞き取りやすい3150ヘルツの周波数で調律された笛で、水に浸かっても音が出るそうです。
日本にもこのストームホイッスルを山村氏が小型化した「命の笛」があります。
山村氏がホイッスルに着目したのは阪神大震災の際に、がれきの下から助けを呼ぶ声がヘリやサイレンでだんだん聞こえなくなったことを目撃し、「声が届く」ことの重要性に気付いたからだと言います。
オレンジ色の「命の笛」も忘れてはならない防災用品ですね。
■最後に
もう40年も前になるでしょうか、筆者が名古屋へ転勤になった際、「いつ東海大地震が来てもおかしくないから、準備をしておくように」と、誰もが示し合わせたように忠告してくれました。
しかし、「いつ大地震が…」と「いつ雨が降っても…」とは相当レベルの違う話で、自分も周囲も緊張感はそう長く続きませんでした。
そんな手合いのために「防災の日」や「防災用品点検の日」があって、それぞれに防災意識の再確認をしているわけですが、どうもその日近辺だけの効果という気がしないでもありません。
はい、深く反省しております。
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