花は甘いさわやかな香りがあり、果実は酸味が強いレモン。
栄養価の高いレモンの実は、古くから私たちの健康を支える食べ物の1つです。
そんなレモンはギリシャ神話やキリスト教とも、深い関係がありました。
目 次
レモンとは
アジアの山脈であるヒマラヤの東部が原産のレモン。
樹高は低いもので2m、高いものになると4mほどに成長します。
一般的にレモンの開花期は5月から6月で、果実が収穫できるのは11月から12月頃です。
ただし、レモンを生産している地域では夏から秋にかけて開花し、翌年春に収穫する場合もあります。
つぼみは紫色をしていますが、花開くと花びらは白や薄いピンク色です。
細長い5枚の花びらで形成され、花の中央からおしべめしべが見られます。
レモンは寒さに対する耐性がマイナス4度程度で、この温度を下回ると枯れる植物です。
夏は乾燥し冬温暖な気候の地中海や南カリフォルニアなどで、生産されることが多いです。
日本では、広島や愛媛といった瀬戸内海の島で多く栽培されます。
レモンは路地に植えて育てるイメージが強い植物です。
しかし、鉢やプランターなどに植えても成育でき、家庭でも楽しめます。
レモンの名前の由来
レモンの語源は「lemon」からの外来語で、ローマ字読みでレモンです。
西洋名が「lemon」となったのは、元をたどるとインドのヒンドゥー語が由来です。
レモンをインドで「limbu(リンブ)」と呼んでいました。
それが「limun」というアラビア語に変化し、更に「limo」というラテン語へと変わったとされています。
フランスやスペインに広まったときに「limon」と言われるようになり、最終的に「lemon」となったそうです。
学名は「Citrus limon(シトラス レモン)」です。
これは、レモンの原種とされているシトロンに由来します。
古代では、シトロンに似ていたレモンは混同されていました。
シトロンと区別するために、「Citrus limon」となったそうです。
レモンが誕生花となる日にち
5月20日、5月22日、11月12日
レモンの花言葉
レモンの花言葉は「誠実な愛」「思慮分別」などです。
西洋の花言葉には「fidelity in love(誠実な愛)」、「discretion(思慮分別)」などがつけられています。
「誠実な愛」、「fidelitya in love(誠実な愛)」は、レモンのさわやかな香りや酸っぱさが、恋愛模様を表すことからつけられているのでしょう。
また、「思慮分別」、「discretion(思慮分別)」は、1年の間に花や実をいくつもつけることが理由であるとされています。
レモンの色別の花言葉
レモンの花色は白やピンク色がありますが、花色別の花言葉はありません。
花と果実のそれぞれに対し、別の花言葉つけられています。
花に対する花言葉は、「香気」「心から恋しく思う」です。
甘くさわやかな香りがすることからつけられたと言われています。
レモンはとても酸っぱい果実です。
レモンの実に栄養が豊富であることから、「熱意」「情熱」という花言葉がつけられたそうです。
レモンの怖い花言葉
さわやかで恋の味ににたとえられるレモンには、怖い花言葉はつけられていないようです。
レモンの言い伝え
レモンにはギリシャ神話やキリスト教にまつわる言い伝えがあります。
ギリシャ神話では、度々黄金のリンゴが出てきます。
この黄金のリンゴはリンゴを表すだけでなく、オレンジなど柑橘類を表す果実とされることもあります。
天空神とされるゼウスが、3番目に結婚したヘーラーとの結婚式で、女神ガイアから贈られたのが、黄金のリンゴです。
この黄金のリンゴはレモンであったとされています。
また、イエスキリストが処刑される前に食べたとされる食事に、レモンが添えられていたそうです。
レモンの解毒作用が、キリストの復活に関係しているともされています。
さらに、レモンの解毒作用が悪い邪気を追い払うという意味をもち、聖母マリアの木とされることもあり、キリストとかかわりが深いことがわかります。
古くは栄養価の高さと解毒作用から、人類にかかせない植物であったレモン。
今ではさわやかな香りを楽しんだり、食事を美味しくする素材の1つとして親しまれています。
日本では春から秋の長い期間、さわやかな香りのするレモンの花を楽しめるのも、また魅力的ですね。