ニワゼキショウは一つ一つの花の命が一日と短いので、少し寂しい気がしますが、その分、次から次に咲いてくれるので花期の間は途切れることはないようです。
目 次
ニワゼキショウとは
ニワゼキショウ(庭石菖)は北アメリカ原産でアヤメ科ニワゼキショウ属の多年草です。
5~6月頃に主に紫色や白色の直径1.5㎝ほどの小花を咲かせます。
花の中心は黄色になっており、1日でしぼみます。
草丈は10~20㎝ほどになります。
別名「ナンキンアヤメ(南京文目)と呼ばれています。
ニワゼキショウの仲間には以下のようなものがあります。
【オオニワゼキショウ(大庭石菖)】
淡い青紫色で、一般的なニワゼキショウと比較すると、背丈や子房、茎は大きくなりますが、花の大きさはニワゼキショウよりも小さくなります。
そして、ニワゼキショウは花被片(かひへん)がすべて同じ形ですが、オオニワゼキショウは外側と内側の大きさが少し違います。
【セッカニワゼキショウ(雪花庭石菖)】
花びらは白く、黄色い筋が入っています。
背丈がニワゼキショウよりも小さく、別名「コニワゼキショウ(小庭石菖)」とも呼ばれています。
【ルリニワゼキショウ(瑠璃庭石菖)】
美しい青い花を咲かせます。
そのため、別名で「アイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖)」とも呼ばれています。
この他にニワゼキショウとは違うユリ科の植物に【ヤシュウハナゼキショウ(野州花石菖)】というカスミソウのような白い小花をたくさんつけるものもあります。
ニワゼキショウの名前の由来
「ニワゼキショウ(庭石菖)」はショウブ科(以前はサトイモ科)の「セキショウ(石菖)」に似て、庭によく咲いていることからつきました。
ショウブ科なので別の部類の植物になり、セキショウ(石菖)は葉が細長く、5~7月頃に黄色い花穂をつけます。
しかし、あまり華やかさがなく、花が葉の中で引き立たないことから「飾りのない、美しくない花」という意味の「Acorus gramineus」という学名がついています。
たしかに見た目はスイートコーンを細く小さくしたような感じで、細長い葉に紛れているため、遠くからだとどこに花があるのわかりにくいかもしれません。
別名の「ナンキンアヤメ(南京文目)」は南京とは小さいもののことを表し、アヤメ科であることからつきました。
ニワゼキショウの学名
ニワゼキショウの学名は「Sisyrinchium rosulatum」と言いますが、「sys(豚)」「rhynchos(鼻)」で「豚の鼻」という意味があります。
こんな可憐な花と豚の鼻がなぜ結びつくのか不思議に思いますね。
ニワゼキショウは観賞用として庭に植えられたりしてきましたが、牧草地に生えていることも多く、そこで飼育されている豚が根を掘り起こすので、このような表現がされているという説があります。
その状況を想像するとなんだか少し面白いですね。
また、ニワゼキショウは5~6月頃が花期ですが、俳句の世界では季語は夏になります。
涼し気な小花が夏の句に似合いますね。
ニワゼキショウが誕生花となる日にち
4月23日、6月7日、7月5日
ニワゼキショウの花言葉
ニワゼキショウの花言葉は「繁栄」「豊かな感情」「愛らしい人」になります。
「繁栄」の花言葉はニワゼキショウはこぼれ種で増え、一つの花は一日でしぼみますが、また次から次に花を咲かせることからつきました。
「豊かな感情」の花言葉は花の大きさは小さいのですが、クローズアップしてみると、花の中心と花びらは色も違い、グラデーションも入っています。
このように小さいながらも色の変化で楽しませてくれたり、小花が集まって咲く賑やかな様子からこの花言葉がついたのではないでしょうか。
「愛らしい人」の花言葉は見たままの可憐な花姿からついたのではないでしょうか。
また、同じ仲間のオオニワゼキショウには「清らかな婦人」という花言葉がついています。
オオニワゼキショウの色や背高で小さな花が風に揺れるたおやかな様子からこのような花言葉がついたのではないでしょうか。
ニワゼキショウの色別の花言葉
ニワゼキショウの色別の花言葉は特に無いようです。
ニワゼキショウの怖い花言葉
ニワゼキショウの怖い花言葉は特に無いようです。