アブチロンは木立性のものはハイビスカスを小さくしたような花を咲かせ、つる性のものは可愛らしいランプのような花姿をしている植物です。
目 次
アブチロンとは
アブチロンはアオイ科アブチロン属(和名ではイチビ属)の熱帯低木です。
熱帯、亜熱帯地域に分布しており、約160種類にも上ります。
5~12月頃に赤、ピンク、黄、白色などの花を咲かせます。
日本では木立性のもの以外に「チロリアンランプ(ウキツリボク)」という名前のつる性のものもよく出回っています。
木立性のものは葉が大きく、真っすぐに伸びた枝に5㎝ほどの花を次から次に咲かせます。
チロリアンランプは名前の通り、ランプのような形をした赤と黄の花が下向きに枝からぶら下がるように咲きます。
アブチロンの名前の由来
アブチロンという名前はギリシャ語で「a(否定)」「bous(牛)」「tilos(下痢)」という言葉が集まって出来た名前です。
これは古くからアブチロンが家畜の下痢止めとして与えられていたことが由来となっています。
つる性の「チロリアンランプ」は名前の通り、下向きに咲くランプのような形の花姿からつきました。
チロリアンというのはオーストリアのチロル地方にチロルランタンという洋灯があったことが関係しています。
チロリアンランプの別名「ウキツリボク(浮釣木)」は枝からぶら下がるように花をつける姿が魚釣りのウキのように見えることからつきました。
どちらも花姿の特徴を上手くとらえた名前ですね。
アブチロンが誕生花となる日にち
1月18日、9月8日
アブチロンの花言葉
アブチロンの全般的な花言葉は「尊敬」「恵まれた環境」「良い便り」です。
「尊敬」の花言葉はアブチロンは5~12月と開花期間が長いので、その丈夫さや気温に対する適応力などが賞賛されてついたようです。
「恵まれた環境」の花言葉はアブロチンが家畜の下痢止めとして使われていたことからついたと言われています。
薬を使わず、植物の力だけで効果がみられるのはとてもありがたいことですね。
「良い便り」の由来ははっきりとしたことはわかっていませんが、良い意味の花言葉なのでプレゼントするのには問題なさそうです。
つる性のアブチロンであるチロリアンランプの花言葉には「恋の病」「さまざまな愛」「憶測」「真実は一つ」という花言葉があります。
「恋の病」の花言葉は枝にぶら下がってフワフワと揺れ動く感じや下を向いてうつむくように咲く花姿からきているようです。
「さまざまな愛」の花言葉は一つの枝に複数の花を咲かせることからつきました。
「憶測」の花言葉は花が揺れ動く定まらない様子からついたのではないでしょうか。
「真実は一つ」という花言葉の由来ははっきりしたことはわかっていませんが、先程の「憶測」と関係しているのでしょうか。
アブチロンの色別の花言葉
アブチロンの色別の花言葉は特に無いようです。
アブチロンの怖い花言葉
アブチロンの怖い花言葉は特に無いようです。
アブチロンの仲間
アブチロン属(イチビ属)は約160種類にも上りますが、その中で日本で特に有名なものをご紹介します。
【イチビ】
別名「キリアサ(桐麻)」とも呼ばれています。
高さは約1.5~2.5mほどにまでなり、夏から秋ごろに2㎝ほどの黄色い花を咲かせます。
全体的に独特な匂いがします。
昔は繊維植物として衣類の原料に使われていましたが、現在では畑に生える雑草として悩まされることも少なくありません。
【ショウジョウカ(猩猩花)】
ブラジル原産で高さは1mほどになり、葉の縁はギザギザしています。
6~11月頃にオレンジ色の花びらに赤い脈状の模様が入ったランプ型の花を下向きに咲かせます。
名前の由来は古典書物に登場する架空の動物である「猩猩(しょうじょう)」からきています。
猩猩は酒を飲み、真っ赤な顔をして舞うものとして表現されていたり、中国では黄色の毛が生えている動物のことであったりします。
赤みのある花姿がこれらを連想させることからつきました。
ショウジョウカの花言葉は「推測」「尊敬」「憶測」になります。
アブチロン属は様々な種類があり、それぞれの名前の由来も面白いものが多いですね。