「9月4日 関西国際空港開港記念日」
■はじめに
筆者は知りませんでしたが、関西国際空港開港記念500円硬貨があるそうです。
硬貨は2000万枚発行されましたが、このくらいの量では流通していないのか、あるいは気がつかなかったのか。
8億8000万枚発行された2000円札でも見かけたことは数度だけですから、おそらく筆者が現物を見る機会はないことでしょう。
目 次
関西国際空港開港記念日とは
1994(平成6)年9月4日、大阪・泉佐野市の沖合に「関西国際空港」(通称関空)が開港しました。
これを記念して9月4日は「関西国際空港開港記念日」とされています。
■関西国際空港開港記念日の意味と由来
日本経済が成長するにつれ航空機の需要も拡大の一途で、大阪国際空港(伊丹)だけでは関西圏の将来需要に対応できないとの危惧から、新空港建設構想が現実のものになりました。
建設地は騒音や混雑など環境問題に配慮しつつ、しかも24時間運用が条件であることから、泉佐野市沖5kmに人工島を建設して、世界初の海上空港とすることが決まり、1987(昭和62)年に埋め立て工事が開始されました。
1994年の開港時は3500mの滑走路1本でしたが、2007年には増設した2期島に4000mのB滑走路が完成しています。
現在は2025年の大阪万博に向け、第1ターミナルの改修や商業店舗拡大、保安検査場の集約など、空港の大改修が始まっています。
■関西国際空港開港記念日のイベント
開港25周年にあたる2019年には制服着用撮影会やトークショーなどのイベントが開催されましたが、周年記念は5年か10年単位なので、次は2024年、2029年になりそうです。
関西国際空港開港記念日の雑学
▽今も沈下している関空の人工島
関空が建設された人工島は年々沈下し続けていますが、これは設計段階から承知の上で、数々の沈下対策が講じられ、水没する危険はありません。
関空は水深18mを埋め立てた1期島、19.5mの2期島からなる海上空港ですが、これほど大規模な埋め立て工事で建設された海上空港は世界に類を見ません。
埋め立てに先立つボーリング調査で、大阪湾には軟らかい粘土質である厚さ25mの沖積層があり、その下には比較的硬い厚さ1000mの洪積層のあることが判明しました。
このため最初に着手したのが軟らかい沖積層の地盤改良工事で、投入した土砂の重みで粘土質中の水を押し出すことで人工的に地盤沈下させました。
水分が除去されたことで沖積層の地盤が固くなり、現在まで沖積層の沈下は発生していません。
しかし、その下の洪積層がいくら硬い地盤と言っても、空港建設の大規模な負担に耐えられるとは考えられませんが、洪積層の改良工事ができる機材や技術がありませんでした。
その対策として考えられたのは、洪積層には何もせず沈下は自然に任せ、その代わり地質調査のデータをもとに沈下幅をあらかじめ想定し、人工島に沈下するぶんと同等の高さを上乗せするという斬新なものでした。
また、人工島にかかる建物の重さは場所によって異なり、島全体が均等に沈下するわけでもないため、この対策に手抜かりがあるとターミナルビルや滑走路にひずみが生じて、傾いたりひび割れで重大な事故につながる恐れもあります。
そのためターミナルビルには906本の柱があって、そのすべてにジャッキアップシステムが組み込まれ、ビルの傾斜角が400~500分の1を超えると、油圧ジャッキで柱を持ち上げて鉄板を挟み込み、柱の高さを調整することになっています。
また、ターミナルビル自体も電車の車両のように複数に分かれ、連結部は電車の蛇腹のようなジョイントを使うことで、一部の沈下が全体に及ばないよう工夫されています。
1期島は23年間で3.43m、2期島は10年間で4.14m沈下していますが、沈下のスピードはだんだんと鈍っていて、近年は年間10cm程度になっているそうです。
■最後に
24時間運用可能な国際空港はこれからより必要な時代になると思われますが、立地や環境面を考慮すると、建設候補地はほとんどないと言っていいでしょう。
大都市に近く、騒音が問題にならない関空と同じ条件では、やはり海上空港になってしまいますが、波や風の影響を考えると立地は湾内しかなく、となれば東京湾しか思い浮かびません。
羽田を拡張、また拡張というのが唯一の方法ですが、ターミナルビルばかりが増えて使い勝手は悪くなってしまいそうです。
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