「9月15日 ひじきの日」
■はじめに
「ひじきを食べると長生きする」
ひじきは昔からそう言われているくらい栄養満点な食材です。
食卓の主役にはなりませんが、大豆や油揚げと一緒に煮たひじきは、日本の食卓に彩りを添えています。
目 次
ひじきの日とは
■ひじきの日の意味と由来
1984(昭和59)年に三重県ひじき協同組合が「ひじきをもっと食べて健康に長生きしてほしい」との趣旨で、敬老の日(現老人の日)に合わせた9月15日を「ひじきの日」と制定しました。
日本国内のひじきの年間流通量は約7000トンで、このうちの9割は中国と韓国から輸入された養殖ひじきです。
一方の国産ひじきは100%天然で、主な産地は房総半島、伊勢・志摩、紀伊半島、長崎などです。
国産ひじきは荒磯の岩場の波打ち際に生息、天日や潮風にさらされて育つためコシが強くなり、水戻し後は表面がつややかな茶褐色になります。
ひじきは自生していますが、全てが漁業権で保護されているため、勝手に採取することはできません。
■ひじきの日のイベント
三重県ひじき協同組合は毎年の「ひじきの日」に、伊勢神宮内宮前の伊勢おかげ横丁で「ひじき祭り」を開催、国内外の観光客にひじきやパンフレットを配布し、ひじきレシピコンテストなどでPRに努めています。
ひじきの日の雑学
▽ひじきの栄養
ひじきの栄養成分中、食物繊維、亜鉛、カルシウム、鉄、マグネシウム、ビタミンB1、B2などが基準値を超え、豊富に含有されることを示しています。
*「食物繊維」は消化されないのでカロリーはありませんが、第6の栄養素と呼ばれ、体内の老廃物を排出し、コレステロールの代謝を促進します。
また、生活習慣病の予防やダイエットにも効果があります。
*「亜鉛」はDNAやたんぱく質の合成にかかわっているので、不足すると免疫機能が低下します。
植物性たんぱく質と一緒に摂取すれば吸収がより促進されます。
*「カルシウム」は牛乳の12倍で、歯や骨を丈夫にすると同時に、高血圧や動脈硬化、精神安定に効能があります。
カルシウムは体内では合成できず、食物から摂取する必要があります。
*「鉄」は赤血球のヘモグロビンの成分となり、細胞へ酸素を運ぶことでエネルギーが生まれます。
また成長の促進や免疫力増進、栄養素の燃焼にも関係しますが、鉄分は単体では吸収されないので、大豆や豆腐、肉、魚、野菜などのたんぱく質やビタミンCと一緒に食べる必要があります。
*「マグネシウム」は酵素の働きを活性化して、筋肉の収縮を促すため、心臓疾患や高血圧を予防し、神経を鎮める効果もあります。
特に、高齢者、妊婦はマグネシウム不足になりがちですから気をつけましょう。
*「ビタミンB1」は糖質を分解する酵素を助けてエネルギーに変える働きがあるので、不足すると疲れやすくなって、手足のしびれやむくみ、動悸などが起き、集中力も欠如します。
水溶性で熱に弱いため、調理過程でかなり失われてしまいます。
*「ビタミンB2」は細胞の呼吸や再生を助け、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせません。
特に粘膜は他の細胞よりも新陳代謝が活発なため不足しがちです。
*「タンニン」は中性脂肪を減らし、紫外線から肌を守る働きもあるので、日焼け対策に有効です。
*「ヨウ素」は甲状腺ホルモンの成分として、子どもの発育を促進するほか、余分なエネルギーを燃焼させます。
▽伊勢ひじき
江戸時代には今と同じような料理法で、ひじきを食べていたようです。
徳川家光のころの料理書「寛永料理物語」のひじきの記載に、「にもの、あへもの」とあることで明らかになっています。
また、1638(寛永15)年発行の「毛吹草」には、伊勢国の名産品として「鹿尾菜」が紹介されています。
「毛吹草」とは、季語や名産品の紹介本で、ひじきを漢字で書くと「鹿尾菜」となります。
江戸時代の書「本朝食鑑」によれば、見た目が鹿の尾に似ているからだそうです。
伊勢はひじきの加工に必要な水はけ、干し場、風、少雨などの条件がそろっていたため、本格的な生産が行われて、良質なひじきで有名になりました。
ちなみに、品質優良な海藻は、伊勢ひじき、日高昆布、浅草海苔などのように、産地名が冠されるようですね。
■まとめ
筆者、ひじき料理は煮物しか知りませんでしたが、ハンバーグ、コロッケをはじめ、そぼろ丼や肉団子など、食卓のメインになりそうな料理もたくさん工夫されています。
さらにはガトーショコラ、シフォンケーキ、かりんとう、ドーナツ、シュークリームといったデザートにまで進出していますが…さて、どんな味なんでしょうか。
9月15日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!