▪はじめに
現在の日本では、宅配便や引っ越しなどに使う段ボール箱やお菓子や日用品のパッケージなどに使う箱など、紙で作られた箱は日常的に使われています。
私たちも毎日のように何かしら手に取っていますよね。
今回は、今やすっかり生活に馴染んでいる紙の箱に因んだ記念日についてのお話です。
目 次
箱の日とは
箱の日とは、毎年8月5日にあります。
箱の日は、1991年(平成3年)に東京紙器工業組合によって制定された記念日です。
▪意味
箱の日には、「紙器業界の技術の向上と一般消費者に紙箱の良さをPRと普及を図る」という目的があります。
この目的のもと、毎年箱の日には全国の紙器段ボール箱工業組合によってPR活動が行われています。
▪由来
箱の日は、「8(は)5(こ)」という語呂合わせから8月5日を箱の日と制定されました。
▪イベント
箱の日を制定した東京紙器工業組合では、毎年8月に箱の日に因んだイベントが開催されています。
2018年は、8月24日・25日の2日間で「ハコの魅力をつなぐ」といったテーマのイベントが東京のとしま産業振興プラザで行われました。
イベント中には、パッケージをテーマとしたセミナーが開かれたり、製作や加工工程の展示などが行われました。
また、一般から事前に応募したデザインから実際に箱が作られその箱を貰える「パッケージトライアル」というイベントや当日会場で箱つくりの体験ができるワークショップなどが開かれ、業界内外の多くの人が来場しました。
また、毎年箱の日には「紙器・段ボール箱コンテスト」が開かれ、紙器工業組合員などから印刷紙器・貼箱・段ボール箱などの作品を募集し、その中から優秀な作品を選ぶというイベントも開催されています。
箱の雑学
<ダンボールは実は帽子の一部として作られたものだった⁈>
現在段ボールは箱などの梱包に使われています。
しかし、もともと段ボールは全く違う用途で開発されました。
段ボールは1856年にエドワード・チャールズ・ヒーレイとエドワード・エリス・アレンによってイギリスで当時流行していたシルクハットの内側に取り付けるものとして開発されました。
帽子の通気性やフィット感を良くするために波状に作られ、汗や湿気を吸い取るように紙が素材として選ばれたのです。
これが、1870年代にアメリカやドイツに伝わりガラスの梱包材として使われるようになりました。
梱包材として使われるようになると、波状の紙の片面に平らな紙を貼り付けた「片面段ボール」が作られました。
その後1882年にR.H.トンプソンが両面に平らな紙を貼り付けた「両面段ボール」を開発し、1894年に両面段ボールを使った「段ボール箱」が生れたのです。
<「ダンボール」という名前は聞き間違えから生まれた?>
段ボール箱は日本にも伝わり「三盛舎」(現レンゴー株式会社)という会社を作った井上貞治郎が、綿繊維と種を素早く簡単に分けることが出来る綿繰り機からヒントを得て、1909年(明治42年)に「段ボール製造機」を作りました。
「段ボール」という名前はこの井上貞治郎が付けたのですが、何故こんな変わった名前にしたのでしょうか?
段ボールの「段」は波状の部分が段々になって見える紙だからなのですが、「ボール」という名前はどこからきたのでしょう?
段ボールのことを英語では「paperboard(ペーパーボード)」と呼んでいたのですが、井上貞治郎がこの「board(ボード)」の部分を「ボール」と聞き間違えたのに、そのまま使ったためだとされています。
実は段ボールには、しぼりボール・なまこ紙・波型紙・コルゲートボールなど他の名前候補もあったのですが、単純で分かりやすく語呂も良いということで「段ボール」という名前が選ばれたそうです。
▪まとめ
いかがでしたでしょうか?
段ボールが160年以上も前から存在し、日本でも100年以上も前から使われていたなんて驚きですよね!
しかも、ハコの日という記念日を作って紙箱の向上に努めているのも素晴らしいです。
意外と歴史の古い段ボールですが、現在も進化を続けていてより便利により使いやすくなり、時には被災地の避難所などで間仕切りになったりベッドになったりと多様な使い方をされています。
ハコの日には改めて、段ボールなどの紙箱の便利さやパッケージデザインなど細かい所まで見てみるのも面白いかもしれませんね。
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