「9月16日 競馬の日」
■はじめに
競馬関係者から最高の栄誉と言われる「日本ダービー」の優勝を目指し、毎年7千頭余のサラブレッドが誕生していますが、ダービーどころか中央競馬で1つでも勝てる馬は1割弱にすぎません。
目 次
競馬の日とは
1954(昭和29)年9月16日、農林省(現農水省)管轄下の特殊法人「日本中央競馬会」(JRA)が発足したことを記念し、この日は「競馬の日」とされています。
■競馬の日の意味と由来
江戸末期、横浜の外国人居留地に常設された根岸競馬場で行われた競馬が、日本の近代競馬の始まりと言われています。
今はもう根岸競馬場はありませんが、毎年の春に東京競馬場で行われる「根岸ステークス」にその名残を留めていますね。
その後、軍馬の必要性を痛感した明治政府が、質の高い馬の生産を促進するため、各都市の競馬開催認可を乱発し、不正が横行するに及んで馬券発売が禁止されるなどの混乱を経て、敗戦後のGHQの指摘で競馬法が改正され、JRAの発足に至ります。
当然、競馬の趣旨も、軍馬育成から畜産振興へと書き換えられています。
現在、中央競馬は札幌から小倉までの10競馬場の持ち回りで、週末を原則として年間延べ288日の開催、計約3450レースを実施しています。
2018年の売り上げは2兆7950億830万4000円で、この約1割が国庫納付金として一般財源に組み込まれ、その75%が畜産振興に、25%が社会福祉に使われています。
また、各都道府県、総務大臣の認可を受けた地方の組合が運営する「地方競馬」は、全国の15競馬場で開催されています。
■競馬の日のイベント
JRAは競馬場を、女性や家族がそろって楽しんでもらう場所として、週変わりのイベントを開催競馬場で通年実施しています。
例えばファミリー向けには、ポニーや馬車の試乗会、ウルトラマンショー、ぬいぐるみプレゼント、そのほか各地のグルメ展やミニコンサート等々、盛りだくさんの企画を用意していますから、特に「競馬の日」は意識していないようです。
開催のない冬の札幌競馬場では「親子雪ぞり大会」を実施、開催時に迷惑をかける近隣住民と交流を深めるなど、場長さんもかなり気を使っているそうです。
競馬の日の雑学
▽サラブレッド3大始祖
世界中のサラブレッドの父系をたどると、「ダーレーアラビアン」「ゴドルフィンアラビアン」「バイアリーターク」という3頭にたどり着き、これをサラブレッドの「3大始祖」と言います。
この3頭の長所を研究し、掛け合わせることで、より速く強い競走馬を作り出してきたので、サラブレッドは人間の介入によって進化してきたことになります。
現在、世界中で活躍している馬の9割はダーレーアラビアンの子孫たちで、競馬ファンでなくてもサンデーサイレンス、ディープインパクトという名前を耳にしたこともあるでしょう。
その一方で、今や他の2頭の血筋は風前の灯となっています。
▽血液型
ひところ、サラブレッドの能力と血液型の関係が話題になりましたが、国際血統書委員会が各馬の血液型公表を禁止しているため、その話題も立ち消えになりました。
競馬は「ブラッドスポーツ」とも言われ、血統の管理は厳重になされてきました。
肌馬(母となる馬)が不受胎だった場合、1年間を無駄にしないため、外見が似た種牡馬(父となる馬)を再度掛け合わせたニセモノの誕生を血液検査で防ぐためです。
万一、このニセモノが有能で、種牡馬になってしまうと、それ以後の血統の正統性が失われてしまうことになりますが、現在はDNAで親子鑑定検査ができるようになっています。
また、各馬にマイクロチップが装着されるようになったことで、馬の識別も間違いがなくなりました。
レースではゼッケンがあるので、ファンはどの馬なのかわかりますが、毛色や模様が似ていれば関係者でも区別がつかないそうです。
以前、レースに違う馬を連れてきて、獣医が直前に気づくということも起きています。
このときは、風邪をひいたことにして出走が取り消され、事なきを得ましたが…。
■まとめ
中央競馬の隆盛が続き、有力種牡馬を擁する大手の生産牧場グループは我が世の春を謳歌していますが、その陰に隠れ、零細農家には逆風が吹き続いているようです。
北海道の小牧場のサラブレッドに寄せるロマンと夢、そして多くの苦労…華やかなレースの黒子である牧場を描いた秀逸な物語が宮本輝著「優駿」です。
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