▪はじめに
薬草は、大昔から人間にとって欠かすことのできない大切なものでした。
薬としてはもちろん、料理や香料など生活を豊かにする為にも使われ、現在でも親しまれています。
今回は、昔から生活に密着してきた薬草に因んだ記念日や雑学などについてご紹介していきましょう。
目 次
薬草の日とは
薬草の日は、毎年8月9日にあります。
1997年(平成9年)に沖縄県保健食品開発協同組合が制定した記念日です。
▪意味
薬草の日には、薬草に親しみを持ってもらいたいという目的があります。
▪由来
薬草の日が8月9日になったのは、「8(や)9(く)そう」という語呂合わせが由来になっています。
▪イベント
薬草に関するイベントは全国各地で行われています。
岐阜県飛騨市では、毎年9月に「飛騨市薬草フェスティバル」が開催されています。
飛騨市は、250種以上の薬草が自生している日本有数の薬草の宝庫です。
多くの人たちに薬草に親しんでもらうことを目的とし、2015年から飛騨市文化交流センターにて「飛騨市薬草フェスティバル」が行われています。
2018年は、9月8日(土)~9月9日(日)の2日間で行われました。
「飛騨市薬草フェスティバル」はワークショップ中心のイベントで、次のようなものが行われました。
・薬草を加えた餃子作り
・松葉を使った松葉サイダー作り
・お肌が喜ぶハーブティ作り
・薬草を使ったベーグル作り
・リラックス効果のある苔玉作り
・くずの花玉作り
・薬草と温泉を使った手ごね石鹸つくり
・ヨモギ団子作り
その他にも薬草を使ったベーグルや紅茶などの販売コーナーや、薬草スイーツとジンジャーシロップの試食コーナーが設けられたり、薬草についての展示なども行われました。
また、会場近くのレストラン「蕪水亭」では、薬草を使ったフェスティバル限定のランチを提供したり、薬草料理を堪能しながら薬草の魅力に触れることができる「メディカルハーブナイト」というイベントが開催されたり、数十種類の薬草が自生する「朝霧の森」を薬草コーディネーターと散策する(薬草スイーツとハーブティ付)体験型イベントもあり、多くの人が参加しました。
実際に薬草に触れて、親しみ方を学ぶことの出来るイベントなので、興味のある方はぜひ参加してみてください!
薬草の雑学
<発明家の平賀源内は薬草学者でもあった!>
江戸時代の発明家として有名な平賀源内は、蘭学者や医者、作家や画家など肩書の多い人でもありました。
そして、薬草や薬になる動物・鉱物などのエキスパートである「本草学者」でもあったのです。
平賀源内は讃岐国(現在の香川県)の足軽の家の出身で、11歳の頃にお神酒を供えると顔の色が赤く変わる「御神酒天神」という掛け軸を作ったりするほど利発な子供でした。
その頭脳を見込まれて13歳の時に藩医の元で当時最も発展していた本草学を学ぶことが出来たのです。
源内は、日本初の博覧会と言われる第一回薬品会を1757年に本草学視野の師である田村藍水と共に湯島で開催しました。
その後源内主催の薬品会は5回開催され、1762年に行われた第5回東都薬品会では1300種もの薬草や動物・鉱物を展示し、翌年の1763年には5回行われた薬品会で展示された約2000種の中から350種の薬草などを選び、挿絵と解説を付けた「物類品隲(ぶつるいひんしつ)」という本を出版しました。
このように、発明家として有名な平賀源内は、本草学者としても大変な偉業を成し遂げていたのです。
平賀源内は、まさにオールマイティな天才だったのですね。
<夏の風物詩アサガオは薬草として日本にやってきた?>
青色や紫色のひらひらと透けるような薄い花びらが朝方開くアサガオは、夏の風物詩ともいえる花です。
育てるのが簡単で小学校1年生の教材にもなっているので、みなさんも1度は育てたことがあるのではないでしょうか?
今では花を楽しむのが当たり前となっているアサガオですが、実は薬草として中国から日本にやってきた植物だったのです。
アサガオの原産地は中国で、昔から種を下剤や利尿薬として利用していました。
大昔の中国ではアサガオの種はとても貴重で効果な物だったので、牽いてきた牛と交換していたことからアサガオの種のことを「牽牛子(けにごし・けんごし)」と呼ばれるようになったといわれています。
日本にアサガオがやってきたのは奈良時代末期で、遣唐使によって種が持ち込まれました。
アサガオの種には「ファルビチン」という成分が含まれていて、腸の蠕動運動を亢進させる効果があります。
アサガオの種は現在でも漢方薬として使われることがあり、便秘・むくみ・リウマチ・脚気に効果があるとされています。
通常は種を粉末にしたものを服用するのですが、多量に服用すると激しい腹痛・下痢・嘔吐・神経症状・血尿・血便などの激しい副作用が起こるので、適量を見極めて慎重に使わないといけない扱いの難しい薬です。
アサガオを育てる時には、小さなお子さんが種を誤って飲み込んでしまわないように気を付けてくださいね。
▪まとめ
いかがでしたでしょうか?
古くから薬草に親しんできた日本は、医学が発達した現在でも漢方薬などの薬草を使うことが少なくありません。
また、1月7日の七草粥や5月5日の菖蒲湯など節句に薬草を取り入れる風習が現在でも受け継がれていたり、市販されているお茶や栄養ドリンクなどに薬草が使われるなど薬草は現代でも日本人の生活に密着しています。
薬草の日には、身近にある物の中に薬草が使われているが探してみたりするのも楽しいかもしれませんね。
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