「7月16日 からしの日」
■はじめに
子どものころ後楽園球場で初めてホットドッグを食べた際、端から端までどっとからしがかかっていて、以来、からしはケチャップと同じようにかけるものだとばかり思っていました。
思えば子どものころ、家では自分の食事だけは香辛料が抜かれていたように記憶しています。
カレーもカレー粉を入れる前のシチューだったし、お寿司もワサビ抜きでした。
からしを見るたびに、祖母の口ぐせ「子どもがからいものを食べるとバカになる」を思い出します。
目 次
からしの日とは
7月16日は「日本からし協同組合」が、からしの新たな食べ方を提案しようと制定した「からしの日」になります。
日付の由来は同組合の前身である「全国芥子粉工業協同組合」の設立が1957(昭和32)年の7月16日だったことからです。
何のひねりもない日付の選定ですが、先人の功績に報いると思えば、それなりの意義は感じますね。
ちなみに前身の「全国芥子粉工業協同組合」は全国のからし粉の製造業者が、海外から安定したからし種子買い入れのための共同購入を目的に設立されました。
しかし、需要はからし粉から練りからしへと移り、種類や用途も広がったことから「日本からし協同組合」と名称が変更されました。
■からしの日の意味と由来
日本でよく見かけるからしは「和がらし」と、マスタードとも呼ばれる「洋がらし」があります。
どちらも中央アジア原産の植物「アブラナ科からし菜」の趣旨が原材料ですが、カラシナの品種が異なることで「和」と「洋」に分かれることになります。
納豆やおでんに使う「和がらし」は刺激の強い辛味が特徴で、鼻にツーンと抜けることもしばしば、やはり子どもには適さないようです。
一方の「洋がらし」は辛さがマイルドなので洋食、ドレッシングなどとの相性がいいようです。
■からしの日のイベント
「からしの日」のイベントは開催されていないようです。
からしを知らない人がいるとは思えませんが、新たな用途をアピールしたいのであれば、「からしの日」の周知に一考が必要と思いますが…。
からしの日の雑学
▽からしを食べ過ぎるとなぜ「バカ」になるのか
味覚としての辛味は「味」ではなく「痛み」として脳に伝えられ、この痛みを防御しようと脳は「βエンドルフィン」を分泌しますが、この「βエンドルフィン」は別名「脳内快楽物質」と称され、精神的な高揚を招くために、辛いものがより好きになってしまいます。
これは繰り返される刺激に対して順応しようとする人間の機能からで、大音量に慣れてしまうと通常の音が聴き取れなる「感音性難聴」、過剰な運動で細胞が壊れる苦痛から守るための「ランニングハイ」などにもみられる現象です。
このように辛さに順応してしまうと、より辛くなければ辛味を感じなくなり、求める辛さがエスカレートする結果、辛さ以外の味覚が鈍ってしまい、最終的には味覚が壊れてしまうことになりかねません。
「バカ」というのは、「ネジがゆるんでバカになった」という意味のバカで、頭が悪くなるという「バカ」ではないようです。
しかし、頭が悪くなるのも困りますが、味覚破壊はそれ以上に問題ですね。
▽からしの起源は古代エジプトから
からしの起源は古代エジプトにまでさかのぼると言われ、シルクロードや航海貿易によって東南アジア、北米大陸へ広がったようです。
日本では正倉院の古文書の中にも「からし菜」として記されており、江戸時代に書かれた「料理物語」中にも、なまかつおや鯛の霜降りなどの項にからしが登場しています。
からし粉の商品化は1848(嘉永元)年のことですが、広く使われるようになったのは明治維新以降でした。
日本で初めて練りからしが登場したのは1970(昭和45)年のことで、練りわさびと同時にエスビー食品がチューブ入りとして発売しました。
■最後に
筆者の毎月曜の朝食は、キャベツふんだんのヒレカツ&コロッケドッグですが、たまに和がらしをつけ忘れると、ピリッとした刺激がなくてカツやコロッケの味にしまりがないように感じます。
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