「2月12日 ペニシリンの日」
■はじめに
2019年の消費増税に伴う軽減税率制度ですが、新聞やノンアルコールビールは8%据え置きで、クスリが10%というのはちょっと納得できませんね。
目 次
ペニシリンの日とは
1941(昭和16)年2月12日、バラのトゲからの感染で瀕死となった警察官に、人体へは初となるペニシリンを注射(初回200mg、以後3時間ごとに100mg)しました。
ペニシリンの効果は著しく、5日後には熱も下がって一命を取り留めたことで、感染症に画期的な効果をもたらす初の抗生物質の誕生となりました。
これを記念し、2月12日は「ペニシリンの日」とされています。
■ペニシリンの日の意味と由来
1928(昭和3)年9月30日、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミング(1881~1955)が、ケガの化膿や食中毒の原因とされるブドウ球菌の培養中、アオカビにはブドウ球菌が発生しないことを偶然に発見しました。
これが世界で初めて発見された抗生物質で、彼はこの物質をアオカビの学名であるPenicilium notatumにちなみ「ペニシリン」と命名しました。
しかし、フレミングはペニシリンの分離ができず、医療での実用化ができないまま13年が過ぎてしまいました。
1940年にようやくイギリスのオックスフォード大学で、生物学者のエルンスト・チェーン(1906~1979)とハワード・フローリー(1898~1968)がペニシリンの精製に成功し、翌年2月12日に例の警察官への臨床試験で成果を挙げることになります。
1945年には大量生産も可能になり、第2次大戦中には多くの負傷者を救い、イギリス首相チャーチルの命も救ったそうです。
この劇的な新薬ペニシリンは、20世紀の医療における最大の発見と言われ、この功績によって3人は1945年にノーベル生理学医学賞を受賞しました。
「ペニシリンの日」は臨床試験に成功し、実用にメドがついた2月12日のほうを採用しています。
■ペニシリンの日のイベント
どこを探してもイベントの類は見つからず、そもそも誰がいつ記念日と言い出したのかも不明です。
ペニシリンの日の雑学
▽抗生物質に耐性化する細菌に注意
抗生物質の「抗生」とは、病原体の細胞(=生命)と拮抗して病原体を殺すという意味で、ペニシリンは細菌の細胞壁の合成を邪魔することによって、細菌を殺したり、増殖を防ぐ働きをします。
ヒトに無害なのは、もともとヒトの細胞には細胞壁がないので、ペニシリンの攻撃を受けずにすむからです。
しかし、細菌の中にはこの攻撃に慣れ、細菌自身を変化させて抗生物質の効果を無効にする細菌も出現しています。
この変化を「耐性化」と言い、耐性を持たない細菌が死滅することで競争相手が減り、耐性を得た細菌はどんどん増殖することができます。
ヒトの体内には多種多様の細菌が600兆個もいて、ほとんどは人が生きるのに必要なものですが、抗生物質はそうした細菌まで攻撃するので、抗生物質使用の際は医師の指示を厳守しなくてはいけません。
指示された回数を服用すれば殺せる耐性菌も、途中でやめてしまえば、必要な細菌を殺しただけで、有害な細菌が生き残ってしまいます。
▽インフルエンザや風邪に抗生物質は効かない
細菌とウイルスは混同されがちです。
細菌はサイズ1000分の1mm前後の単細胞生物です、栄養源があれば自身と同じ細菌を複製して増殖します。
一方のウイルスはさらに小さく、細菌の10~50分の1サイズの微生物で、自身は細胞を持たず、他の細胞に入り込んで増殖します。
風邪やインフルエンザはウイルスが原因なので、抗生物質は細胞を持たないウイルスに対して無力です。
もちろん、ウイルスに対する薬もちゃんとあるので心配は無用ですが、とにかく急いで病院に行きましょう。
■最後に
耐性菌に感染し、全世界で毎年70万人を超す人が命を落としています。
新薬と耐性菌の誕生はイタチごっこのようですが、イギリスの研究報告は2050年までに、耐性菌感染が世界の死因のトップになる可能性を指摘しています。
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