「11月16日 自然薯の日」
■はじめに
何年か前に物置を片付けていたところ、大きなすり鉢が出て来ました。
昔、祖母がこのすり鉢で山芋をすって、とろろを作っていたことを思い出した途端、口の周りがかゆくなったような気がしました。
目 次
自然薯の日とは
体にいい自然薯を食べて寒い冬を乗り切ってもらおうと、静岡県熱海市で自然薯料理店を営む清水元春さんが11月16日を「自然薯の日」に制定しました。
日付の由来は、「いい(11)いも(16)」という語呂合わせですが、ちょっとヘンです。
「も」が「6」に見えないこともないということらしいですが、まあいいでしょう。
■自然薯の日の意味と由来
自然薯の正式な名前は「ヤマノイモ」というそうで、北海道から沖縄まで広く分布し、身近な里山で自生している日本原産の植物です。
しかし今では、南方原産種の大和芋や中国原産種の長芋も加わり、まとめて「山芋」と呼んでいますね。
自然薯は縄文時代から食べられていたとされているので、お米よりも先に日本人の食材として登場したことになります。
そもそも筆者は自然薯なる言葉は子どものころに聞いたことがあるような、ないような曖昧な記憶で「とろろ芋」と呼んでいたようにも思いますね。
しかし、最近まで見かけていた自然薯(とろろ芋)が実は長芋だったという話を耳にしました。
自然薯は畑では栽培できず、いつの間にか畑で収穫できる長芋が出回ったためですが、最近は自然薯に力をいれる農家も増えたことで、秋には店頭に自然薯が並ぶそうです。
■自然薯の日のイベント
自然薯のイベントなんて、制定者のお店の大サービスくらいが関の山だろうと思っていましたが、これがなんと全国津々浦々とまでは言わないまでも、大分県や青森県、宮城県、静岡県、山口県…等々、日本中のあちこちで開催されていました。
自然薯即売会やとろろご飯の無料配布、自然薯掘り体験などの企画が多いようでした。
自然薯の日の雑学
▽とろろは栄養豊富
子どものころ栄養があるからと、とろろご飯を食べさせられたのを思い出します。あのずるずるした食感がイヤで、今でもあんかけのような料理が苦手で、納豆もかき混ぜないのは、あのとろろご飯のせいだと思っていますね。
とろろには滋養強壮、解熱作用、消化促進などの効果があって、自然薯に含まれる栄養価はカロリー、炭水化物、たんぱく質など多彩ですが、中でも抗酸化作用や自律神経を安定させるビタミンEと、細胞の浸透圧を維持し、水分を保持するカリウムが豊富に含まれています。
栄養があるというのは、祖母が食べさせるための方便だと思っていましたが、本当のことだったんだと、30年くらい経ってからわかりました。
▽とろろはかゆい
もうひとつ、とろろの思い出は、口の周りがかゆくなることですね。
これは自然薯の中にあるショウ酸カルシウムという結晶体がすりおろされることで、束になっていた針状の結晶がバラバラになって皮膚に刺さるためなんです。
ただこの結晶は胃の中で溶けてしまうので心配はありませんが、口の周りのかゆさはがまんできませんね。
そんな時はお酢を塗るといいそうで、これはアルカリ性のシュウ酸カルシウムを酸で中和させることでかゆみを消すんですね。
それでも、口の周りに酸っぱいにおいが残るのもイヤだという人には、お湯を浸したタオルをかゆいところにかぶせるという方法もあります。
これはシュウ酸カルシウムが熱に弱いという性質を利用したもので、火にかざすという方法もあるそうですが、それだと別の問題も起きてしまいそうで少し怖いです。
■最後に
ところで、とろろご飯の思い出話を同居人にする際、口の周りが「くわんくわん」になって……と言ったところで待ったがかかりました。
「くわんくわんっていったい何? そんな言葉は初めて聞いた」との由。
これって方言だったんでしょうか。
筆者は神奈川県で育ちました。
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