「2月26日 パナマ運河開通記念日」
■はじめに
「スエズ運河」「パナマ運河」「北海バルト海運河」(通称キール運河)を世界3大運河と呼ぶそうで、この中の「パナマ運河」が今日のテーマです。
目 次
パナマ運河開通記念日とは
1914(大正2)年2月26日、中米のパナマ共和国を横断する「パナマ運河」が開通し、この運河によって太平洋と大西洋は南米最南端のマゼラン海峡を経由することがなくなって、航路は大幅に短縮されました。
これを記念して、2月26日は「パナマ運河開通記念日」とされています。
■パナマ運河開通記念日の意味と由来
パナマ運河の完成は多くの国の貿易に寄与し、貿易立国日本も少なからぬ恩恵を受けています。
横浜とメキシコ湾に面した米ニューオーリンズ間を例にすると、パナマ運河経由であれば約9100kmを25日間で到達できますが、マゼラン海峡経由では距離も約1万6500kmとなり、45日間もかかってしまいます。
また、西回りのスエズ運河経由でも約1万4400km、40日間が必要で、パナマ運河航路は燃料費も大幅に節減され、往復通行料は平均1億円ですが、利用する船舶は年間約1万4000隻に上っており、日本は世界第4位のパナマ運河利用国です。
このため、海運の要衝であるパナマ運河は、船籍や軍民を問わず利用可能な国際運河に指定されています。
■パナマ運河開通記念日のイベント
2014(平成26)年8月、パナマ運河が開通して100周年を迎えたことから、パナマでは盛大な記念式典が行われましたが、毎年の記念日にお祝い行事はないそうです。
それに、そもそもパナマが「開通記念日」を意識しているのかどうか、ウラが取れません。
ふつうなら100周年のお祝いは8月ではなく、当日の2月26日にやりそうなものです。
記念日好きの日本がそう言っているだけかもしれませんね。
パナマ運河開通記念日の雑学
▽閘門式運河とは
運河とは船の航行や給排水、灌漑などのために、陸地を掘削して造られた人工の水路で、運河が結ぶ両端の川や海の水位、潮位が同じであれば「水平式運河」で、異なる場合は「閘門式運河」として建設しなくてはなりません。
運河のほとんどはスエズ運河をはじめとする水平式ですが、潮位の異なる太平洋と大西洋(正確にはカリブ海)を結ぶパナマ運河は閘門式運河として有名です。
では、閘門式運河はどういう仕組みで潮位差を克服しているのでしょうか。
閘門ではまず、進行してきた船を「閘室」で停止させ、前後を頑丈な「閘門扉」と呼ばれる水門で閉め、「上り」方向へ行く船の場合、閘室へ注水して水位と船を上昇させてから、行く手側の扉だけを開けます。
「下り」の場合はこの逆で、閘室の排水によって水位と船を下降させます。
閘室への水圧や給排水能力の関係から、何メートルも1度に上昇、下降はできないので、閘室の連続させることで上昇、下降の高さを調整します。
また、多くの船を収容できる大きな閘室にすれば効率的ですが、同様に水圧、給排水の理由で難しいようです。
▽パナマ運河
全長約80kmのパナマ運河は幅が91~200mもありますが、3か所の閘門に閘室が計6つあるため、その待ち時間を入れるとパナマ運河通過は24時間を要します。
パナマ運河の閘門式は両大洋に潮位差があるためと言われますが、実際は太平洋が20cm程度高いだけなので、この差であれば閘室はひとつで十分なはずです。
しかし、閘門の給排水に必要な水を確保するために、海抜26m地点に人造湖が形成されたことから、これだけの数の閘門、閘室が必要となりました。
カリブ海から進行する船は最初のガトゥン水門の3つの閘室によって、一気に海抜26m地点にまで上昇し、分水嶺を越え、次の1閘室のペドロ・ミゲル水門で9.5m
下って、最後のミラフローレス水門の2閘室で16.5m下降して太平洋へと出ます。
当然ですが、パナマ運河の閘室のサイズを上回る船は通行できず、全長366m、幅49m、喫水15.2mまでの船が通過可能で、この数字を「パナマックスサイズ」と呼んでいます。
■最後に
パナマ運河ほどの規模はありませんが、日本にも昔から閘門式運河はあって、陸路の整備が進むにつれて国内の海運が衰退、時間と経費のかかる閘門式運河のほとんどは役目を終えています。
しかし、東京・江東区を南北に縦断し、荒川と隅田川を結ぶ小名木川には「扇橋水門」があり、クルーズ船で閘門式運河の体験ができるそうです。
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