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国際非暴力デーとはいつ?意味や由来、マハトマ・ガンジーとはどんな人物

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▪はじめに

国際デーとは世界中で起こっている様々な問題について世界中の人々が考えるきっかけとなるように国連で制定された記念日です。

今回紹介する国際非暴力デーは、非暴力と不服従運動の指導者でインド独立の父とも呼ばれるマハトマ・ガンジーに因んで非暴力や平和について考える記念日です。

 

国際非暴力デーとは

国際非暴力デーは、毎年10月2日にあります。

国際非暴力デーは、インドの独立運動を非暴力で行う事を説いたマハトマ・ガンジーの誕生日に因んで2007年(平成19年)6月に国連(国際連合)で制定された記念日です。

ここでいう「非暴力」とは、暴力による弾圧に対して断食や座り込み、ボイコットなど非暴力によって抵抗することを意味しています。

 

また、インドではこの日を「ガンジー生誕記念日」という国民の祝日として独立の父とも呼ばれているマハトマ・ガンジーの生誕を祝っています。

 

▪意味

国際非暴力デーには、「教育や国民意識を高める運動を通して非暴力のメッセージを広める」という目的があります。

国連本部では毎年この日に非公式の総会本会議が行われ「非暴力の原則の普遍的意義」および「平和、寛容、理解および非暴力の文化を実現する」という意思を再確認しています。

 

▪由来

国際非暴力デーが10月2日になったのは、イギリスの植民地だったインドを独立へと導いたマハトマ・ガンジーの誕生日が10月2日であることに由来しています。

 

▪イベント

国際非暴力デーに関するイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。

 

ガンジーについての雑学

<マハトマ・ガンジーとはどんな人物?>

マハトマ・ガンジーとは、非暴力と不服従運動でインド独立への道を切り開いた人物です。

そんなガンジーはどのような人生を歩んだのでしょうか。

 

マハトマ・ガンジーは本名をモーハンダース・カラムチャンド・ガンジーといい、ポールバンダル藩王国の宰相の末子として1869年10月2日に当時イギリス領だったインド帝国のポールバンダル藩王国で生まれました。

エリートの家庭に生まれたガンジーでしたが、小学校時代の成績はあまり良い方ではなく、素行も悪かったと自伝に書き残しています。

不良と付き合い、ヒンドゥー教で禁じられている肉食を何度もしたりタバコを吸ったり、タバコを買う為に召使いのお金を盗んだりしたこともあったようです。

そんな素行の悪かったガンジーでしたが、学生の時に父親が亡くなり経済的に厳しい状況に置かれます。

ガンジーは将来お金を稼げるからという友人の勧めもあり、長男の支援を受けて弁護士になるために18歳のときにイギリスに留学しました。

 

ガンジーは留学する前に母親と「肉・女・酒」の3つの欲を禁じることを約束し、約束通り友人からの誘いもすべて断り勉強に打ち込みます。

留学中は、法律の勉強だけでなくインド哲学やヒンドゥー教の精神と文化にも興味を持つようになり、インドの伝統についても学び、また母親との約束から菜食主義の素晴らしさも発見しました。

 

イギリス留学で無事弁護士の資格を取ったガンジーは、1度インドに帰ったあと24歳のとき(1893年)に南アフリカで弁護士の仕事を始めます。

しかし、当時イギリス領だった南アフリカでガンジーはインド人が白人優位の過度な人種差別を受けている状況に直面し、またガンジー自身も差別を受けました。

この状況をどうにかしないといけないと考えたガンジーは、その後22年に渡り南アフリカでのインド系移民に対する人種差別を無くすために非暴力運動を行います。

その間、ガンジーは逮捕されたり投獄されたりしましたが、ついにはインド系移民の差別に繋がる多くの法律を撤廃させることに成功しました。

 

46歳のとき(1915年)にようやくインドに帰国したガンジーを、南アフリカと同様過度な人種差別を受けていてイギリスからの独立を望んでいたインドの人たちは彼を英雄として大歓迎したと言います。

そしてガンジーもインドの独立運動に積極的に参加しました。

また同時にインド独自のカースト制度の貧困層を解放するための活動も行い、彼らを雇う為の共同農園を作ったりもしています。

 

イギリス側はガンジーらの独立運動を力でねじ伏せようとしましたが、ガンジーは座り込みやイギリスのものを買わないなどの非暴力と不服従運動を貫きました。

またガンジーは、ストライキやインド人のイギリスの暴力行為に対する怒りを鎮めるために命がけの断食も数回行っています。

そんなガンジーの行いにインド人の中で独立を望む声が広がっていきますが、イギリスは植民地からの脱却は許すけれど独立は認めないという返事を続けていました。

1931年に行われたイギリスとの会議で完全独立以外あり得ないと発言したガンジーは逮捕され、3年間投獄されます。

出獄後、65歳になっていたガンジーは政治の世界を引退し、彼の意志を継いだジャワハルラ・ネルー(後の初代インド大統領)を中心に独立運動は続けられましたが、第二次世界大戦後もイギリスはインドの独立を認めませんでした。

また、独立運動中イスラム教徒とヒンドゥー教徒の対立が激しくなり、イギリスから独立する際にイスラム教徒はパキスタンという国を作ってインドとは分離しての独立を目指すようになります。

これはガンジーの考えとは異なることだったので、1984年にガンジーは2つの宗教の対立を収めるため再び民衆の前に姿を現し、断食をして和解を訴えました。

ガンジーの命がけの訴えを目の当たりにし、両宗派は和解します。

しかしガンジーは、1948年1月30日にこの和解に納得いかないヒンドゥー教過激派の男に暗殺されてしまったのです。

そしてガンジーが半生をかけて行ったインドの独立運動はようやく実を結び、イギリスからの完全独立を勝ち取りますが、ヒンドゥー教とイスラム教は決別し、イスラム教徒はパキスタンを建国して1948年8月14日に独立、ヒンドゥー教徒は翌日の1948年8月15日に独立するという結果になってしまいました。

 

ガンジーの非暴力と不服従運動は、キング牧師やダライ・ラマ14世、チャップリン、ボブ・マーリィ、ジョンレノンをはじめ、現在に至るまで世界中の人たちに影響を与え続けているのです。

 

<ガンジーが行った「塩の行進」とは>

ガンジーが行った数々の非暴力・不服従運動の中で最も有名なのが「塩の行進」です。

「塩の行進」とは、グジャラート州アフマダーバードからダーンディー海岸までの約386㎞を78人の弟子とともに1930年3月12日から4月6日にかけて行った抗議行進で、インド独立運動の重要な転換期になったものとされています。

 

ガンジーが「塩の行進」を行ったのは、インドにおけるイギリスの塩の専売制度に対する不当性を訴えるためでした。

当時のインドでは、インド人が自由に塩を作ることが法律で禁じられており、イギリス政府に高い税金を払わないと手に入らないものでした。

気温の高いインドでは塩不足は命に関わるものであり、インド国民はイギリスの非人道的な法律に対する不満を募らせていました。

ガンジーは塩税の廃止をイギリス側に手紙で要求しますがイギリス側はこれを無視します。

そこでガンジーは自分たちで塩を作るためにダーンディー海岸まで弟子たちと共に向かいました。

ガンジーたちが通る道沿いには多くのインド人が集まり、彼らを支援したと言われています。

24日間歩き続けたガンジー一行は4月6日にダーンディー海岸に到着すると海水で沐浴して身を清めた後、海岸で塩づくりを始めました。

イギリス警官たちはこの行為を塩法に違反するものとして、ガンジー一行をこん棒で滅多打ちにして押さえようとしましたが、ガンジーたちは反撃することなく塩の塊を拾い続けました。

このガンジーの行いは「塩の行進」と呼ばれ、インドの民衆に大きな影響を与えます。

 

「塩の行進」を見たインドの民衆たちは立ち上がり、ガンジーと同じようにイギリス警官たちからの暴力を受けようとも反撃することなく自ら塩を作ったり、イギリス製のものは買わないという不買運動を行ったり、イギリス政府の植民地法に対するデモ行進を行ったりしたのです。

このような運動がインド各地に広まったため、5月4日にガンジーは逮捕され、その後数週間で「塩の行進」運動に参加した民衆10万人も逮捕されてしまいました。

しかしガンジー逮捕後も運動は激しさを増していき、イギリス政府の行き過ぎた暴力行為で多くの死傷者が出て世界中で批判を受けたため、翌年の1931年にイギリスは塩の製造の許可と逮捕者の釈放をしたのです。

 

このように「塩の行進」は、ガンジーの非暴力と不服従の考えと行動が国を大きく動かした歴史に残るものとなったのです。

 

▪まとめ

残念ながら現代も世界各地で暴力を伴う人種差別や紛争などの問題が起こっています。

しかし、いま一度ガンジーが貫き通した非暴力による訴えを知り、暴力では何も解決しないどころか状況を悪化させることしかなく、人の心を動かすことはできないということを改めて考え直さなければならないと思いました。

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