沖縄には、旧暦の伝統行事がたくさんあり、その中のひとつにシーミー(清明祭)があります。
よく清明と晴明を間違って変換することがありますが、二十四節気の清明の方です。
安倍晴明にちなんで、京都の晴明神社晴明祭りというのもあるので、お間違いなく。
シーミー(清明祭)は沖縄の伝統行事で、旧正月やお盆などのように、大きな行事のひとつになっています。
目 次
2023年の清明祭はいつ?
2023年の清明の日の入は4月5日です。
シーミーは毎年、暖かくなる4月頃に行われ、旧暦で3月の清明の節の期間で、新暦では4月となっています。
シーミーには2つの種類があり、「シーミー祭」「神ウシーミー」があります。
清明入りして最初の日曜日は「神ウシーミー」と言い、門中など祖先とのつながりがある古い墓を墓参りして、その次の日曜日に身近な祖先の墓を墓参りします。
清明の日の入りに行うところが多いですが、その日が平日であれば、次の土、日で行います。そして、その後にシーミー祭を行います。
シーミーとはどんな行事?
シーミーというのは、先祖供養の行事です。
二十四節気の清明の期間に行う行事で、中国ではお墓の掃除をしたり墓参りをする日です。
沖縄のシーミーも親戚や家族が集まり、お墓参りをしたり掃除をしたりします。
また、ご先祖様のお墓の前で、ビニールシートをひいて、ピクニックのようにご馳走などを食べて皆で楽しみます。
また親戚と近況報告をしたり、世間話をしたりする場となっています。
英語で訳すとどう言う
シーミー(清明祭)を英語で言うとなんというのか?よく聞かれます。
どういう行事か伝えるなら、
Okinawa-style ancestor memorial service
オキナワスタイル アンシェスター メモリアル サービス
「沖縄風先祖供養」ともいったところでしょうか?
中国の清明節なら、
Qingming Festival ティンミン(チンミン)フェスティバル
といいますので、そこが「シーミー」と発音になったのかもしれません。
清明祭(シーミー)の歴史
清明祭は1768年から始まったとされているようです。
琉球王国の歴史が記された史書の「球陽(きゅうよう)」中に、1768年ごろに毎年清明祭を行うことを定めるという記述があります。
これ以降沖縄を中心に徐々に清明祭の文化が広まり、現在のように一般的に定着していったようです。
清明祭(シーミー)のやり方
各家系の独特な習慣が盛り込まれたりもするものなので差はありますが、一般的なシーミーの方法をご紹介します。
ご先祖のお墓周辺の草刈りや掃除をします。
持参したご馳走をご先祖の墓前にお供えします。
ウチカビ(あの世のお金)を焼き、一人一人がウコー(お線香)をあげていきます。
クワッチー(重箱・餅・果物・お菓子などの食べ物)をご先祖のお墓の前で広げて食べます。
泡盛やビールなどのお酒やジュースなどを出して、みんなで賑やかに行います。
シーミーのご馳走の重箱料理
シーミーの際に食べるご馳走は、重箱に入れて先祖のお墓にお供えします。
お供えした後でみんなで食べますが、正月の前のように、重箱のご馳走を作るのに朝から大忙しです。
正式な重箱の中身は、田芋、昆布、ゴボウ、こんにゃく、皮付き三枚肉、かまぼこ、揚げ豆腐、てんぷらなど、9品を詰めます。用意する料理の種類は奇数個と決まっているようです。
沖縄シーミーの様子はこちら
沖縄在中者の体験談
●ペンネーム:けんいちさん
シーミーとは中国の影響を受けた行事で、沖縄では年に一度欠かす事の出来ない大事な行事です。
まず1週間前からお墓の掃除を行います。
これは分家していった家族からも出席して行う本格的なもので、それだけご先祖への思いを感じます。
当日は母親が腕によりをかけてごちそうをこしらえます。
内容はおせち料理のような物です。
その料理をもって家族で先祖のお墓に出かけお参りします。
更にそこから、まだ上の先祖の墓参りにも出かけます。
お供えの方法も特徴的です。
お酒をお墓の手前に少しまき、それから料理の入った重箱を広げます。
重箱の中から料理を一品取り出して上に乗せるのが重要な点だそうです。
ご先祖様が食べやすくするための心配りだそうで、子供たちはこういう体験から様々な事を学んでいきます。
線香と、紙銭といって天国でのお金を燃やし、ご先祖への思いを伝えて煙がおさまったら重箱、お酒などを持ち帰ります。
更に上の先祖の墓も訪ねて同様の儀式を行います。
子供の頃は探検に行くような感じでウキウキとしたものですが、年を重ねるとともに先祖への感謝の気持ちが増してきます。
●ペンネーム:セアラ
祖母が沖縄出身なので何回も経験しています。
だいたい4月頃に先祖のお墓の前に、あらかじめ家で作って置いた重箱に入ったちょっと豪華めの料理(おせち料理みたいな感じ)を備えて、そこでみんなでご飯を食べていました。
何か聞いた話だと備えるだけで、お墓の前では食べないという知り合いもいましたし、今は結構このシーミーも多様化してると聞きます。
あと、本土と同じようにお線香などもあげるんですが、そのお線香もウコーと呼ばれる平べったいお線香で、一般的なものとはかなり違います。
結構このお線香も重要で、かならずこのウコーという沖縄の線香を使っていました。
あとはあの世のお金と信じられているウチカビという紙銭を備えたりして、先祖を供養します。
全体的に言えるのは、本土のお墓参りに比べ、かなり張り切っておこなうというのでしょうか、お金も結構使って供養している気がします。
結構遠い血縁の親族も集まってやりますし、人数も多めです。
以上、沖縄の祖先供養である、清明祭(シーミー)でした。
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シーミー(清明祭)や旧盆、旧正月などが残る沖縄は、ご先祖様に感謝する気持ちが強いようです。
沖縄の旧暦行事はこちら