人日(じんじつ)の節句 1月7日 別名「七草の節句」
上巳(じょうし)の節句 3月3日 別名「桃の節句」
端午(たんご)の節句 5月5日 別名「菖蒲の節句」
七夕(しちせき)の節句 7月7日 別名「笹の節句」
重陽(ちょうよう)の節句 9月9日 別名「菊の節句」
と日本には5つの節句がありますが、重陽の節句とはどのような日なのでしょうか?
目 次
重陽の節句とはいつ?
毎年9月9日は、五節句のひとつである「重陽の節句」です。
菊を用いて不老長寿を願うことから、別名として「菊の節句」ともいいます。
旧暦の9月9日は新暦の10月中ごろにあたり、菊の美しい季節でした。
2023年の旧暦の9月9日は10月23日になります。
節句というのは季節の変わり目に行なわれる伝統行事で、その中のひとつです。
中国には陰陽思想というものがあって、全てのものは「陰」と「陽」で成り立っているという考えがあります。
そして数字の奇数は「陽」を表しており、「九」という数字は陽の気が極まった数字と考えられておりました。
五節句の中でも一番大きな陽数である9が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽の節句」と定めており、大変おめでたい日とされており、不老長寿や繁栄を願う行事をしてきました。
菊が主役の重陽の節句
菊は観賞用だけでなく、薬草としても用いられて、延寿の力があるとされてきました。
「菊慈童(きくじどう)」という、菊のおかげで少年のまま700年も生きたという伝説もあります。
また、日本の国花としても親しまれています。
重陽の節句は中国由来の行事で、日本では平安時代ごろに貴族の宮中行事として取り入れられておりました。
その頃は中国から伝来したばかりの珍しい菊を眺めながら宴を催して、菊を用いての厄祓いや長寿祈願をしていました。
それが時代とともに民間にも広がり、やがて江戸時代に五節句の一つとなって親しまれるようになりました。
寿命を延ばすと信じられていた菊を使って、さまざまな風習が伝えられています。
重陽の節句の食べもの
菊のお菓子
重陽の節句の時期になると、菊をモチーフにした和菓子が販売されます。
尾形光琳が考案した「光琳菊」や菊の干菓子などがあります。
食用菊
食材として栽培された食用菊は、昔から親しまれてきた食べられる花で、おひたしやお吸い物、サラダなどにして食べます。
また、お刺身の盛りつけでお馴染みの黄色い菊は、見た目の美しさだけでなく、優れた抗菌作用があり、食中毒を防ぐ役割もあります。
栗ごはん
江戸時代から重陽の節句に栗ごはんを食べる習慣があり、別名で「栗の節句」とも呼ばれておりす。
重陽の節句、行事の内容と楽しみ方
菊酒
本来は菊を漬け込んで作りますが、お酒に菊の花びらを浮かべてみるだけでも良いでしょう。花札の菊と盃の絵柄のような風流な気分が味わえます。
被せ綿(きせわた)
前日に菊の花に綿をかぶせておき、翌朝に菊の露や香りを含んだ綿で身体を清めることで長生きできるとされていました。
菊湯
現代のハーブバスのように、湯船に菊を浮かべて入ります。
菊枕
菊を詰めた枕で眠り、眠っている間に菊の香りで邪気を祓います。
菊合わせ
菊のコンクールのようなもので、菊を持ち寄って優劣を競います。この時期になると、菊人形展や菊まつりが各地で開催されています。
茱萸嚢(しゅゆのう)
呉茱萸(ごしゅゆ)の実を緋色の袋に納めたもので、飾ったり身に着けたりして厄除けをします。
この時期は、こちらの記事がよく読まれています。
五節句については
節句にまつわる事項