「10月15日 ぞうりの日」
■はじめに
筆者は「ぞうり」と聞けば、和装の女性の優雅な姿を思い浮かべてしまいますが、古くは「わらじ」に近い代物であったようです。
「草履」(ぞうり)と「草鞋」(わらじ)、履物の進化過程をたどってみれば、どこかで合流しそうです。
目 次
ぞうりの日とは
10月15日は「ぞうりの日」なんだそうですが…。
いろいろ調べてみても「七五三や正月など、草履を履く行事の多い時期であることから、草履興行組合が制定」とした情報しか出てきません。
文面から情報の出処はひとつのようで、そもそも「草履興行組合」が不明で、草履と興行が結び付くとすれば古典芸能関係か、あるいは草履工業組合の間違いかとも思って調べましたが、情報はヒットしませんでした。
普通こうした記念日には、草履メーカーや販売店が販促イベントを企画しそうなものですが、これも見当たりません。
本当に「ぞうりの日」なんでしょうか、甚だ怪しげな記念日ではあります。
■ぞうりの日の意味と由来
「ぞうりの日」はあやふやですが、「草履」が日本の伝統文化の一端であることは間違いないところなので、「草履」を起点に「草鞋」「雪駄」「下駄」の違いをまとめてみました。
「草履」は竹皮や皮革、藁、い草、畳、ビニールなどが素材の鼻緒履物で、鼻緒を指に挟むのは日本発祥と言われています。
「草鞋」は藁で作り、鼻緒同様に指で挟みますが、甲や足首も縛りますね。
「下駄」は足を乗せる部分の材質が草履と違って木製です。
「雪駄」は積雪や濡れた地面を歩くために草履を改良したもので、竹皮で作った草履の底に皮を貼って防水性を高め、踵の部分の底に金属の鋲を打って補強しています。
「ビーチサンダル」は材質がゴムというだけで、カテゴリーとしては草履になりますね。
■ぞうりの日のイベント
下駄のイベントは思いのほかあるようですが、草履に特化したイベントは見当たりません。
ぞうりの日の雑学
▽正しい草履の選び方
自分にピッタリ合った靴を選ぶのはたいへんですが、草履の選び方にも多くの注意点があります。
まず靴と違って、草履は足より小さめなものがいいそうで、鼻緒を指で挟んだ状態で、踵が後ろに1cm程度はみ出るのが最も美しく見えると言います。
ただし、草履は本来やや前方に力を入れて歩くものですが、初心者はこの履き方に慣れていないため、はみ出した踵が痛むことが多く、初めて買う草履は足とピッタリ同じサイズがいいかもしれません。
では、足より大きめの草履はどうかと言うと、草履は鼻緒だけで足を固定するので、踵が離れやすく、子どもが大きいスリッパを履いているような状態に見えてしまい、せっかくの和装が台無しです。
また、踵が離れると着物の裾を踏んでしまい、この結果、帯の下のはしょり部分が出てきてひどい着崩れになるほか、転倒の恐れすら生じます。
▽袴姿とブーツ
女子大生の卒業式、晴れ着、袴の足元にブーツといった出で立ちに、筆者は未だ釈然としない思いがあります。
女子学生がそうした格好でブーツを履くようになったのは大正時代の流行とか、少女漫画の影響など諸説ありますが、ここにも美しい履き方のポイントがあるそうです。
ブーツの場合は、丈がくるぶしよりちょっと上の袴を選べば、着付けたときにピッタリのバランスになり、美しい立ち姿になります。
また、同じサイズの袴で草履を履くと、足首が丸見えになって品がありません。
ブーツは動きやすく、悪天候にも強いですが、袴姿でブーツを脱ぐのはひと苦労なので、式後のスケジュールに注意が必要です。
■最後に
江戸時代に作られた丈夫な金剛草履は、2束で3文という廉価でした。
このため投げ売りや価値のないものを今では「二束三文」と言っていますね。
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