■はじめに
まだ秋真っ只中の10月から、11月に入るといよいよ本格的な冬を意識するシーズンになります。
お住まいのエリアによっては、すでに冬支度をしているところも多いのではないでしょうか。
そんな11月の半ばは、日本の伝統に欠かせないうるしの日です。
目 次
うるしの日とは
うるしの日は毎年11月13日にあります。
うるしの日が制定されたのは、1985年(昭和60年)のこと。
一般社団法人日本漆工協会によって制定されました。
例えば精漆・漆芸・愛好家など、漆に携わる様々な会員の方々が参画しています。
ちなみに、漆愛用月間 が11月1日~11月30日とされています。
■意味
うるしの日は、漆文化を幅広い層に広げていきたいという意味合いがあります。
そして、業界側が漆文化の発展を祈り集う日でもあるんですね。
例えばうるしに関する展覧会、研究会、講演会などが行われています。
■由来
平安時代、文徳(もんとく)天皇の第一皇子惟喬親王(これたかしんのう)が、いまだ完全でない「漆の製法」「漆器の製造法」を憾みとされ、京都・嵐山の法輪寺に参籠され、本尊虚空蔵菩薩より御伝授、御教示を受けて完成し、日本国中に広めたという伝説があります。
その参籠満願の日が11月13日といわれています。
このことから、うるしの日は11月13日に制定されました。
■イベント
岩手県にて毎年、【KOUGEI EXPO IN IWATE】が開催されています。
これは、全国の伝統的工芸品の製作体験や展示販売が行われる他、職人による製作実演も行われるというもの。
入場料は無料で、毎年多くの人達で賑わっています。
11月3日〜5日にかけて岩手産業文化センター(アピオ)にて開催されました。
その中に【漆DAYSいわて】も岩手県主催にて催され、漆文化や漆器の製造工程などの紹介がなされました。
他にも、11月13日にはあちこちでうるしをテーマとしたイベントが開かれています。
法輪寺でのうるし祭や明治神宮での漆器奉納など。
また、この時期には地域別に作品展や植樹が行われたり、SNSでのキャンペーンが行われたりもします。
ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
うるしの雑学
うるしの日にちなんだ雑学をご紹介します。
□うるしとは!?
うるし(漆)とは、ウルシ科のウルシノキ(漆の木; Poison oak)やブラックツリーから採取した樹液を加工したもので、ウルシオールを主成分とする天然樹脂塗料のことです。
塗料として、漆工などに利用されるほか、接着剤としても利用されています。
日本国内のうるしの生産量は、需要量のうち2%程度でしかなく、残りは中国からの輸入により賄われています。
その輸入量も1990年前後が300トン以上であったのに対して、2007年以降は100トンを切る傾向にあります。
日本国内の生産地は北海道から高知県にまで及びますが、生産量の7割は浄法寺漆に代表される岩手県産となっています。
うるし生産の場では、漆かき(樹皮に傷をつけて、にじみ出る生漆(きうるし)をへらでかきとって採集すること)職人が減少し続けていて、今後、文化財の修復に必要な国内産漆の確保に支障が生じることから後継者の育成が課題となっています。
□うるしの特徴と性質
うるし(漆)という言葉の語源は「麗し(うるわし)」あるいは「潤し(うるおし)」であるとも言われ、その美しさと強靱さはもちろんのこと、熱や湿気、酸、アルカリにも強く、防虫効果や腐敗防止にも優れることから、食器や家具などの塗料に用いられています。
ただ、紫外線に当たると劣化し、極度の乾燥に長時間さらされてしまうとひび割れしてしまうところが欠点です。
しかし、この欠点は、保管状態にさえ気をつければ避けられることばかりです。
■まとめ
うるしの日についてご紹介させて頂きました。
毎日、漆器のお世話になっているという方もたくさんいらっしゃるかと思います。
その反面、最近では食文化の変化からうるしに触れる機会がないという方がいらっしゃるのも事実かと思います。
そんな、私達の伝統工芸品として欠かせないアイテムとなっているうるし。
毎年11月13日うるしの日には、愛用しているうるしのメンテナンスをしたり、関連イベントをチェックしてみるのがおすすめです。
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