「10月18日 木造住宅の日」
■はじめに
先月、筆者の生まれ育った家が取り壊されて更地になり、こんなに狭い土地の上で暮らしていたんだと感無量の想いでした。
建てたのは大正のころと聞いていましたが、大工の祖父が自分で平屋を2階建てに改築し、その後も改修するなどしたものの、今では住む人もいなくなった上に、地震で倒壊の恐れもあることから、取り壊しとなりました。
目 次
木造住宅の日とは
1998(平成10)年に日本木造住宅産業協会が、協会の役割と知名度向上を目的として、10月18日を「木造住宅の日」に制定しました。
日付は「住」→10月、「木」を分解すると「十」と「八」なので→18日、ということで10月18日に決まりました。
■木造住宅の日の意味と由来
木造の住宅はデザイン性と風情に富んでいると思います。
これは古来、木材の入手が容易な国土であり、神社仏閣の建立によって木造建築の技術が発展したことで、一般の住宅も木造が採用され、現在でも、一戸建て住宅の約9割が木造住宅です。
森林の少ない国ではレンガや石造りの家が今でも多く見られますね。
鉄骨系の住宅は建材の耐火や防錆などの事前処理に手間がかかって費用がかさみますが、木造は軽いので基礎工事に手間がかからず、建築コストの面では木造に軍配が上がります。
また、木材には湿度を調整する働きがあり、湿気の多い時季には木材が空気中の水分を吸う除湿効果でカビや結露を防止してくれ、逆に乾燥すれば木材中の水分を放出します。
しかし良いことばかりではなく、建物の強度や耐震性は鉄骨系に比べて劣り、また施工会社や職人の腕によって出来栄えに難が出る場合もあり得ます。
さらに当然ですが、木材なので火災に弱く、自然災害にも鉄骨系以上の備えが必要で、シロアリ対策も忘れてはなりません。
■木造住宅の日のイベント
木造住宅と名の付いたイベントはたくさんありますが、どれも販売促進か業者向けのセミナーなどでした。
唯一、日本木造住宅産業協会が毎年、小学生を対象に「木のあるくらし」をテーマとした作文コンクールの実施が目を引きますね。
木造住宅の日の雑学
▽木造戸建て住宅は事前構造審査免除の「4号特例」
当然ながら、木造戸建て住宅の構造にも安全性の基準が法令で定められています。
これは地震や風圧に耐える壁量、壁配置のバランス、柱の接合の3つを計算式でチェックするもので、加えて建築基準法にある基礎や屋根、土台、柱、部材品質などの8項目の仕様を守らなくてはなりません。
しかし、木造住宅は昔から大工さん、工務店などが経験と勘をもとに建ててきており、今になって事細かい計算式を出せと言うのも無理な話で、それでは大工さんが路頭に迷い、工務店は倒産してしまいます。
このため、プレハブ工法や2X4工法以外で、「4号建築物」に分類される従来工法の木造戸建て住宅は、確認申請時に構造計算書の提出が免除される「4号特例」という規定を設けています。
「4号建築物」は、不特定多数が利用せず、2階建て以下の木造で、高さ13m以下(軒は9m以下)、延べ面積500平方m以下であることを条件としています。
■最後に
「築30年が木造住宅の建て替え時期」と言われますが、働き盛りで家を建てれば、老後にその時がやって来てしまいます。
核家族社会が定着した今、お年寄りが大金を使って建て替える必要もないと考えるのは当然で、亡くなった後の空き家の老朽化が大きな社会問題となっていますね。
10月18日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!