「11月20日 毛皮の日」
■はじめに
世界的な毛皮反対運動の高まりで、グッチやアルマーニ、H&Mをはじめ、日本でもアシックスやミキハウス、モンベルなど、毛皮の廃止を宣言する有名ファッションブランドが相次いでいます。
日本毛皮協会は「地球環境」「持続可能な有効利用」を訴えていますが、今のところ防戦一方で、旗色は悪くなるばかりです。
目 次
毛皮の日とは
日本毛皮協会が1989(平成元)年に、毛皮の販促キャンペーンとして11月20日を「毛皮の日」に制定しました。
毛皮(fur)とは体毛がついている獣皮で、リアルファー(real fur)とも言い、化学繊維や羊毛などを使うニセモノをフェイクファー(fake fur)と呼びます。
日付は「いいファー」の語呂合わせですが、「ファー」がどうして「20」になるのか釈然としません。
聞けば「フ」→「2」、「ァー」→「輪」→「0」なんだそうですが、そう教えられてもさっぱりわかりませんね。
ひょっとしたら、「ァー」→「わ~」→「輪」→「0」なのかもしれません。
■毛皮の日の意味と由来
「地球上のすべての動植物は、食物連鎖の形でバランスをとり………生態系のバランスを保つためには、人間の英知による管理(=間引き)が必要です」
日本毛皮協会はそう訴え、
「それが真の自然保護にもつながり、適正に捕獲された野生動物を、自然の恩恵として………毛皮という素材は、自然が人類に与えた恵み」と、毛皮の存在意義を強調しています。
しかし、毛皮のほかに防寒具がなかった石器時代と違い、フェイクファーをはじめ多種多様な素材の衣服があふれる現代において、毛皮用の動物養殖農場まで作り、命を奪う必要があるのかという反論も多く、さらに毛皮の品質を追求するあまり、動物の意識のあるうちに毛皮を剥ぐという実態が露呈するに及んでは、協会の論陣も木っ端微塵という印象です。
■毛皮の日のイベント
日本毛皮協会は2004年から毛皮の普及を目的に、最も毛皮の似合う俳優やタレントを「FUR OF THE YEAR」として表彰していましたが、2013年の第9回を最後に実施されていません。
これは年々高まる毛皮に対する風当たりのためと思われ、選ばれた側としてもマイナスイメージになりかねません。
このイベント復活への道は遠いと言わざるを得ません。
毛皮の日の雑学
▽毛皮で葬儀参列はタブー
毛皮のコートで冬場の葬儀に参列するのはタブーとされています。
「殺生」を禁じている仏教では、特に毛皮のコートは動物を殺めて作るものなので、葬儀の場にはふさわしくないとされます。
冠婚葬祭に出される精進料理も、仏教の戒めに基づいて殺生を避けた食材で作られていますね。
では、フェイクファーならどうかと言えば、やはりやめた方がよろしいですね。
あくまで見た目を問われることなので、本物かフェイクかの問題ではありません。
▽三味線の皮
三味線の皮と言えば、だれもが猫を思い浮かべることでしょう。
三味線は昔ほど作られていませんが、皮は猫皮(よつかわ)の他に、犬皮(けんぴ)、カンガルー皮、合成皮も使われます。
猫皮はお腹の部分を使うので、1匹で1丁分しか作れないため、非常に高価な品になりますが、音色は秀逸で主に舞台で使われています。
犬皮は背中を使うので、1匹から数丁分取れますが、音が硬いために稽古で使用されているようです。
カンガルーは猫や犬より大型なので取れる皮も多く、犬皮よりも滑らかで音も響きやすいと言われます。
合成皮は破れない利点はあるものの、熱に対して極端に弱く、音もそれなりの割には価格が高いのが難点で、改良が求められます。
■最後に
2019年に日本は世界の28か国から102億円もの原皮と毛皮を輸入していますが、それでも1990年の1400億円と比べれば激減したと言っていいと思います。
近年は100億円前後で推移しているようですが、生きているうちに毛皮を剥がされる動物がいることを思えば、もっともっと減ってほしいと思いますね。
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