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農協記念日とはいつ?意味や由来、注目されている「スマート農業」とは

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「11月19日  農協記念日」

■はじめに

もちろん「農協」という言葉は知っていますが、筆者の親戚、友人知人には農業従事者がいないので身近に感じたことはありませんね。

環太平洋パートナーシップ(TPP)が国論を二分し、反対の先鋒に立つ農協の主張は多くの報道で見聞きしましたが、一般消費者としては農産品の値段ばかりが気になっていました。

 

農協記念日とは

1947(昭和22)年11月19日に「農業協同組合法」(農協法)が公布されたことを記念し、全国農業協同組合中央会(JA全中)がこの日を「農協記念日」に制定しました。

 

■農協記念日の意味と由来

最近は「全国農業協同組合」とか「農協」という活字はあまり見かけなくなって、「JA」(Japan Agricultural Cooperateives)と表記されることのほうが多いようです。

戦後、GHQは自主・民主的な農協設立に動きましたが、敗戦直後の食糧難の解決を急ぐため、1947年の農協法は戦時統制下の帝国農会を引き継ぐ形で成立させざるを得ませんでした。

制定から1年で全国に約1万4000の農協が設立されましたが、林立した弱小農協の破綻が相次いだことで、再建のために国の介入を受けることになります。

 

1954(昭和29)年の法改正によって、各農協への指導権限を持つ全国農業協同組合中央会(JA全中)が誕生したことで、より行政と密接な関係となったことから、JA全中は上意下達型組織とも言われました。

しかし、農林中金をはじめとする金融事業が高度経済成長の波に乗ったこともあって、JA全中は巨大組織に成長し、TPP交渉に際し1167万人の反対署名を集め、国会議員の約半数がTPP反対に賛同しています。

 

現在、JA全中の事業は農産品の集荷や販売、農業資材の購買、機械の共同利用、技術指導、資金の貸し付けや預貯金業務などを全国で展開しています。

 

■農協記念日のイベント

事業ごとにイベントも開催しているようですが、「農協記念日」としての催しは見当たりません。

 

農協記念日の雑学

▽日本の食料自給率

かつて、戦後間もないころの日本の食料自給率は88%でしたが、以後は下降の一途をたどり、現在は40%前後で推移、カナダの264%、オーストラリアの224%、アメリカ130%、フランス127%に遠く及ばず、政府目標の50%にも手が届きそうにありません。

自給率の低下は食生活が変化し、肉やパンの需要増が原因ですが、コメに限れば自給率は100%です。

 

しかし、牛肉は36%、豚肉49%、鶏肉64%で、輸入飼料で育ったものを除外すると、それぞれ10%、6%、8%と大幅に下がってしまいます。

また小麦14%、大麦9%、大豆7%など、例を挙げればキリがない状況下で、もし世界的な異常気象や戦乱で輸入制限になれば、深刻な食料不足はすぐにやって来ます。

自給率が上向かないのは、高齢化による農業人口減少であることは間違いない上、TPPの影響も見通せない今、官民挙げての対策が求められています。

 

▽「スマート農業」

農作業の労力軽減、技術の継承、食料自給率の向上などを目的とした「スマート農業」が注目されています。

その代表的なのが「ロボット技術」を活用するもので、ドローンによる農薬の自動散布、作物の自動収穫や選果と箱詰め、カメラやセンサーによる画像分析など、24時間365日の稼働が可能になります。

 

また、気象や病気などのビッグデータを人工知能(AI)が分析することで、収穫時期、出荷時期を確実に予測することもできます。

さらに、IoTによって市場動向、消費者ニーズを把握し、需要予測が確実なものになれば、輸送コストも削減できて、生産から流通、販売までのワンストップサービスが可能です。

 

この「スマート農業」は従来の農業のイメージを一新させるもので、経験に頼る部分もなくなることによって、若い初心者の農業参入も容易になり、農業者減少に歯止めがかかると期待されています。

すでに「スマート農業」によって、耕地面積が日本の4分の1、農業人口が7分の1というオランダは、農業輸出額で世界第2位を占める農業大国に成長しています。

 

しかし解決すべき課題はまだ多く、開発コストをはじめソフトウェアやデータ形式の統一によって相互運用を目指す必要があるものの、今は開発段階でもあり、そうした動きにまでは至っていません。

加えて、導入する農家側にも費用、時間、技術面で大きな負担がかかり、コンピュータ運用、データ分析などが難題になります。

 

■最後に

TPPの都合もありましたが、自民党は最大の票田であるJAの改革を推し進めようとしています。

ひと昔前にはとても考えられなかったことです。

まだまだ紛糾しそうですが、自然の驚異に立ち向かいながら、汗して働く農業者をぜひ守ってもらいたいと思います。

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