「12月3日 個人タクシーの日」
■はじめに
街に車が増え、高度成長が始まろうという時代、「1ヒメ・2トラ・3ダンプ」という言葉がありました。
これは女性、酔っ払い、ダンプカーの運転は怖いので、絶対に近寄るなという意味で、タクシーも4番目に追加された時期もありましたが、関係省庁と団体の尽力でタクシーの汚名は返上されています。
現在では差別的になりそうなので、こんな言葉はつかえないでしょう。
目 次
個人タクシーの日とは
日本で初めて個人タクシーの免許が下りた1959(昭和34)年12月3日から50年後、全国個人タクシー協会がこの日を記念し、また安全で確実な交通手段としての個人タクシーをアピールしようと、12月3を「個人タクシーの日」に制定しました。
■個人タクシーの日の意味と由来
高度成長につれてタクシーの需要が増えた昭和30年代、ドライバーがノルマや歩合給などのため無謀な運転をする「神風タクシー」や、個人で勝手に開業する「白タク」が問題視されるようになりました。
このため運輸省(当時)は問題解決の手段として、厳格な資格を備えた個人に対しタクシー営業の門戸を開いたことで、1959年に東京の173人に免許が交付され、以後、各都市に免許区域が広がることになります。
■個人タクシーの日のイベント
毎年12月、個人タクシー協会はマスターズ制度(後述)参加の個人タクシー利用客に応募はがきを配り、10万円の旅行券や地方の特産品、クオカードなどが当たる「個人タクシー利用者感謝キャンペーン」を実施しています。
しかし、これは関東、東北地方を中心とした取り組みでもあるようです。
個人タクシーの日の雑学
▽マスターズ制度
個人タクシーの優良度を認定し、ひとつ星、ふたつ星、みつ星(マスター)の称号を与え、タクシーの屋根に掲げて安心して個人タクシーを利用してもらう意図で始まったのがマスターズ制度(優良個人タクシー事業者認定制度)です。
マスターを獲得した後も毎年審査があって、交通違反やクレーム次第ではひとつ星に降格されるなど、厳格な運営基準をアピールしています。
▽タクシー業界の現状
現在、全国の個人タクシー事業者は約3万3000人、法人タクシー事業者約6150社、個人・法人の車両約22万台と推計されていますが、コロナ禍によってその数字は減少しているかもしれません。
タクシー1台の売り上げは東京23区内の場合、1日平均5万円前後と言われていましたが、コロナの影響で2020年4月は2万2000円に落ち込み、5月にようやく3万円にまで持ち直したものの、そのままの状態が続いています。
タクシー運転手の平均年齢は58.7歳(全産業平均42.9歳)、年間労働時間は2304時間(同2172時間)、年間所得302万円(同536万円)という過酷な条件下にあります。
バブル崩壊と規制緩和によって、金曜夜の東京・赤坂には客待ちの空車の列が延々と続き、これでは近距離の利用は遠慮せざるを得ません。
▽雲助タクシー
「神風タクシー」が死語になっているのと同様に、最近は「雲助タクシー」も耳にすることがなくなりました。
「雲助タクシー」とは遠回りをしたり、メーターに細工するなどして、不当に高額な運賃を請求する運転手のことを言いましたが、今は不愛想な人はいても、そんなことをすれば一発アウトの処分が待っています。
雲助とは江戸時代、客から盗賊まがいに金品をまきあげる悪徳な籠かき人足のことを指し、彼らは住所不定でとらえどころのないことから雲助と呼ばれたそうですが、網を張ってカモを待つから「蜘蛛助」という説もあって、こちらのほうが近い気がします。
とにかく日本の雲助は絶滅したはずですが、ネット上では海外で「雲助」の被害に遭った体験談も散見されますね。
筆者の知り合いもバンコクで、目的地到着寸前に約束した料金の値上げを要求されたことがあったそうです。
知り合いはそんな要求には取り合わなかったそうですが、知らない土地で、気の弱い人ならボッタクられてしまいそうです。
■最後に
以前、友人4人と温泉に行く話がまとまって、運転は話し合うまでもなく、個人タクシーをやっている友人Aに決まりました。
道中、それほど車が多くない高速道路でしたが、Aはあくまで慎重・安全運転で、「あんなクルマ、さっさと抜いてしまえ」という友人Bの言葉に耳を貸しません。
Bに加勢するCにもうんざりしたのか、
「お前たちは免停になっても会社をクビにはならんだろうが、オレは商売できなくなるんだぞ」
とのひと言で、一同「すみませんでした」。
プロであるがゆえに、余計に安全運転を心がけるんですね。
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